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「いい大学、いい会社」時代の終わり―― 釜屋健吾が採用コンサルティングの最前線から見出したもの

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小さい頃は野球少年、中学時代の挫折や大学時代の海外留学、大学院での研究を通して、一貫して「人の可能性」について考え続けてきた釜屋健吾。現在は採用コンサルティングの最前線で尽力している彼が見出した、人と世の中の在り方とは何なのでしょうか。人生を振り返りながら、その真意に迫ります。

「いい大学、いい会社に行くために、勉強を」

島根の海山川すべてが近くにあるような田舎で生まれて、小さい頃は野球一筋でした。誰にも負けたくなくて、地元の少年野球チームのエースで4番、キャプテンで、寝ても覚めても野球のことばかり考えていました。 

でも、日々世の中から受け取るのは「いい大学に通って、いい会社に入ることがいい人生」というメッセージ。その考えが子どもながら腹落ちせず、自分は縛られたくないと思い、人の2倍、3倍練習して、意地でもプロ野球選手になろうと思っていました。

そんな中、中学2年の頃、腰を痛めて立っていられない程の状態に。野球ができなくなった学校生活には本当に何も残っていないかのように思えました。人生最初の大きな挫折経験でした。 

その後も、なんとか復活してやろうと高校卒業まで野球漬けの毎日を過ごしたのですが、怪我で思うようにプレーできなくなり、「野球がなくなって、自分には何の可能性があるのだろう」と悶々とする日々。大学受験もうまくいかず浪人したのをきっかけに、とにかく環境を変えたくて広島の予備校で寮生活。1年後に立命館大学に入学しました。

大学に入ってからようやく風向きが変わり始めました。「もっと視野を広げて、自分の可能性に挑戦したい」と思い学内のプログラムで2年間、カナダのバンクーバーにあるブリティッシュ・コロンビア大学に交換留学。その時一緒に過ごした仲間が本当に個性的で、上昇志向の強い努力家ばかり。非常にモチベーションの高い環境の中で揉まれる毎日でした。

そんな中、「じゃあ、自分は何をしたいのだろう?」と考えた結果、小さい頃からの問いであった「人の可能性」について突き詰めてやろうと考えました。北米は心理学が世界で最も進んでいるので、そこで研究して「人の可能性を理解し、広げられるような存在になれたら…」と思うように。そのために、カナダの2年間で心理学をとことん学び、卒論まで書き上げようと心に決めました。

カナダ、インド、中国という多様な国籍からなる研究チームに入り、ジェスチャーも交えながら粘り強く自分の意見を伝え、相手の意見に耳を傾けながら研究を進めた結果、2年後の卒業論文は最高ランクの評価を頂くことができました。その後は、特に興味があった社会心理学で有名だった北海道大学大学院に進学。国際学会で発表することを目標に、ひたすら研究を重ねた日々でした。

「仕事を通して、人と企業を変えていこう」という一言が決め手

修士課程で目標であった国際学会での研究発表を終え、その後、博士課程に進んで研究の道に本格的に進むか否かを考えた際に、「もっと、自分が直接介在することで、誰かの可能性を広げられるような存在になりたい」という気持ちが強くなり、その想いが確かなのかを確認するためにも就職活動をしようと決めました。

リクルートキャリアと出会ったのは学内の就職説明会のとき。尊敬する大学院の先輩がいた外資系のコンサルティング会社から既に内定をいただいていたのですが、当時はリーマンショック前の売り手市場。

「東京に来たときは連絡ちょうだい」と気軽に話をしてくれて、結局リクルートの社員を10人ほど紹介してもらいました。しかも、そのうちの1人は、内定先の企業から転職をしてきた人。

社員に話を聞いていく中で、各々自分の大事にする想いをを持った魅力的な人が多く、さらに、当時の社長から「仕事を通して、人と企業を変えていこう」という一言が決め手となり、この会社に入社しました。

