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格安SIMが安いのはなぜ?本当に安くても大丈夫なのか?

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格安SIMはなぜ「格安」なのか? その仕組みと、これから格安SIMを選ぶときのワンポイントをご紹介します。
「格安SIMってどうして安いの?」今さらながらこんな疑問を持った方はいないでしょうか? 大手三社では、スマートフォンを契約すると、基本料とパケット定額料で五千円以上かかってしまうのが当たり前だったのが、格安SIMだと、下手をするとワンコイン(500円以下)。どうしてこれほどまでに格安SIMは「格安」なのでしょうか。

まず、格安SIMの基本的な仕組みですが、格安SIM事業者は、自分のインフラを持っていません。インフラは、大手三社のどこかから借りて、それを自分なりに組みなおして再販売しているのです。だから極端なことを言えば、ちょっとだけ借りてたくさんの人に売る、こうするだけで馬鹿みたいに安い値段でサービスをすることができます。

最近では、もう堂々と「激混みプラン」なんてプランを出しちゃう格安SIM業者がいたりしますが、基本的には、「全員に完全に行き渡るのにはちょっと足りないくらい借りてみんなで分ける」ようにすることで、大手より安くすることができます。

ただそれだけじゃなく、確実に大手より安くなる仕組みがあります。なんと言ってもその理由の第一が、「法律」。この「丸ごと借りる」ことについて、法律(正しくは省令など)で厳しい決まりが付いています。すなわち、「大手三社は、ほぼ原価で貸し出さなきゃダメ」「それを公開しなきゃダメ」という規制。  

この原価というものが曲者で、言ってしまえば「データ1バイト当たりの原価」くらいで算出することが義務付けられています。実は無線ネットワークは、バイト当たりの単価で言ってしまうとものすごく安いんです。これに対して大手がなぜ高いのかというと、それだけ暴利をむさぼってる……というわけではなく、万一のことがあってもネットワークが止まらないように、いろいろな仕掛けをする必要があるからです(止まればユーザはもちろん格安SIM事業者にも迷惑をかけるし、ひどければ名指しで行政指導という不名誉が待っています)。

一番単純な仕組みで言えば、回線や装置の容量を二倍、三倍にしておくこと。ところが、格安SIM業者に貸し出すときの「原価」は、この二倍、三倍にしている分も「データを運べる分」としてカウントします。LTEという技術では、そうした余裕分も普段から使うことでそもそも止まることが起こりにくいようにしよう、というような考え方があるからです。こんな二倍、三倍の余裕がネットワークのあちこちにあるので、大手キャリアは、本当に必要なネットワーク容量の十倍~二十倍を普段から用意しているくらいの計算になってしまうこともあるようです。

格安SIMは本当にバイト単位の原価相当、大手キャリアはたくさんの余裕度を見るので実際は十倍くらいのコストをかけざるを得ない、と見てみると、エンドユーザの料金が十倍くらい違うのも何となく理由が分かってきますね。

格安SIMでも、どのくらい借りていてユーザ数が何人か、という点で余裕度が各社違ってきます。開業したばかりでユーザがまったくいないようなときは、余裕度は大手キャリアと同等になっていて快適に通信できますし、大人気になって余裕度がまったくなくなって来れば、ちょっと利用が集中する時間(お昼休みや通勤時間など)になると全くデータが流れなくなる、くらいのことも起こります。

逆に言えば、そういうことを許容してでも安く使おう、というのが格安SIMというわけです。今自分が使ってる格安SIMが利用者数に見合った回線をちゃんと借りてるのか? 余裕度はちゃんとあるのか? ……という観点で全く保証がない、という意味では「大丈夫じゃない(笑)」のですが、そうした部分についてもしっかり情報収集をして最適な業者を選ぶことができる人には、うってつけというわけです。

という意味では、実は、「この格安SIM業者、人気があるらしいから」って理由で格安SIMを選ぶのは間違い、ということになります。どうしても使いたい端末やサービスがあるなら別ですが、ネットワークの余裕度のことを考えれば、できるだけ「開業したばかりの人気のない事業者」を選ぶのが、単純には一番いいんですね。

もちろん、人気の格安SIM業者でも、人気に合わせて回線の増強をしたりもするので、それこそ、快適度の順位は毎日のように変わります。解約の違約金が無い新参入の格安SIMを次々と乗り換えて使う、というのもいいかもしれませんし、今なら、対応端末が少なくて比較的人気のないKDDI回線系の格安SIM(mineoやUQ mobile)がオススメと言えそうです。

格安SIMはその時その時で一番の業者が変わる生もの業界。定期的に公開されているような速度比較記事なども活用して、一番の業者を選びたいものです。

(文:記者M)

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