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西荻窪の発酵専門店! 醸(かもし)カフェの店主に聞く「発酵のヒミツ」

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仕事柄、どうしてもデスクワーク中心になりがちで、疲れた時についエナジードリンクに頼ってしまうのですが、そればかりでもなんだか体に良くない気がして、後ろめたい気持ちになっていたのです。

そんな時、たまに飲むようになったのが「甘酒」。一時「甘酒は飲む点滴」という言葉とともに流行りましたよね。それにまんまと触発されて、自宅で炊飯器を使って甘酒を作ってみたところ、炭酸水や牛乳で割っても美味しいし、心なしか、なんだか身体の調子もいい気がします。「お、これはちょっといいんじゃないの?」と思って、とたんに気になりだしたのが「発酵食」。よくよく考えてみれば、味噌や醤油、納豆など、和食には発酵食品がたくさんあります。

けれども毎日和食というのも飽きそうだし、もうちょっとバリエーションがあるといいなぁ……と考えていたところ、知人づてで西荻窪に”発酵専門店”なるお店があると聞き、行ってみることにしました。

西荻窪駅から徒歩10分位のところにある「醸(かもし)カフェ」。営業時間なら「天然酵母パン」「珈琲」などのぼりが立っているので、すぐにわかります。

こちらが店主の品田和義さん。唎酒師(ききさけし)、お燗名人、だしソムリエ、みそソムリエ、杉並区健康づくりリーダーなど数多くの資格をもっていらっしゃいます。

「いやいや、そんな難しいものではないですよ」

ご謙遜を! こちらのお店はオープンしてから3年ほどだそうですが、当初から「発酵」をコンセプトにしていたんですか?

「そうですね。『病気にならない体づくり』を目指していて、結果的に発酵にたどり着いたというか。もともと僕は、全然違う業界で30年ほどサラリーマンをしていたんですよ」

ちなみにどちらの業界ですか?

「いわゆるIT業界ですね」

えっ! 私たちの業界に近いじゃないですか! それがまたどうして?

「それこそ入社当初はスパコン(スーパーコンピューター)が稼働しているような時代で……。それからもうめまぐるしい激動の時代でしたよね。その中でいろいろ勉強しながら働いていたんですが、なんかもう、飽きちゃって(笑)。今はもう、エンドユーザーのほうが詳しくなって、価格競争になってしまうじゃないですか。あとは吸収力の高い若い人たちに任せたほうがいいや、と思って。けれども『食べること』ってもっと根源的なことで、生きていく以上、ずっと関わりつづけていくもの。そういうことを仕事にしたいなぁと思ったんです」

それで2013年6月に開店したのがこの「醸カフェ」というわけですね。今では発酵食をメインとしたメニューを出しながら、「日本酒の飲みくらべ」「天然酵母パンづくり」「味噌仕込み教室」など、発酵にまつわるさまざまなワークショップを開催されています。

「ウチのお店にこられるお客さまは結構マニアックな方が多くて……。ほかではあまりやっていないようなワークショップを企画しているからなのかもしれません。たとえば『味噌仕込み教室』にしても、普通は市販されている乾燥麹などを使いますが、ウチでは懇意にしている味噌屋さんから、直接生麹を持ってきてもらうんです。木の板に仕込んであるんですが、麹の菌糸がほわほわしていてキレイなんですよ(笑)」

日本酒もれっきとした発酵食品。無添加の「自然仕込み」や酵母のみを添加した「生酛仕込み」などにフォーカスしてセレクトしてあります。

本みりんは調味料としてだけでなく、ドリンクとしても出されています。「粕取り(酒粕を蒸留して作った)焼酎の中に甘酒を入れて、熟成することで作られているんですよ」。ロックやソーダ割りにするとおいしいんですって。

そしてこれが、お客さまの大半が注文されるという「醗酵づくしセット」(1,100円)。カラフル! これ、全部が発酵食品なんですか?

「そうですね。野菜はトマト以外をぬか漬けにしています」

「ぬか漬け」と聞くとなんだか塩辛いイメージなんですけど、全然しょっぱくない。生野菜のえぐみが全然なくて、うまみや香りが最大限に引き出されています。赤大根、アボカド、ニンジン、ゴーヤー……全部食感が違って楽しい。

「トマトは甘酒に漬けてあるんですけど、トマトの糖分の酵母が甘酒の糖分を代謝して、嫌気アルコール発酵しているんです」

嫌気アルコール発酵とは、酸素の少ない状況でアルコール発酵を行うことだそうです。うわっ! シャワっとしてます。サイダーに漬けたフルーツポンチみたい。おいしい!

「鶏肉は麦麹から作った塩麹に漬けて焼いたもので、きのこは三升漬けと言って、青とうがらしと麹、醤油を同じ割合で漬けたものを炒めてあります」

麦麹の塩麹ってはじめて食べましたけど、麦独特の香ばしさが鶏肉とピッタリ合いますね。きのこも普通に炒めたものよりも、きのこの香りが立っています。あれ、この白いポテトサラダみたいなものはなんですか?

「それは『マヨネーズを使っていないポテトサラダ風のもの』ですね。じゃがいもを塩麹とみりん粕(みりんのしぼりかす)で和えてあるんですけど、いかがですか?」

おぉ……マヨネーズじゃないのに限りなくマヨネーズっぽい……。なんでだろう……でもなめらかでめっちゃおいしいです!

その他、しょっつる汁(ハタハタの魚醤を使った秋田の郷土料理)に自家製干し野菜を入れたスープも滋味深い味わいで、自家製天然酵母パンも小麦粉と水だけで作られたとは思えないくらい味わい深く、モッチモチでした。

玄米麹で作った甘酒をおから入りの豆乳で割った「豆乳甘酒」はまるでヨーグルトみたい。

すっかり満腹になって満足して帰ったのですが、なにより翌朝からお腹も”快腸”な感じ。これはますます発酵食にハマリそうな予感です。

お店情報:

醸(かもし)カフェ

住所:東京都杉並区西荻北4-35-6 カーサ藤江1F

電話:03-6913-5888

営業時間:11:30~22:00(金曜日 18:00~22:00)

定休日:月曜日

※金額はすべて消費税込です。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

書いた人:大矢幸世

転勤族の父親と夫を持ったがために、愛媛、群馬、東京、京都、福岡、鹿児島、福井を渡り歩いた流浪系ライター。現在地は東京。地元はしいて言えば福岡。立命館大学卒業後、百貨店勤務、フリーペーパーの編集を経てフリーランスに。月刊誌や広報誌、WEBなど各媒体で執筆中。著書に『鹿児島カフェ散歩』(書肆侃侃房)。 Twitter:@saci_happiness

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