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孫氏や三木谷氏 「大ホラ」で若手に慕われジジ転がしも得意

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 舛添要一・前東京都知事(1948年生まれ)の辞任騒動をはじめ、その前任の猪瀬直樹氏(1946年)、首相の座にまでのぼりつめた菅直人氏(1946年)、経営者では東芝元社長の佐々木則夫氏(1949年)など、ここ数年の間に「団塊エリート」たちの失脚が相次いでいる。印象的なのは彼らが落ち目になるや、誰も助けようとしないことだ。

 一方で内紛の末に会長の座を追われたセブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文・名誉顧問(1932年)、燃費データ不正問題への対応に追われるスズキの鈴木修・会長(1930年)など、「プレ団塊世代」の経営者たちも苦汁をなめたが、彼らはいまなお尊敬を集めている。石原慎太郎氏(1932年)、森喜朗氏(1937年)らのような元政治家も「ご意見番」として君臨し続けている。

 また、団塊世代よりひと回り若い「ポスト団塊世代」を見渡すと、政界では安倍首相(1954年)、財界ではソフトバンクの孫正義・会長(1957年)、サントリーの新浪剛史・社長(1959年)、楽天の三木谷浩史・会長兼社長(1965年)らが代表格といえよう。

「団塊世代は信念なんかなく、権力だけが大好き。菅さんが財務省を味方につけるためマニフェストを反故にして消費増税を掲げたように権力のためには簡単に筋を曲げてしまうところがある。しかし、安倍さんは信念を曲げないから、支えてくれる人が現われる。

 また、舛添さんや猪瀬さんは人を信頼せず、手柄はみんな自分のものだと考えている。だからなんでも自分が関わらないと気が済まないため、ボロが出たときに言い訳ができない。でも安倍さんは人使いがうまい。いま、菅義偉・官房長官をはじめ、他の閣僚にも権力を委譲している。これが長期政権の秘訣なのかもしれません」(政治評論家・屋山太郎氏)

 孫氏や三木谷氏が持つ言葉の求心力は、団塊経営者とは大いに異なる。岡山商科大学教授の長田貴仁氏が語る。

「三木谷さんは『会社の中での会話はすべて英語にします』と社外に向けて宣言し、孫さんは『男として生まれたからには世界一になりたい』と発言しています。野心を隠さず、いい意味で“大ホラ”とも感じられる壮大なビジョンを明確に示し、実現する。それがメディアで取り上げられ話題を呼ぶ。その結果、下の世代は、『ただ者ではない』と思い、頼りがいのある兄貴分として慕うようになる」

 後継と見られていたニケシュ・アローラ副社長(48)の退任を発表するという「心変わり」をしても社内から不平不満は聞こえてこない。周囲や下から尊敬の念を集めている証左だろう。

「それでいて、孫さんや三木谷さんは上からの覚えもめでたかった。『ジジころがし』ですね。年が離れている目上の人に話を合わせるだけでなく、堂々と議論できるコミュニケーション能力に長けていた」(長田氏)

 新浪氏は「かわいくない部下の典型」といわれながらも、いいたいことは上司にはっきりいう姿勢でローソンの社長にのぼりつめ、サントリーの佐治信忠会長によって後任に指名された。目上の人にかわいがられるのもポスト団塊世代のリーダーの特徴なのだろう。

 1974年公開の『青春の蹉跌』は、70年安保終焉後の若者の情熱と孤独、焦燥を描いた映画だ。いま、トップから追いやられつつある団塊世代は、再び挫折と蹉跌を味わおうとしているのか。

※週刊ポスト2016年7月8日号

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