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日本でも国民投票は実施可能か?実施のために解決すべき問題とは?

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EU脱退となった英国の国民投票が投げかけた問題点

 EU脱退となった英国の国民投票は、国際政治、世界経済に対する重大な影響を及ぼしました。
今後歴史に残る出来事として語り継がれることは間違いないでしょう。
しかし、英国内では、投票前の熱狂に比べ、投票後は「BREGRET(イギリスの後悔)」という新語が流行り、離脱推進派の虚偽宣伝が問題になっています。

 経済格差に対する不満とレイシズムの蔓延、冷静に調べれば嘘とわかる宣伝を憚らせる反知性主義を放置すると没落国家になりかねない、今の日本にも当てはまる、という指摘もあります。
日本では国民投票はどのように考えられるのでしょうか。
代表制と民主制にかかわるかなり難しい問題を含んでいます。

日本で国民投票を実施できる可能性

 日本国憲法の採用している間接民主制は直接民主制が採用できないための次善の策であるとする考え方があります。
この考えによれば、特定の政治課題について国民が直接投票して賛否を決める国民投票は何の問題もない、むしろ望ましい制度だということになります。

 これに対して、間接民主制・代表制が基本であり、直接制は例外だとする考えもあります。
この考え方によれば、憲法が定める憲法改正(96条)、 地方自治特別法の場合(95条)、 憲法15条が認める公職者のリコールを除き、 法的拘束力を持つ国民投票は認められないということになります。
憲法前文の「代表者を通じて行動」、「代表者がこれを行使」という表現が根拠に上げられることもあります。

 さらには、多様な価値、利益、信条などが現存する社会を維持するためには、賛成か反対かの二元的決定では対応できず、代表による話し合いでの調整が必要であり、それが民主主義だ、というのが政治学の標準的立場だともいわれているようです。

 しかし、最高法規である憲法の改正手続に国民投票という方法で国民の関与を認めている日本国憲法の解釈としては、一定の政策や法改正の是非等の判断に関して、法律で国民投票制度を作って決めても違憲とされることは、法論理的にはないように思われます。
したがって、立法府の判断次第、ということになります。

国民投票実施には解決すべき問題が多い

 ただ、国民投票には、今回のイギリスの例のように扇動的・反知性的言説が強く影響するおそれがあるだけでなく、資金力の強い勢力や主要な政党が一方に与している場合に、公平を期すために他方の見解を投票権者に広める何らかの措置を定めることが必要だと考えられますが、それは表現の自由に対する侵害にならないか、などの難しい問題もあり、慎重に検討される必要があると思います。

(青島 明生/弁護士)

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