特A米や白いごはんを食べ比べ! 恵比寿「米福」で至福の炊き立てごはん体験

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「最高の白いごはん」を腹一杯食べたい

炭水化物抜きダイエットがすっかり身に付いて久しい。でも、本当は毎日白いごはんを腹一杯食べたい!! それが多くの人の本音ではないでしょうか?

本日ご紹介するのは、そんな白いごはんが主役のお店です。その名も「米福」。

恵比寿駅を出て数分歩き、地下に降りていくと、駅前の喧噪を忘れさせるようなしっとりした光景が。

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ほのかなお香の香りに誘われて、

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かわいい米俵が染め抜かれたのれんをくぐると

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落ち付いた照明の、ゆったりした席が並んでいます。

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今回、話をお聞きしたのは、料理長の宮野長司さん。

「コンセプトは『ごはんが主役の和食店』です」という言葉のとおり、

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メニューにはお米の銘柄がズラリと並んでいます。こちらでは、1合炊きの白いごはんが、常時5種類用意されています。つまり、その気になれば、1度の食事で5種類のお米を食べ比べできるのです。

その中には、【特A】の文字もあります。特A米といえば毎年行われる「米の食味ランキング」で、私の地元、青森県産の「青天の霹靂」が、県で初の特Aを獲得したということで話題にもなりました。

このランキングは毎年2月に発表され、前年の秋に穫れたお米に対してランキングを行うものです。つまり、「去年のお米でおいしかったのはどれ?」という答え合わせのようなもの。新米の出回る10月頃に加え、このランキングが発表される春先は、第2のお米シーズンともいえます。

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こちらの「米福」では、1~2カ月ごとに米のラインナップを変えており、特A米も常時ひとつは加わっているとのこと。中でもやはり特A米への感心は高く、注文されるお客さんが多いそうです。

というわけで本日は、特A米の「つや姫」をはじめ、味や食感の特徴が異なる3種類のお米をいただくことにしました!

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まずは、特A米の山形県南陽市「特選 つや姫」(1合 980円)と、ごはんのお供を盛り合わせた「お供三種盛り」(780円)。

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まずは、何も添えずに、白いごはんのままでいってみましょう!

アツアツに炊き上げられたごはんの釜のフタを開けます。

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これが特A米の、山形県南陽市「特選 つや姫」です!

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粒が、すごく立っている!

普段見慣れているお米よりも大きく、長めの粒です。

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こちらのお店では、お茶碗もいろいろ凝っていて、目でも楽しめます。こちらは、九谷焼の絵付けで知られる赤地健氏の器だそう。女性にはこのように手にすっぽりと収まるような小ぶりの器、男性には大きめのシンプルなデザインの器など、色も形もさまざまです。他にも清水焼、有田焼、作家ものの器など、ごはんを盛るお茶碗にもこだわりを持っています。

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炊きあがったごはんは、お店の方が美味しく盛りつけてくれます。

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まずは十文字に切って、底を返すように混ぜます。

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「つやと甘味、粘りのバランスが取れた品種です」(宮野さん)との言葉通り、ややもっちりめで、上品な味わいです。でもいつものごはんと一番違いを感じたのは、一粒ひとつぶの際立ちでした。ごはんというのは、お米ひとつひとつの米粒の集合体で、その間に含まれた空気も味わっていたんだー! と、この一口で初めて気づかされました。それほど、この大粒の魅力が際立っています。

卓上に置かれている塩を、ほんの少し添えてみます。瀬戸内海で作られている「海人の藻塩」です。うっすら色づいているのは、海藻が入っているから。

これで劇的に甘味が引き立ち、そのまま食べたときよりもかえって特徴がよくわかるような気がしました。

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ではさきほどの、「お供三種盛り」とともにいってみましょう。いくらの醤油漬け、海苔の佃煮、じゃこ山椒がセットになっています。

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海苔は、四万十川の岩のりを使用したものを取り寄せているそうです。海苔のかすかなプチッと感が楽しめます。磯の香りがふんわりと口中に広がります。

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じゃこ山椒はなんと自家製でした。優しい甘さの醤油味で、ほんのり山椒が香ります。いくらの醤油漬けも、お店で漬けているとのこと。わざわざメニューには自家製と書かれていないのですが、ごはんのお供も実力派というわけです。

ちなみに、特A米は、各自治体が中心となって出品した品種に対し、専門のパネラーが食味試験を行って決めるものです。出品に関しては、一定の作付面積を満たすことなど、さまざまな条件があり、日本で作られている全てのお米が対象になっているわけではありません。つまり、特A米以外にも、ランクのついていない美味しいお米は山ほどあるということ。

「特Aなどの評価にかかわらず、実際に食べておいしかったお米だけを、メニューに取り入れています。同じ品種のお米でも、扱うお店によって管理の状態が全然違うんです。産地から直接仕入れるよりも、管理の行き届いたお店のお米のほうがおいしいということは普通にあります」(宮野さん)

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こうして選ばれたお米のひとつが、新潟県魚沼市「北魚沼 こしいぶき」(1合 980円)。

本日は、銀だら西京焼き(1,300円)とあわせて楽しむことにしました!

