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男気あふれる店主が人の輪を作る、人情あふれる立ち飲み店【わたなべ横町】

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赤提灯ゆれる路地の立ち飲み店

こんにちは、膝が弱いメシ通レポーターの泡です。みなさま、立ち飲みはお好きでしょうか? お好きですよね。気が向いた時にふらっと立ち寄れてサッと飲んでシュッと帰れるし、なんといっても座って飲むより安い。

あと、実家でやったらオカンに絶対怒られる立ち食いを堂々とできる、ちょっとした背徳感もおまけ。そんなこんなで、筆者も15年来の立ち飲み愛好者であります。歳ごとの加重により膝に負担がかかれども、めげずに立ち続けている次第。

ひと昔前なら、酒店の横でおじさんがスルメ片手にカップ酒ってなイメージだった立ち飲みも、今や居酒屋さんやバーに並ぶ選択肢にも入るほどメジャーな存在になりましたね。ここ数年ほどの間に古都・京都にも立ち飲み店が増えました。オシャレなバルに日本酒専門、激安大衆酒場系とタイプもさまざま。

今回、呑兵衛な友人から「あそこはアツいっすよ!」とすすめられたのは西木屋町にある「わたなべ横丁」。

阪急河原町駅から河原町通を北へ、2筋目を右折して1筋目の路地を左に入ります。

路地にわちゃわちゃっと飲み屋さんが並ぶなか、赤い提灯が目印です。

京都でおなじみ、間口が狭く奥行きのある“鰻の寝床”な造りでカウンターが奥に伸びています。

スーッと伸びたカウンター。ここがお客さんでギッシリになることも少なくありません。

「酒じゃ!」「宴じゃ!」気分を高めるキュートな提灯がぶら下がっています。

壁にはずらり短冊メニュー。ざっかけない、という言葉がぴったりの気取らない雰囲気がいい感じ。

黒板メニューやショーケースには本日のおすすめとしてお造りやおばんざいが並んでいます。アテはだいたい400円前後という立ち飲み価格にひとまず安心。

さー、飲みますか!

魚&肴がうまい! 酒が安い!

▲素チューハイ 300円

1杯目は、素チューハイ。その名の通り、フレーバーなしのプレーンなチューハイで、スキッとドライな味というか味のなさというかがイイ。実はこの時まだ前夜の酔いを引きずっていた筆者にはこの軽さもうれしゅうございました。

▲マグロの切り落とし 450円

そして一品目のアテは、ショーケースで赤い身が誘惑していたマグロの切り落とし。赤身もトロっぽくサシの入った部分もんまいっ!

これ、祇園辺りなら倍くらいの値付けじゃないかしら、そうに違いないわ。と、勝手に得した気持ちになりゴキゲンで次々頼みます。

▲鶏と竹の子のうま煮 450円

甘辛い味つけが家庭的でほっこり。ザ・おばんざい的な味は誰もが大好きな味。

▲バクダン 380円

ちょっと味の濃いのが飲みたくなっておかわりはバクダン。関西以外の方にはなじみがないかもしれませんが、これは京都発祥のチューハイの一種で、赤玉ワインを焼酎とソーダで割った、甘い飲み口に油断していると酔いが回る危険なヤツです。

昔ながらのお好み焼き店の定番酒でソース味にもよく合います。機会があればそちらでもお試しください。

▲黒糖焼酎 400円、タイラギ貝の造り 380円

先のマグロがおいしかったので、お造りに戻ってタイラギ貝も追加。お次は黒糖焼酎にいきましょか。400円でなみなみ、イイヨイイヨー。軽く炙った貝はぐっと甘味を増して、黒糖焼酎の軽い甘さとリンクします。

おいしい魚で気軽に飲めるって本当にうれしい。居酒屋さんや小料理店だとなんとなく注文が少ないと悪いかなと思ったり、食べる順番だったりに気にしたりするけれど、立ち飲みだと気の向くまま自在にオーダーできるからいいですよね。

熱い思いを秘めたコワモテ店主

この日、筆者は一人で飲んでいました。カウンターは筆者以外全員顔見知りの常連さんばかり。恥ずかしながらライターという職業に就いているくせに人見知りで一人飲みの時は黙々と過ごすタイプなのですが、このお店ではそんな状況でも疎外感を感じずとても居心地がよかったのです。

一見コワモテのご主人がさりげなく隣の人に話を振ってくれたり、注文にオーバーアクションで応えてクスッとさせてくれたりで、「一人だけど、誰かと一緒」な雰囲気を作ってくれたから。

常連さんたちも年代や職業もバラバラながら、共通して「このお店が好きだから、初めて来た人にも好きになってもらえたらいいな」というオーラを醸し出していたような。こんな空気感を作るご主人のことが気になって、お話を聞いてみました。

ご主人こと渡邊 周さんはこのお店を開いて5年目。以前は配達業だったそうです。

昔から立ち飲みが好きで、そのうち自分でもやってみようかという気になってね(渡邊さん)

京都の気軽な飲み屋街・西院にあった立ち飲み店に長く通っていたという渡邊さん。意外にも、筆者に近い(勝手に認定すいません)ひとり飲み派だったそうで。

それでもみんなでワーッとなるのはめっちゃ楽しかったから、自分の店はそんな雰囲気を作っていこうと決めたんです(渡邊さん)

なるほどー、真摯ながらもさりげない気配りがこの空気を醸し出すのね。

立ち飲み店はただメシを出しゃいいってもんじゃない。いろんなお客さんがステイタスを外して知らない人と遊べるのが醍醐味やと思ってます(渡邊さん)

座り飲みではなかなか越えられない心の垣根も立ち飲みならひょいっとまたぎやすい。そこでお店に一体感が生まれると。

初めて来た人も輪の中に入ってほしいから、無理のない範囲でなるべくアシストするようにしています(渡邊さん)

かくして新たな常連さんが生まれ、また新規のお客さんを迎える側になるという好循環。このお店を教えてくれた友人もきっとそこにハマったんだろうな。なるほど、確かにアツい店です。老いも若きも我がホームにしたくなる気持ちがわかりました。

この界隈は若い子の街というイメージが強いけど、意外に年配の方も多いんですよ。なかには、僕から見ても『カッコええ飲み方してはるなぁ』と思う紳士もいはります。どんな方かというと、相手が歳下とわかっていても必ず敬語で話しかける、決して上からものを言わずに話をちゃんと聞く。簡単なようでなかなかできることやないですよ(渡邊さん)

そんな大人の姿から若い子がなにかを得てくれたらうれしい、と渡邊さんは言う。ただ腹を満たすだけ、酔うだけのためではない酒場の有り様がとても頼もしい。

真面目な話もするけど、基本的なノリはこっちやで~。かんぱ~い☆

実はカウンターのどんつきには、VIP ルームなる椅子席もあります。VIP ルームはチャージ100円。

老若男女、今宵気さくな立ち飲み店に足を運んではいかがでしょうか?

店舗情報

わたなべ横町

住所:京都市中京区紙屋町357-1

電話番号:075-708-5876

営業時間:17:00~翌1:00(LO 翌0:30)、日曜日・祝日 17:00~翌0:00(LO 23:30)

定休日:無休

※ただし、毎週月曜日は「ちょっとBAR森」という別業態での営業

※金額はすべて消費税込です。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。


書いた人:

泡☆盛子

ライター。沖縄出身、京都在住。京都の水というか食がカラダに合い、40kg肥えたのが自慢。立ち呑みと、おかずケース食堂での昼酒が好き。

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