体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

光と色と祈りに満ちてーー藤代冥砂初の風景写真集『あおあお』

生活・趣味
aoao

 

疲れた時にふと見上げた空があおあおと美しかったら、ちょっとだけ元気になれた。

なんだかいろんなことがうまくいかないなと思いきって海に出かけたら、ちょっと笑顔になれた。

”あお”は、母のように幼子のようにいろんな表情をもって私たちを抱きしめて、エネルギーを補充してくれる気がする。

 

そんな美しい”あお”が満ちた写真集『あおあお』が発売された。

ジャンルを横断して活躍する写真家・藤代冥砂による初の風景写真集。

沖縄に移住して5年。ゆっくりと沖縄という地に馴染みながら、暮らしの中で切り取った風景は、静かで穏やかな美しさに満ちている。

神秘的な海の中も、強い生命力に溢れた樹木や生き物たちも、ただそこに自然とあるような不思議な写真。

フィルターを通した際のエゴがなく、ただ無心に、思わず『ああ』と目をつぶり、祈るような、そんな濾過された美しさなのだ。

この写真集のページを捲れば、いつでも私を抱きしめてくれる”あお”がある。

今日も一日が美しくありますように。

(text  Ryoko Kuwahara)

 

 

 

空と海のあいだ。海と森のあいだ。
あおあおと満ち、うごき、連なるいのち。

光と色と祈りに満ちて

5年分の写真を振り返ると、気になる写真には光と色とがあった。
それは結構な量だったので、一冊にまとめてみたいと思った。
赤々舎の姫野さんに持っていくと、写真が上手ですね、と褒められた。写真が上手と言われたことはほとんど無かったので、
そうか、写真うまいのか、と嬉しく思った。それは去年の冬の始まりの頃だった。
その後、たくさんの沖縄写真を持っていった。600枚くらいだったと思う。何度も会って、感想を交換した。
写真の種類はもう少しだけ幅があったのだけど、自然に光と色でまとめる方向へと定まっていった。それらに私の
正対する視線がより強く残っていたからだ。その間、私は自分の撮った写真と現実の沖縄での暮らしを、何度も何度も
往復して、矛盾は無いか、嘘は無いか、をしっかりと確認した。大丈夫だった。
私は、光と色に添うようにして沖縄で5年を暮らした。島の歴史や現在の問題はそこに居れば、目に見え、耳に聞こえ、
肌で感じられる。それを写そうと思わなかったのは、光と色に託してみたかったからだろう。それは無意識の選択でもあったが、
強度があった。自分の持ち場はそこにあるのだと直感したのだと思う。 島の自然や暮らしの断片を通して輝く光と色の原初の美しさは、言葉にするならば、あおあお、であり、
意味にするなら、祈り、に近いと感じた。私はあおあおとした世界で島の幸福を祈っている。
構成としては、海から始まり海で終わっている。水の循環である。終わりの一枚では、父が子供に何かを唱えている
儀式のようにも見える。光が沈む頃の崇高さは、時代と場所を問わないだろう。そして朝が来れば、
はじめのページへと戻る。光と色と祈りに満ちた一日がまた始まるのだ。

藤代冥砂

 

あおあお_cover_
1 2次のページ
NeoL/ネオエルの記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。
GetNews girl / GetNews boy

オスカー2018年晴れ着撮影会