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ちなみに、いろいろなごはんを食べ比べしたい人のために、どの土鍋がどのお米かわかるように、右下に札が添えられています。

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せっかくなので自分でフタを開け、よそってみることにしました。

豆絞りを通して、ぬくもりが伝わってきます。重いフタが頼もしい。

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おお~! 自分で開けると、感慨もひとしおです。

さっきのつや姫に比べると粒が丸みを帯びていて、見慣れた形をしています。

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先ほどの光景を思い出してやってみるも、意外と思うようにごはんが言うことを聞いてくれず……。

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結局、お願いしてしまいました。

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銀だらの西京焼き(1,300円)もお店で漬けているとのこと。身がプリプリとみずみずしく、ふっくらしていてます。「つや姫」に比べて粘りがあってやわらかく、銀だらとすごくなじみがいい! でも粒が頼りないわけではなく、しっかりとごはんの粒の存在が感じられます。

添えてあるごぼうがものすごくおいしかったのも、衝撃でした。シャキシャキして、噛み締めるとパキッとした食感。ごぼうがこんなにみずみずしいなんて! さきほどの「お供三種盛り」もそうですが、ごはんの味を邪魔せず、でもしっかり満足感の得られる塩梅の味付けが印象的です。

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お次は、おなじみのこしひかり(1号 980円)ですが、産地がとても魅力的。世界遺産でもある合掌造りの集落で知られる、富山県五箇山地区でとれた、富山県南砺市「世界遺産シリーズ 越中五箇山 こしひかり」です。本日は、これを一番楽しみにしていました!

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つややかです!

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なんとなく、手応えを強く感じる気がします。

そして、このごはんの相棒を務めるのが……

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じゃじゃーん!

霧島黒豚生姜焼(1,300円)です。

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大判の豚肉がどーんと3枚。甘さは抑えめで、しょうがのピリッと感が香りからも伝わってきます!

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本日の、最強コンビです。

器には、鳥獣戯画が描かれていました。

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ごはんは、噛み締めると粘りがあり、外側にはハリがあります。さきほどの「こしいぶき」はやわらかな魚にすっとなじむ感じでしたが、こちらは肉に負けない歯ごたえと、しっかりした甘味があり、肉に負けないお米という感じです。 お米単体だったら、個人的にはこのお米が一番好み!

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タレとマヨネーズをからませたキャベツだけでも、絶品おかずになりました。これをごはんとあえるのも、たまりません。

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あと、今回大きな発見だったのが、この箸です。細身で軽やかに手になじみ、ごはんの重み、テクスチャーまで感じることができます。ごはんを手で感じたことなんて、おにぎりを除けば初めてだったのですが、おいしいお米を味わうには繊細な箸がマストなのだと思い知らされました。

どうやってごはんを炊いているんですか?

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こちらは、さきほど生姜焼といっしょにいただいた「越中五箇山 こしひかり」の玄米。このお店では、店内で精米したてのお米を使って、ごはんを炊いています。

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ちなみに、このカウンターの右奥に置かれているのが精米機です。毎朝ここで精米しています。

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ごはんの約半分を占める水も重要。「この水で炊くんですよ」と聞き、様子を眺めていたら、

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なんと、研ぐときも同じ水を使っているとのこと!

炊くための水が、惜しげもなく投入されていきました。研いでいるときにも水分をお米が吸ってしまうので、水道水は使わないということなんですね。お米は水を吸う性質があるため、一番はじめに吸わせる水が重要なのだそうです。また、すぐ水を捨てないと、お米から出た汚れを再度吸ってしまうので、この工程が一番大切なのだとか。

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研いだあとじっくりと5時間以上浸水させたお米を、ガスの火で炊いていきます。

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棚の上で出番を待つ、萬古焼きの土鍋たち。

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このように、開店中はいくつもの釜が並びます。どれがどのお米だかわからなくなってしまうのでは? と思い聞いてみると、コンロの列ごとに、置くお米を決めているとのこと。

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あ! 鍋が吹き上がってきました!!

動揺しているこちらに対し、スタッフの方はいたって冷静。落ち着いて火を落としていました。

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このカウンター席からは、そんな厨房の様子をうかがい知ることができます。

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なにしろごはんが5種類もありますと、ついいろいろ試したくなってしまいますよね。というわけで、うっかり頼みすぎてしまった人のために、残ったごはんを持ち帰り用の塩むすびにしてくれるサービスもあります。

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塩むすびひとつひとつに、名前が入っていました!

うれしすぎる。常連の方などは、塩むすび用にあえて多めに頼むことも珍しくないそうです。帰ってからも、ごはんの思い出に浸れるお店なのでした。

お店情報

米福

住所:東京都渋谷区恵比寿西1-4-2 川田ビルB1F

電話:03-6416-3855

営業時間:17:00~23:00(LO 22:30)

定休日:無休(臨時休業あり)

Webサイト:http://www.ebisu-komefuku.com/

※金額はすべて消費税込です。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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書いた人:

増山かおり

1984年、青森県七戸町生まれ。東京都江東区で育ち、百貨店勤務を経てフリーライターに。『散歩の達人』(交通新聞社)にて『町中華探検隊がゆく!』連載中。『LDK』(晋遊舎)『ヴィレッジヴァンガードマガジン』などで執筆。著書に『JR中央線あるある』(TOブックス)、『高円寺エトアール物語~天狗ガールズ』(HOT WIRE GROOP)。

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