ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

未だ謎多き未承認国家「沿ドニエストル共和国」ってどんな国?

DATE:
  • ガジェット通信を≫

未だ謎多き未承認国家「沿ドニエストル共和国」ってどんな国?

前回の記事ではモルドバ共和国の観光スポットをお伝えしましたが、今回はモルドバにある未承認国家「沿ドニエストル共和国」を紹介します。

文字通り、どの国からも国家承認を受けていない不思議な「国」です。それでは、早速見ていくことにしましょう。

 

そもそも「沿ドニエストル共和国」とは

PB201950

Photo by 新田浩之

「沿ドニエストル共和国」はモルドバの東端にあり、基本的にドニエストル川に沿う形になっています。南北は200キロもありますが、東西は広いところで20キロ、狭いところではわずか4キロしかありません。

「沿ドニエストル共和国」には約54万人が住んでおり、民族構成はモルドバ人40%、ウクライナ人28%、ロシア人25%となっています。もちろん、体裁は「国」ですので、独自の国旗、独自の国歌、独自の通貨(沿ドニエストル・ルーブル)を有しています。

「首都」はティラスポリで、キシナウからミニバスで2時間の距離です。

 

「沿ドニエストル共和国」の公用語のひとつ「モルドバ語」

PB201928

Photo by 新田浩之

それでは「沿ドニエストル共和国」の楽しみ方を見ていきましょう。まず、「沿ドニエストル共和国」に着いたら、通りのプレートに注目してください。

例えばこのプレート。上はロシア語ですね。下は何語か分かりますか? 実はこの言葉は「沿ドニエストル共和国」の公用語のひとつ「モルドバ語」なのです。

モルドバの公用語はラテン文字を用いたルーマニア語ですが、モルドバ語はルーマニア語をキリール文字(ロシア語と同じ文字)にした言葉なのです。文法や表現は基本的にルーマニア語と変わりません。

ちなみに、これは「レーニン通り」と書かれています。

 

国旗と国章

PB201952

Photo by 新田浩之

「沿ドニエストル共和国」の国旗は、モルダビア・ソビエト社会主義共和国の国旗と同じです。モルドバは1940年からソビエト連邦を構成する一共和国でした。それぞれの共和国には独自の国旗と国歌を持つことが許されていたのです。

そうは言っても、ソビエト時代の国旗ですので、共産主義のシンボルである「鎌とハンマー」が記されています。この国旗が街の至るところにあるのです。

国章は、モルダビア・ソビエト社会主義共和国の国章を少し手直ししたもの。こちらも、街の至るところで見かけます。本当に「ソビエト連邦」にタイムスリップしたような感覚になります。

 

「祖国のために!」威勢のいい戦車

PB201944

Photo by 新田浩之

「沿ドニエストル共和国」は1990年代にモルドバ本国と戦争をしました。周辺諸国が介入する形で戦争は終結しましたが、「沿ドニエストル共和国」に住んでいた多くの住人が亡くなったのです。

「祖国のために!」そうロシア語で書かれた戦車がドーンと立っています。横にはその時に亡くなった兵士(と思しき)の墓地がズラーと並んでいます。

今でも、問題が完全に解決されたわけではありません。「不気味な静けさ」を肌で感じるスポットと言えるでしょう。

 

アブハジア共和国・南オセチア共和国の大使館

PB201936

Photo by 新田浩之

首都ティラスポリには、同じ未承認国家の「アブハジア共和国」と「南オセチア共和国」の大使館があります。つまり、これらの国は「沿ドニエストル共和国」を国家承認しています。

アブハジア共和国と南オセチア共和国は、ジョージアから事実上独立しています。そして、ロシアが国家承認をしています。しかし、ロシアは「沿ドニエストル共和国」を国家承認していません。知られざる複雑な国際情勢を感じることができます。

 

最後に

「沿ドニエストル共和国」の人にいろいろ聞くと「ここは退屈でしょ」と聞いてきました。私は「多くの人にとっては退屈でしょうが、私にとっては興味深い場所です」と答えました。逆に言うと、ちょっと知っているだけで何万倍も楽しめ、何万倍も学べるスポットです。

関連記事リンク(外部サイト)

「ウクライナの鉄道」徹底ガイド!切符は確実に窓口で買うのがオススメ
ヨーグルトだけって言うな!ブルガリアの世界遺産を全部まとめた
冒険のはじまり!大航海時代を思い返す「ポルトガル」の世界遺産(全15件、写真22枚)
美と恋の女神アフロディーテ生誕の地「キプロス」の世界遺産まとめ

カテゴリー : 生活・趣味 タグ :
TABIPPO.NETの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。