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iPS細胞からまたニュース、ある誘導方法の発見とは?

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今回発見されたのは、iPS細胞を用いた腸の元となる細胞への誘導方法。2016年4月14日英科学誌で公開された内容とはどのようなものなのでしょうか。

iPS細胞(人口多能性幹細胞)から、胚体内胚葉(※)を誘導する方法は 今まで複数報告されてきましたが、異なる誘導因子処理で誘導した胚体内胚葉細胞の性質や分化指向性の差異ついてはよく分っていませんでした。

胚体内胚葉…発生の一時期に現れる細胞集団で、肺・膵臓・肝臓・胃・腸を含む消化管などの内胚葉系の細胞に分化するもの。

今回、CiRA 日本医科大学消化器外科・移植外科らの研究グループが、異なる誘導法で作成される胚体内胚葉は異なる性質を持つことを明らかにしています。

早期の前方原子線条(※)より、2種類の前方の胚体内胚葉が誘導できることが示されました。

それぞれ誘導因子なしに前方前腸(発生期の内胚葉由来の組織の1つ)と、後方前腸(発生期の内胚葉由来の組織の1つ)に、分化する能力を持つことが判明しています。

前方原子線条…哺乳類の発生過程で初期に現れる溝のような構造で、マウスの場合だと発生開始から6~7日目に見られ、この部分で細胞の形態が変化。中胚葉や内胚葉の細胞のもとになる。

後期の前方原子線条の誘導法を新規に確立

誘導因子なしに中後腸(発生期の内胚葉由来の組織の1つ)への分化能力をもつ後方の胚体内胚葉を誘導し、この誘導法を利用することによって、肺・肝臓・膵臓・腸など各種内胚葉系細胞の作製において、より安定した分化誘導形の開発が期待されています。

研究の背景には、最初のステップとされている胚体内胚葉は、ヒトiPS細胞から内胚葉系細胞を誘導するため

胚体内胚葉より様々な誘導因子を用いて、各種内胚葉系細胞(肺・肝臓・膵臓・胃・腸を含む消化管など)へ分化誘導されていて、実際胚体内胚葉を誘導する方法は複数報告されています。

それぞれの方法での胚体内胚葉マーカーとなるSOX17、FOXA2を指標とした胚体内胚葉誘導効率については論じられているのですが、異なる誘導因子処理で作成される胚体内胚葉細胞の性質、分化指向性の差異についてはよく分っていませんでした。

そこで今回、研究グループは異なる方法で誘導した胚体内胚葉の分化能力を検証、胚体内胚葉にサブタイプが存在し再分類可能かどうかを調べています。

iPS細胞は、いろいろな組織に変化することの出来る、非常に魅力的な細胞ですが、目的の細胞にするまでにいろいろな遺伝子操作などをしなければなりません。

ただ今回の研究では、2つのマーカーで定義されている胚体内胚葉の細胞集団の中に3つのサブタイプがあることを示し、それらを作り分ける方法を初めて開発したのです。

今回の方法で胚体内胚葉を作り分け、その後に従来の方法を組み合わせば、より質の高い内胚葉系の臓器構成細胞の作製に貢献することが期待されます。

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