3年間で、3度の異動

入社して最初に持った印象は、想像以上に泥臭いこと。野球部時代を思い出すほどの泥臭さ。でも、だからこそマインドは僕にぴったり合っていました。

「アタマじゃない、カラダとココロだ。とにかくお客様から要望を深く聞き出し、手数とスピードで勝負しろ」と先輩に言われ続けて、その通りだと(笑)。

1年目は人材紹介の法人営業。リーマンショック後の景気が最悪の状況で新規開拓をしていて、苦しかったですが、このときの経験が僕の今の礎になっていると思います。

お客様の要望にどのように応えていいかわからず、周囲の先輩に泣きついて「どうしたらいいか全然わからないです」とストレートに聞く中で、お客様との向き合い方を0から丁寧に教えてもらいました。それからも、先輩には走りながらも様々な場面で助けてもらい、本当に救われましたし、何より「絶対に諦めない」という姿勢を学べたことはとても大きかったです。 

2年目は、転職を希望する人に転職支援を行うキャリアアドバイザーの部署へ異動に。

この部署は、経験を積んだ社員が多かったのですが、「若手だからこそテクニックじゃなく、顧客に貢献したいという姿勢で勝負しろ」と、当時の部長から強く言われていました。

結果的にのびのびと仕事に取り組むことができ、金融、不動産、IT、ネット、第二新卒と、1年間で様々な領域を担当し、結果、MVPをもらえるような成果を残すことができました。

3年目でまた異動となり、法人のお客様の採用課題に個別に取り組むRPO*1サービスのコンサルタント職に。1、2年目までは順風満帆でしたが、ここで大きな壁にぶつかりました。RPOはいい意味でも悪い意味でも、本当に自由なんです。

お客様は、営業部のエース級の人たちが担当している、世界や日本を代表する企業が中心で、かつ、既存のリクルートキャリアのサービスだけでは解決できない重い課題ばかり。そのような状況に対して、「リクルートキャリアのサービスでなくてもいいから世の何でも使って貢献してほしい」とお客様から言われる。

何から手をつければ良いかわからないどころか、そもそもお客様の課題をどのように把握するのかもわからなかった。「一体、入社3年目の自分みたいな人間に何ができるんだろう」と思い、本当に苦しかったですね。社会人になって初めて、大きな壁にぶつかりました。

「社運をかけた採用。失敗は絶対に許されない。」前例のない難題に挑む

壁を乗り越えたきっかけとなったのは、某メーカーの営業職大規模採用の案件。世の中の多くの人に貢献する画期的な製品が開発され、市場にできる限り早く普及させるために、営業組織を半年で数倍の規模にしたいという要望をいただきました。

ただ、採用したい人材は世の中に極めて少なく、試算では年間の転職者数は約100名。この規模感、かつ、短期間での採用成功は前人未到の領域でした。顧客の事業責任者と接し、社運のかかった千載一遇のチャンスをなんとしても成功させたいという強い想いにふれ、「あらゆる手段を駆使して絶対に成功させる」と心から思いました。まさにRPOの真骨頂だと。

採用戦略の策定にあたって、リクルートキャリア内外の情報・人脈をフル活用し、希少人材の採用に関するあらゆる情報を収集。

見えてきたのは、「お客様に会社を挙げて協力いただかない限り、絶対に成功は有り得ない」ということでした。そこで、お客様の事業責任者~人事・現場の関係者を一同に集めた決起会を実施し、高い壁を乗り越える覚悟と体制を整えました。しかし、転職を検討している希少人材にアプローチしきったのですが、想定より人数を集めることができず、このままでは目標に到達できない状況に。

何かヒントを得ようと、お客様の現場営業の方にさらに深く情報収集した結果、彼らと採用したい人材である他社の営業の方は、物理的にも心理的にも非常に距離が近いことが判明。

「この独自の人脈を生かせば、転職活動を具体的には行っていない層にもアプローチできるのではないか」と顧客と何度も議論を重ねる中で突破口が見てきました。RPOの「求めるサービスが世の中になければ0から創る」という考えの元、マーケティングチームと協働し、インビテーションカードをはじめとするツールを作成。お客様の現場営業の方から知り合いの他社の営業の方に直接渡してもらう仕組みを構築しました。

結果、このカードを通じて、多くの方が入社に至り、採用目標も前倒しで達成。

お客様の現場から新たな可能性を見出し、お客様、社内の関係者と一体となって実現できたイノベーション事例になったと思います。自分の想いを大事にし、とことんお客様に踏み込むことで、協力の輪が広がり、想像以上の成果に繋がるのだと自信になりました。

