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認知症高齢者に禁煙は可能?まずは火の不始末防止策から考えてみる

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「吸っていたのを忘れて、畳が焼けてしまった」「ライターをストーブの近くに置きっぱなしにしちゃって…」など、認知症高齢者の煙草問題で困っていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。

アルコールに依存傾向のある認知症の方には、ノンアルコール飲料の提供を行うなどの対策がありますが、煙草に関しては難しいのが現状です。そこで、今回は認知症高齢者と煙草についてお話させていただきます。

記事掲載にあたり喫煙者の方へ…ご気分を害してしまったらすみません…。

そもそも煙草って何?

煙草を吸わない方はもちろん、吸っていてもご存知ない方がいらっしゃるかもしれませんので、まずは煙草についてご説明いたします。

ナス科の多年草。日本では一年草。高さ1.5~2メートルになり、大きい楕円形の葉が互生する。夏、細長いらっぱ状の淡紅色の花を多数開く。葉にニコチンを含み、喫煙用に加工したり、殺虫剤の原料としたりする。南アメリカの原産で、桃山時代に輸入。
引用元:goo辞書

つまり、煙草とは植物の葉をほして作った嗜好品になります。

健康を害する原因って?

煙草の煙には、中枢神経に薬理作用を及ぼすニコチンをはじめ、発ガン物質・一酸化炭素・ダイオキシンなど、多数の有害物質が含まれています。

ニコチンが体内でα4β2受容体と結合すると、安らぐ・落ち着くという感情が起きます。しかし、依存性を形成する作用があるため、継続的に吸いたくなります。つまり、煙草に含まれる有害物質も継続的に取り続けてしまうことになります。

煙草の煙には3つの種類がある

喫煙の際、フィルターを通して口腔内へ流れる「主流煙」と、主流煙を吐き出すことで発生する「呼出煙」、そして、煙草の点火部から発生する「副流煙」があります。

煙草を吸っていないときの点火部の温度が500度に対し、吸っているときは酸素を引き寄せるため900度まであがります。900度まで上がると有害物質が分解され、フィルターを通すことでさらに低下する(主流煙)のですが、500度の状態では分解もされず、フィルターも通していないため非常に危険な煙(副流煙)です。そのため、主流煙と副流煙を比べると、副流煙の方が有害物質の濃度は100倍高いことが分かっています。

1番危険なのは火の不始末

煙草自体の害はもちろんなのですが、認知症高齢者と喫煙の問題について、最も問題視されているのは、火の不始末です。介護者から、以下のような悩みが聞かれます。

画像

『吸いかけの煙草を灰皿置いたところ、吸殻に火がうつりボヤさわぎになったんです。当の本人は、吸いかけの煙草を置いた後、吸っていたこと自体を忘れてしまっていたんです。』

介護者は24時間365日、いつ吸うか分からない煙草にひやひやし、常に目を光らせなければなりません。吸ったことを忘れることで、吸う量が増え、部屋の中が煙草の煙で充満してしまったり、本人の健康の心配などもあるかもしれません。しかしながら、火の不始末は人の命を容易に奪ってしまいます。そのため、いかに火の不始末を防ぐかということに焦点を当てて考えてみます。

考えられる火の不始末防止策5つ

さまざまな介護環境を想定して、下記5つ挙げてみました。
煙草やライター・マッチは介護者が管理し、都度手渡しし、目の届く範囲で吸ってもらう
家に火災センサーを取り付ける
かかりつけ医に禁煙を促してもらう
衣類やカーテンなど、身近な可燃性製品を難燃性のものに替える
加熱式タバコ(※)に変更する

加熱式タバコとは、火を使わずタバコの葉や液状にしたものを熱することで発生する水蒸気を吸う煙草。IQOS(アイコス)PloomTECH(プルームテック)など。

避けた方がよい対応方法

対応方法に苦慮する中で、これだけでは絶対にやめた方がよいという対応方法があります。それは、「煙草を完全に取り上げ、絶対吸わせないようにする」ことです。取り上げることで自尊心を傷つけてしまい、介護者へ悪い印象しか持たなくなってしまい、信頼関係まで崩れてしまいかねません。

認知症の方に限らず、喫煙者にとって、禁煙は本当に難しい問題です。急に取り上げられたからと言ってやめられるものではなく、やめる意思があってはじめてスタートラインに立てるのではと思います。

さいごに

認知症高齢者にとって、喫煙することは昔からの習慣のため、できることのひとつと捉えている方が少なくありません。健康を考えると、禁煙することが最も良い方法なのですが、辞める意思がないものを取り上げても解決にはなりません。

たばこ税増税や社会が健康志向へ向かっている影響で、喫煙者数は年々減少傾向にあります。しかし、平成26年に行われた厚生労働省の調査によると、60歳以上の26.7%は喫煙しており、認知症高齢者と喫煙は今後の課題になってくるのではないでしょうか。

この記事を書いた人

認知症ONLINE 編集部

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