家を建てるときに知っておきたい、「玄関」のつくり方

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家づくりをする際は、どうしてもリビングやダイニングを重要視したくなり、玄関は二の次になりがち。結果、住んだ後で「こうすれば良かった」と不便に思うことも。そうならないためにも、今のうちから玄関づくりについて情報を仕入れておくことが大切だ。

特に「玄関づくりは機能面を重視しましょう」と語るのは、建築家の新井崇文さん。建築時にちょっとした工夫や機能を取り入れておけば、普段の生活がガラリと豊かになるという。そこで新井さんに、玄関にどんな機能があると便利かを聞いた。

今住んでいる家の玄関を思い浮かべてみよう

そもそも家を建てるとき、玄関の広さはどれくらいをみておけばいいのだろうか?

「一般的には、建坪30坪に対して1坪が目安。ただケースバイケースなので、私としては“収納にどれくらいスペースを割くか”を大事にしてほしいですね。試しに、自分が今住んでいる家を思い浮かべてください。玄関をキレイに保てているなら、今と同じくらいの広さでもOKです。しかし玄関が散らかっている場合は、収納するスペースをもっと広く設けたほうがいいでしょう」(新井さん、以下同)

確かに、今の玄関の散らかり具合から判断するというのは、わかりやすいかも。ただ、どうしてもスペースを割けない場合も。

「そんなときは、なるべく玄関には物を置かないようにし、広さは割り切って、リビングに移動した後に開放感を感じられるよう設計するのもひとつの手段です。その場合は、柱脇や壁厚などのデッドスペースを利用して収納を設置するなど工夫してみてはいかがでしょうか」【画像1】出かけるときについ忘れがちな鍵。柱脇を利用して、玄関に置き場所をつくっておくと便利だ(写真提供:新井アトリエ一級建築士事務所)

【画像1】出かけるときについ忘れがちな鍵。柱脇を利用して、玄関に置き場所をつくっておくと便利だ(写真提供:新井アトリエ一級建築士事務所)

靴以外をしまう「+α収納」で外出準備がラクに!

逆に、玄関をある程度広くできるときは、どんな機能をつければよいのだろう。新井さんは「靴以外の物をプラスで収納できると生活が便利になります」と語る。

「玄関で忘れ物をして取りに戻った経験、誰でも一度はありますよね。それならばいっそのこと、出かけるときに持っていく物を玄関にまとめて収納してみてはいかがでしょうか。鍵、帽子、傘、雨具、コートなどを置けると便利ですよ。またベビーカーやゴルフバッグなど、外で汚れてしまう物も、できれば玄関に置いておきたいですね」【画像2】外出時に着るコートなどを玄関に収納できると、外出の準備がラクになる(写真提供:新井アトリエ一級建築士事務所)

【画像2】外出時に着るコートなどを玄関に収納できると、外出の準備がラクになる(写真提供:新井アトリエ一級建築士事務所)

玄関収納づくりの方法は大きく分けて2つ

そして玄関収納づくりには、大きく分けて「収納家具を置く」か、「別室を設置する」か、2つの方法があるという。

「収納家具を置くメリットは、『少ないスペースで設置できる』こと。ただし、収納家具自体が大容量になる場合は相応のコストがかかります。また、玄関脇にクロゼットなど別室を設置するメリットは、『物をとりあえず置く退避場所に使える』、『人に見せる部分ではないので、ローコストなつくりでもよい』こと、デメリットは『ある程度しっかりしたスペースが必要』なことが挙げられます」【画像3】クロゼットを置けば、宅配物を仮置きしたり、ベビーカーなど外で汚れてしまう物も置きやすい(写真提供:新井アトリエ一級建築士事務所)

【画像3】クロゼットを置けば、宅配物を仮置きしたり、ベビーカーなど外で汚れてしまう物も置きやすい(写真提供:新井アトリエ一級建築士事務所)

さらには、玄関を「玄関らしくなく」つくる手法もあるという。

「玄関を、“リビングダイニングの一角”として考えてみてはいかがでしょうか。ソファや本棚を置いて多目的に使うこともできますし、玄関スペース分も“日常の生活空間の一部”として広がりを感じられます」【画像4】玄関をリビングダイニングの一角として考えると、玄関が生活空間として活きる(写真提供:新井アトリエ一級建築士事務所)

【画像4】玄関をリビングダイニングの一角として考えると、玄関が生活空間として活きる(写真提供:新井アトリエ一級建築士事務所)

さすがにここまでつくり込むのは、生活スタイルに大きく影響するので、難しい場合があるかもしれない。では玄関を「玄関らしく」つくるとして、ほかに取り入れておきたい機能は?

「玄関に小窓やスリット窓を設けると、靴を履きながら『この時間もだいぶ明るくなってきたな』とか、『小雨が降っているな』など、外の様子をうかがえます。こういった日常のちょっとした瞬間を感じられるのは、とても豊かな暮らしといえます。ぜひ将来の生活を想像しながら、玄関づくりも進めてください」

確かに、玄関にいながら外を感じられると、生活がより楽しくなりそうだ。皆さんも広さや何を収納するか、住んだ後の生活はどうなるか、などを考えて、自分たちに合った機能を玄関に取り入れ、家づくりを進めよう。

文/島尻明典●取材協力

新井崇文さん

新井アトリエ一級建築士事務所・代表。光・風・緑を活かし、「暮らしの豊かさ」をテーマにしたその住宅作品には、玄関への工夫・こだわりも随所に見られる

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