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知らず知らずのうちに使っている「呼応表現の誤り」あるある

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■日本語の代表的なルール「呼応表現」を知っていますか?

日本語には「たぶん〜だろう」のように、ある言葉を使ったときに、決まった言葉で受けなければいけないものがあります。これを「呼応表現」といいます。呼応表現は、日本語のルールのひとつです。

ところが、このルールを守れていない文章をよく見かけます。呼応表現が正しく使えていないと、ちぐはぐで稚拙な文章になりかねません。文章の据わりが悪く、論理も破綻しているため、読む人に負担を強いることにもなります。

本記事では、「誤った呼応表現」と「正しい呼応表現」を比較しながら紹介していきます。

■「受ける言葉」を間違えると「悪文」になる

理由を表す接続詞「なぜなら~」は、「~(だ)から」で受ける必要があります。「なぜなら〜」は「結果+理由(原因)」の文章に使われます。

【原文】

20代は、いろいろな職種を経験したほうがいい。なぜなら、ひとつの職種しか経験していないと、人間の幅が狭くなってしまう。

【修正文】

20代は、いろいろな職種を経験したほうがいい。なぜなら、ひとつの職種しか経験していないと、人間の幅が狭くなってしまうからだ。

同じく、「結果+理由(原因)」の文章には、「〜したのは」を「~(だ)から」で受ける文型もあります。

【原文】

司法試験に合格したのは、勉強を頑張ったのだ。

【修正文】

司法試験に合格したのは、勉強を頑張ったからだ。

さらに、「テーマ(夢、目標、)+内容」の文章には、「~は」を「~こと」で受ける文型があります。

【原文】

わたしの目標は、世界で渡り合える人材の輩出です。

【修正文】

わたしの目標、世界で渡り合える人材を輩出することです。

「目標は」を「輩出することです」で受けた修正文では、正しく呼応表現が使われています。

【原文】

最大の不安は、来期の業績が予想できないからです。

【修正文】

最大の不安、来期の業績が予想できないことです。

テーマを示す「最大の不安は~」の受けに、理由や原因の受けに使う「~(だ)から」を組み合わせるのは誤りです。ここはテーマの内容を受ける「〜こと」を使わなければいけません。

ほかにも、「〜は」を「〜にある」で受ける文型もよく使います。後半の「〜」には場所や所在、在処(ありか)、ポイントなどに関連した言葉が入ります。

【原文1】

責任は、富里課長だ。

【修正文】

責任、富里課長にある

【原文2】

仕事のコツは、時間管理だ。

【修正文】

仕事のコツ、時間管理にある

「〜には」を「〜がある」で受ける文型もよく使います。

【原文1】

このスクールでは、規則がある。

【修正文】

このスクールには、規則がある

【原文2】

ファミレスでは、さまざまな誘惑がある。

【修正文】

ファミレスには、さまざまな誘惑がある

「あわや」は、「あやうく」の意味。つまり、危険などがその身におよぶ直前を指す言葉です。ハッピーな出来事や好ましい出来事と結びつけて書くと、おかしな文章になってしまいます。

【原文】

あわや過去最高の売上を記録するところでした。

【修正文】

あわや過去最低の売上を記録するところでした。

「あわや」を用いるのであれば、「過去最低の売上」という具合に、マイナスな意味の言葉と結びつける必要があります。

もしも「過去最高の売上」を残すのであれば、「あわや」を用いずに、「あと少しで過去最高の売上を記録するところでした」のように書いたほうがいいでしょう。

■まだまだある! よく使う呼応表現21選!

◆推量の言葉(「おそらく」「たぶん」「きっと」「やがて」「もしかして」)は、語尾に想像や推量(〜だろう/〜はずだ/〜かもしれない等)を伴います。

× おそらく完成が遅れます。

おそらく完成が遅れるでしょう

× たぶん撮ってくれます。

たぶん撮ってくれるでしょう

× きっと受かる。

きっと受かるはずだ

× やがて沈静化する。

やがて沈静化するだろう

× もしかして引っ越す。

もしかして引っ越すかもしれない

◆断定の言葉(「必ず」「絶対に」)は、語尾に断定(〜だ/〜である等)を伴います。

× 必ず軌道に乗ると思う。

必ず軌道に乗る

× 絶対に合格するだろう。

絶対に合格する

◆打ち消しの言葉(「全然」「まったく」「断じて」「決して」「さっぱり」「それほど」「少しも」)は、語尾に打ち消し(〜ない等)を伴います。

× 全然作る気がある。

全然作る気がない

× まったく想像できる。

まったく想像できない

× 断じて(決して)応援する。

断じて(決して)応援しない

× さっぱり分かる

さっぱり分からない

× それほど大変な問題だ。

それほど大変な問題ではない

× 少しも楽しい。

少しも楽しくない

◆伝聞・様態の言葉(「どうやら」「まるで」「いかにも」「今にも」「さも」)は、語尾に伝聞や様態(〜らしい/〜のようだ/〜そうだ等)を伴います。

× どうやら風邪を引いた。

どうやら風邪を引いたようだ

× まるで老舗だ。

まるで老舗のようだ

× いかにも君がやることだ。

いかにも君がやりそうなことだ。

× 今にも崩れる天候だ。

今にも崩れそうな天候だ。

× さも嬉しいと笑った。

さも嬉しそうに笑った。

◆希望の言葉(「なんとしても」「どうしても」)は、語尾に希望(〜たい)を伴います。

× なんとしてもやり遂げる。

なんとしてもやり遂げたい

× どうしても助ける。

どうしても助けたい

◆疑問の言葉(「はたして」)は、語尾に疑問を意味する言葉(〜か?等)を伴います。

× はたして昇進する。

はたして昇進するのか?

■呼応表現を間違えないためには、まず「知ること」が大切!

「伝わっているなら、少しくらい呼応表現が間違っていてもいいのでは?」

そう思うのは自由ですが、周囲の人は、そんなあなたをどう見るでしょうか。もしかすると、「『学』がない人だ」「国語力に乏しい人だ」「日本語の常識を知らない人だ」と思われてしまうかもしれません。文章の書き方ひとつで、社会人としての資質を疑われてしまうとしたら、実に殘念なことです。

呼応表現を正しく使うためには、日本語にどのような呼応表現があるのか、あらかじめ把握しておくことが大切です。本記事では使用頻度の高い呼応表現を紹介しました。ぜひブックマークのうえ、今後の文章作成にお役立てください。

著者:山口拓朗

『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』著者。

伝える力【話す・書く】研究所主宰。「伝わる文章の書き方」や「メールコミュニケーション」「キャッチコピー作成」等の文章スキルをテーマに執筆・講演活動を行う。著書に『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(日本実業出版社)『書かずに文章がうまくなるトレーニング』(サンマーク出版)『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』(明日香出版社)他がある。モットーは「伝わらない悲劇から抜けだそう!」。

山口拓朗公式サイト

http://yamaguchi-takuro.com/

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