リクルートキャリアには世の中を動かせる人々が揃っている。自分が起点となり、どう協働するか

RPOサービスのコンサルタントとして5年目になりますが、リクルートキャリアの強みは、社外を含めた様々な人脈・知見を持った社員がたくさんいること。「誰かに聞けば、何か知っている」という環境は本当に魅力的で、頼めそうな人がいたら直接その人のところに行って「こういう案件で、困っているのですが…」と相談する。すると、楽しそうに相談話に乗ってくれて、いつも一杯一杯で困っているのは僕だけです(笑)。

それだけおもしろいこと、世の中にいい影響を与えること対してはみんな積極的。忙しい中でも「それ面白いね、やろうよ!」と言ってくれます。本当は仕事をお願いする上で必要な手続きやルールも色々とありますが、それも全て取っ払って「いいよ、やろうよ」って言ってくれる人がいる。この会社の財産は「人」だと思います。

「いい大学、いい会社」時代から「自分で自分の未来を切り拓く」時代へ

今後もRPOサービスのコンサルタントとして、お客様の採用課題の解決に努めながら、個人と組織の関係にまで視座を高めて、さらにお客様に踏み込んだ仕事したいと思っています。

ただ、僕が一貫してやりたいことは、「自分と他者の可能性を信じ、互いの可能性を広げられる世の中を創りたい」ということ。その上でも、リクルートは最高の環境だと思っています。「個の可能性に期待し合う」「経歴や肩書でなく、個人の想いや志を大事にする」ことが文化として根付いており、個人を支援してくれる仲間も制度も揃っています。

また、実体験や大学院での研究から、人が自分や他社の可能性を信じられるかどうかは、小さい頃の過ごし方が鍵を握っていると思っています。だから、将来的には子どもたちと彼らを取り巻く親や学校の先生、地域の人々に対して、自分のこれまでの経験を活かしていけないかと考えています。

今後の多様で複雑で変化の激しい世の中において、「自分で自分の未来を切り拓いていける人材」の育成を国も掲げています。個人的にも、RPOサービスのコンサルタントとして、いくつもの会社の求める人材像を設計し、採用を支援してきた経験から、もはや「いい大学、いい会社」の時代ではなくなったのではないかと思います。

そして、「いい会社」の定義も「安心して定年までいられる会社」から「自分の可能性を広げられる会社」に変わったと実感しています。採用の最前線に携わる中で、世の中が求める人材像と実際に活躍する人材を捉え続け、未来を担う子どもと彼らを取り巻く人々に世の中のリアリティを伝え、一緒になって互いの可能性を広げていけたら本望だと思っています。 

そのために、リクルートキャリアで圧倒的な存在感を出し、社内外問わず様々な人々と繋がりを創り、「あいつが言うならちょっと手伝ってあげようかな」と思ってもらえる人でありたいと思っています。

一緒に働きたいのは、ロジカルなだけでなく、リアリティを感じたいと思っている人

世の中には賢い人、頭がいい人はたくさんいます。

ただ、RPOという企業と人を結びつける仕事においては「人の気持ちを動かす」ことが肝なため、愚直に「誰かの要望や期待に応えたい」とか、「数字やシステムだけではなく、人と関わってリアリティを感じられる仕事がしたい」といった考えを持った人のほうが楽しく働けると思います。

例えば、コンサルティングやIT・ネット系の会社にいて、「結局、物事を動かすためには人が全てじゃない?」「人ってどんな力学で動くのだろう?」と疑問に思ったら、RPOサービスのコンサルタントの仕事は非常に向いているのではないかと思います。

世の中の商品やサービスは何でも使えるし、なければ創ればいい。

ロジカルに考えることももちろん大切ですが、人や企業に踏み込み、両者のありたい姿と現状のギャップを捉え、動かしていくことに醍醐味を感じる人が多いです。同じような考えを持った人たちがRPOに興味を持ってくれて、お互いの持ち味を発揮して一緒に仕事をすることで、僕自身も、人や企業をよりよい方向にもっと変えていければと思っています。多くの人に会えることを楽しみにしています。

ご興味ある方はぜひこちらからエントリーしてみて下さい。

皆さんからのエントリーをお待ちしています。

*1:RPO=リクルートメント・プロセス・オプティマイゼーション。事業戦略に基づき、採用戦略の立案から、採用手法の選定、採用まで一貫して支援するサービス。詳細はこちら

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