山手線1周以上? 在来線で駅間距離がもっとも長い区間とは

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山手線1周以上? 在来線で駅間距離がもっとも長い区間とは

 高速鉄道、在来線、ローカル線、通勤路線、地下鉄、路面電車、登山電車……日本全国47都道府県に走る鉄道の数々。その車両もまた、電気車両、ディーゼルエンジン車両、蒸気機関車、ハイブリッド車両、リニアモーター車両、モノレール、ゴムタイヤ駆動車両といったように、あらゆる車両が存在します。

 本書『ニッポン 鉄道の旅68選』では、こうした日本中のさまざまな鉄道のなかから、地域ごとに特徴ある路線や車両を選び解説。鉄道の魅力や注目ポイントを伝えてくれます。

 たとえば地上を走る在来線において、隣の駅までの距離がもっとも長い区間はどこであるか想像がつくでしょうか。その答えは、JR北海道石北本線の上川〜白滝間で37.3キロメートル。これは山手線1周(34.5キロメートル)以上の距離であり、隣の駅までの運賃は840円。石狩地方と北見地方を分ける山間の、炭鉱の閉山と林業衰退で過疎化が進んだ地域を結ぶため、車窓には走っても走っても人家が映らないのだといいます。

 ちなみに駅間距離が長い区間、第2位は、石勝線の新夕張〜占冠間で34.3キロメートル、3位は石勝線のトマム〜新得間33.8キロメートル、4位は根室本線の落合〜新得間28.1キロメートルと、上位を北海道が独占。駅間距離からも、北海道のスケールの大きさを感じることができます。

 では続いて、日本でもっとも地下深くを走行する路線はどこであるかご存知でしょうか。答えは、東京都営地下鉄大江戸線。東京では12本目の地下鉄ということで、既存の地下鉄のさらに地下深くを堀削しなければならなかった大江戸線は、もっとも深い六本木駅の1番線で、42.3メートル、マンションでいえば13〜14階建てに相当するのと同じ高さ分の深さになるのだそうです。

 この大江戸線では通常のモーターではなく、レールとレールの間に敷き詰めた電磁石と、車両に搭載された電磁石の反発力で走行する”リニアモーター駆動”を採用。リニアモーター駆動にすることで「床下に通常の電車のようなモーターを装備していないので直径の小さな車輪を採用でき、床下がコンパクトになり、結果として、車両断面が小さく」(本書より)なることに。地下深くを掘ることで高額になる分、トンネル断面の面積を小さくすることで、建設費を抑えているのだといいます。

リニアモーター駆動の地下鉄は、大江戸線のほかにも、大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線、大阪市営地下鉄今里筋線、横浜市営地下鉄グリーンライン、神戸市営地下鉄海岸線、福岡市営地下鉄七隈線、仙台市営地下鉄東西線でも採用されているそうです。

本書を読めば、日々利用する鉄道も、旅先で乗る鉄道も、新たな観点から眺め、楽しむことができるのではないでしょうか。

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