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【イノベーターズ】「インターネットの「正義」に挑み続ける 天才プログラマー」竹中直純/前編

たけなか なおずみ
1968年、福井県生まれ。高校卒業後、アパレルブランドに就職。1年間の勤務を経て大阪府立大学へ。プログラマーとして頭角を現し、現在に至る。2ちゃんねるの全文検索や電子通貨「モリタポ」、「BCCKS」「OTOTOY」など数々の設計・システム開発に携わり、自らも経営。坂本龍一のネット上の表現活動をサポートし、村上龍の『希望の国のエクソダス』の主人公・ポンちゃんのモデルになったという説も。そして、元タワーレコードCTO

通信やICTにまつわる”なにか”を生み出した『イノベーターズ』。彼らはどのように仕事に向き合い、いかにしてイノベーションにたどりついたのか。本人へのインタビューを通して、その”なにか”に迫ります。

第2回は、竹中直純さん。
「なにをやったか」と問われると、やったことが多すぎて説明しづらい。「BCCKS」は、無料で電子書籍や紙の本をつくって公開して売ることができるWebサービス。「OTOTOY」は音楽配信サービス。mp3から高音質のWAVまでダウンロードでき、DRMフリーの音源、つまりコピーとか普通にできる音源のみをこだわって扱っている。それと「未来検索ブラジル」は、「2ちゃんねるを全文検索するサービスをつくろう」というところから始まった会社で、今は「Groonga」というすごい検索エンジンをつくり、「モリタポ」という仮想通貨を流通させている。

いわばインターネットとともに歩む”ウィザード”。インターネットというメディア、あるいはシステムのストロングポイントを熟知し、現代社会により使いやすいサービスを提示し続ける。そんな人物のインタビュー前編、まずは彼がなにを考え、どんな風にインターネットを活用しようとしているのか、のお話。

amazonとか、iTunes Storeに勝負を挑む

自虐と毒舌の二刀流をいいバランスで使い分ける。圧倒的なスキルと経験を持ちながら、どこかパンク好きなティーンのムードもある。こう見えて48歳。「若いっすねえ」と編集チームが感嘆すると「これでも最近はお肌の調子が悪いほうなんです」と笑った

ようするに、ネット周りのすごい人なのである。竹中さんはこれらのサービスを生み出し、プログラマーをやりつつ社長であったりCTOであったりしている。で、竹中さん自身は「ディジティ・ミニミ」という会社で、インターネットを使って今現在もいろいろなことを手がけている。

で、いろいろなことを手がけ過ぎていて「これをした人なのだ」を説明しづらい。

「そうなんですよね(笑)。僕ね、セルフマーケティングがヘタなんですよ。それで『坂本龍一さんのサポートをした』とか『小沢健二さんのユーストリーム中継の中の人』とか、有名なブランドにひっつく形で認識されることが多いんですよ」

坂本龍一さんのサポートというのは、たとえば1996年の『インターネット1996ワールドエキスポジション』における武道館ライブのネット配信。実は、ライブのリアルタイム配信は日本初だという。ついでにそういった有名どころになぞらえてもうすこし説明すると、村上龍さんのネット小説を配信したりする有料サービス「TOKYO DECADENCE」を立ち上げたり。で、のちに、『希望の国のエクソダス』の主人公・ポンちゃんのモデルになったり(これは仕事ではないけれど)している。そして、タワーレコードのCTOになり、”早すぎた”音楽サブスクリプションサービス「ナップスター」を実質的に日本で動くようにした。

天才プログラマーであり、そのスキルを大いに生かした戦略家であり、経営者である。でも、その辺をうまく打ち出していくのもイヤらしいしカッコ悪いと考えている含羞の人でもある。

これはまったくの偶然なのだが、竹中さんは古くからのauユーザーである。乗り換えたのはネットワーク第2世代。

「PDCの時代ですね。僕の端末の実装が古かったせいかもしれないんですが、音声が5秒間に10回ぐらい途切れるんですよ。普通に会話するぶんには全然支障はないし、誰も指摘しないんですけど、それが気になってキャリアを乗り換えたんです」

途切れるといってもシステム上そうなるだけで、普通に電話で話すぶんには大して問題はなかったという。でも竹中さんにはそれが不快でしょうがなかった。で、auに乗り換えた。auのPRをしているのではない。冒頭に紹介した、竹中さんが現在提供している主なサービスのことをちょっと思い出してみよう。

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