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ラーメン激戦地・中野区で人気の油そば「六伍郎」。元人気お笑い芸人の店主が語る“人生の第2ラウンド”

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芸能人が飲食店を出すケースは数あれど、閉店しまうことも多いのでは。中には名前を貸すだけで、自分はほとんどそのお店に関わっていないなんてケースも多々あるのだとか。

そんな中、お笑い芸人を引退した人物が“生業として”本気で営むラーメン店が一部のラーメン通たちの間で話題になっているという。

西武新宿線・野方駅南口を出て目の前の商店街の中を歩いていくと、その店はある──。

それが、ここ。

「麺処 六伍郎」

こちらが店主の吉井崇さん。

「シェーン!」というお笑いコンビのボケ役として活動し、バラエティ番組への出演や「M-1グランプリ」では準決勝に進出するなどの活躍を見せたが、2013年にコンビを解散。そこからお店を構えることを決意したのだそう。

芸人を引退した現在は、むろんこれが本職。独学でゼロからお店を開き、店主として昼夜ほとんど1人で厨房に立っている。

ネタ作りさながらに試行錯誤を重ねた“こだわりの油そば”

店主の吉井さんは奈良県出身。田舎にいる頃は特別にラーメンを意識したことはなかったそうだ。

芸人を目指して奈良から上京した際、東京の油そばに衝撃を受けたんです。それもあって、芸人をしながらのアルバイト先もずっとラーメン店だったんです。かれこれ14年近くはやっていたと思いますね。アルバイトでも長いこと作っていましたし、芸人時代も、ライブやテレビ局に行った帰りに食べ歩きをしたりもしていて「美味しい味のパターンは分かってきた」という自負はあったんです。(吉井さん)

そう語る吉井さんは、引退を決意した後に本格的に油そばの研究・試作にとりかかり、翌2014年にお店をオープンさせた。

芸人の性の名残りなのか、まさしく「ネタ作りのように」味や素材には相当こだわったようだ。

良くも悪くも、芸人特有の頑固さは残っていますね。お笑い時代でも「ネタをこれに変えた方がテレビでウケる!」なんてアドバイスされたとしても、結局、自分が「面白い」と納得したネタ以外やりたくなかった。同じような考えで、自分が「美味しい」と納得する味を追求していった結果、儲けを度外視した原価になってしまいました(笑)。一般に油そばって「ラーメンと違ってスープに手間がかからない分、原価が安くなる」と言われているんですが、これがいざやってみると意外と奥が深くて。

油は原価を惜しまずに、最高級と言われている「カメリアラード」を使用。濃厚かつ、くどくならない絶妙な味を演出してくれるのだとか。

麺は、知る人ぞ知る製麺所「浅草 開化楼」の麺を使用。

茹で上がった麺と油を混ぜ合わせるその様子は、真剣そのもの。

これが定番メニューの「油そば 醤油」(680円)。

コシがあってプリプリした太麺に、美しく輝く油がバランスよく絡む。まろやかでコクもしっかりあり、最後にほんのり甘みも感じることが出来てハマること間違いない!

(※同価格で塩味も提供中)

女性ウケ抜群! クリーミーな「カルボ風」

さらに「女性に人気のメニューがある」ということで、もう1杯注文してみることに。

しばし待っていると、

出ました! 人気メニューの「カルボナーラ風油そば」(800円)。

塩ベースの味つけに、卵・ミルク・バターなどを混ぜ合わせ、最後に上からたっぷりと粉チーズがかけられている。

「油そばなのにクリーミー」という個性的な味わいを堪能していると、追いかけるようにしてブラックペッパーがほどよく効いてくる。

これはクセになりそう!!!

トッピングは、もやし・納豆・生卵・明太子・納豆・キムチ等と豊富。

さらに、どのメニューも大盛り無料なのもありがたい!

大物タレントの餞別でこしらえた店の看板

芸人を引退後、自らの腕1本、しかも独学で勝負。

メディアなどでも取り上げられ、今となってはすっかり地元でも有名な人気店になりつつあるようだが「決して1人の力ではなく、“人との縁”があったからここまで辿り着けた」と吉井さんは語る──。

最初、とりあえず今の場所に物件を借りたまでは良かったんですが、居抜きでなくゼロから内装を工事しなければならなかったので、建築費用が予想外に高くついてしまったんです。何とか安い業者さんを見つけようとして、5社くらいに見積りをしてもらっていたのですが時間もかかるし、どこも高くなってしまうはで、結局3カ月くらい空き家の状態で家賃を払う状態が続いてしまいました。そんなピンチの時に、建築関係の仕事に就いていた中学生時代の友人が手を差し伸べてくれて、なんとかギリギリの値段で内装を請け負ってくれたんですよ。

入り口の上に大きく飾られてある「六伍郎」の看板にも秘話が──。

芸人時代の下積みとして、土曜日夜にオンエア中のご長寿クイズ番組の前説を10年間務めていた吉井さん。目をかけてくれていたという、超が100個くらい付くほどの大物女性タレントのKさんに「芸人を辞めます」と報告をしたところ、「お疲れさま」という労いの言葉とともにいただいたお金でこの看板をこしらえたのだそう。

実は、「シェーン!」というコンビ名もKさんがきっかけなんです。番組のスタッフさんも食べに来ていただいたり、開店の際に花を贈って下さったりもして、本当に感謝しています。

店内には、テレビで活躍中のお笑い芸人のサインがズラリと飾られていて、それらを眺めているだけでも飽きない。

有名・無名関わらず、芸人さんはよく食べに来てくれますね。近くの中野にお笑いの劇場が沢山あるので、ライブ終わりに寄りやすいのかもしれません。ある時、打ち上げでもないのに店内が全員芸人さんで埋まっていた日もありましたよ(笑)。わざわざブログに店のことを書いてくれたり、忙しい時期は若手の子がヘルプで働いてくれたりと、たとえ引退しても芸人さんとの縁は強く感じていますね。

今後の目標として「実家のある奈良に2号店を出したい」と、夢を語る吉井さん。ラーメン店主という第2の人生を歩んだ男の挑戦は、まだ始まったばかりだ──。

お店情報

麺処 六伍郎

住所:東京都中野区野方5-32-5

電話番号:03-6383-0332

営業時間:月曜日〜金曜日 17:00〜翌2:00(LO 翌1:30)

土曜日・日曜日・祝日 11:30〜15:00、17:00〜翌0:00(LO 23:30)

定休日:火曜日

ウェブサイト:http://www.localplace.jp/t100063316/

※金額はすべて消費税込です。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。


書いた人:

石田ケント

1988年生の放送作家。法政大学卒業後、独学・フリーで活動開始。考案した番組に日本テレビ「言わせろ!リアクションワード」「超年の差バトル! 神童 VS 老神」「衝動に負けましたSP」「なれそめザペアレンツ」など。日本テレビやTOKYO MXの番組の企画・構成、コント脚本を中心に活動中。担当レギュラー番組等はTwitterをご覧下さい。 Twitter:@kentofthekent

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