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マツダの新技術は、企業姿勢の表れ! 最高級の無償装備になり得る「G-VECTORING CONTROL」を体感してきた

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▲雨の砂利道を勢いよく走り抜けるアクセラ。果たして、新技術の効果は?

マツダ「新技術説明会」

電子デバイスを利用した技術が当たり前に溢れている現代だが、今回お披露目となったマツダの新技術「G-VECTORING CONTROL」はなかなか興味深いものだった。

この技術が生みだしたのは『車の速度とステアリングの舵角操作に応じてエンジンのトルク制御を行い、デバイスで不快感を克服する』装置。シンプルに説明すると、同乗者に違和感を与えない上手な運転を可能にしてくれるものだ。もちろん同乗者に限らずドライバーにも快適さは与えてくれるが、先に起きることを予測しづらく予期しないG(重力加速度)を感じやすい同乗者には、より実感できる技術とのこと。

これによって成し得た挙動は、慣れたドライバーであれば自らの運転技術で実現していることらしく、例えば私の場合だと、急カーブなどで“丁寧な操作”に徹しているのだが、それと同じ役割をエンジンのトルク制御が担ってくれるというのだ。どうにも言葉にするのが難しいので“丁寧な操作”と表現せざるを得ないのだが、その操作であっても雨天と晴天では違った微調整が必要になる。アクセルワークも変わってくる。その結果、同乗者はもちろん車にも優しい運転となるのだが、果たして、この細かな操作を電子デバイスが実現できるのであろうか。

雨の試乗会で実感した乗り心地

説明会の日は、小雨とは言い難い量の雨が降りしきり、風も強かった。普段であれば“あいにく”と表現したい天候だが、今回の技術のお披露目には最高なシチュエーションだ。

まず案内されたコースは砂利道。冒頭にも書いたとおり、この新技術は電子デバイスを利用したものであるため、既存の車体に追加部品などが必要になるわけではない。今回の試乗で使用した車も、すでに販売されているマツダ車と全く同じ作りである。ただ、運転席横に“魔法のスイッチ”が付いており、ON/OFFで、技術アリ/ナシを切り替えられるようになっていた。

まずは、このスイッチをOFF(技術ナシ)にして走る。濡れた砂利道だ。明らかに路面とタイヤの接地感は希薄で、予期せぬ挙動が表れるが、アクセルとステアリング操作で路面のインフォメーションを掴み取りながら走り抜けた。

次に、スイッチをON(技術アリ)に入れ、同じ砂利道を走る。……なるほど、明らかに快適だ。浮き足立った路面を掴み取ろうと、車がトルク制御を行っている。アクセルのレスポンスが若干重くなるものの、挙動は確実にスムーズになっている。もしかすると、専門家ではないドライバーにはこの違いを見いだすのは難しいかもしれない。しかし、同乗者は間違いなく体感できるだろう。その証拠に、助手席や後席に座った人は必ず「乗り心地が良くなった」と評価した。

▲こちらが“魔法のスイッチ”。こんな仕掛けだけで検証できてしまうのも、電子デバイス制御ならではだ

続いて高速周回路。ここでもその威力を知ることになった。何が違うかというと、中速から高速でのコーナリングだ。魔法のスイッチがOFFの状態であると舵角を最小限にしてアクセルペダルに集中しながら車両の挙動を安定させるために、自然と気を使って運転していた。自分の運転スキルをあまり良く言うのも恥ずかしいが、極めてスムーズであると思う。しかし、疲れている場合はこういったコーナリングも容易にできなくなるだろう。

そう考えて、今度はスイッチONの状態で意識的にズボラな運転をしてみた。……ズボラにしたはずなのに、笑ってしまうぐらいターンインからスムーズな動きで、安定したコーナリングをしてくれた。もちろん、乗り心地もとても良い。コーナーから直線に入るところも車両の動きに無駄な揺れは発生しにくかった。

しかし、どうしても“細かすぎる”技術であるため、文字や言葉だと伝わりにくいのが残念だ。乗っていただければ、確実にご理解いただけるだろう。

▲この写真は、急ハンドルで回避するシチュエーション。車の傾き具合から、乗っている人にどのようなGがかかるか想像できるだろう。しかし、後席に座っていた編集部員は「スイッチOFFだと体がかなり横に振られたのですが、ONにすると明らかに軽減されました」と驚いていた

企業の姿勢、熱意を感じられる技術

つまり、新技術「G-VECTORING CONTROL」があれば、どんなドライバーでも熟練ドライバーの安定感ある走りを再現できるのだ。これは“人馬一体”という点においては少々疑問が残るかもしれないが、同乗者と社会への配慮を考えると、素晴らしい装置であることには間違いない。

また、これは将来的に全マツダ車の標準装備として搭載していくのだそうだ。しかも、搭載したことによる価格変動はないという。“対価を払わずとも手の届く技術で、最大限の乗り心地をユーザーに還元したい”というマツダの企業姿勢を感じた。

これから近い将来、装着したモデルが出てくるはずなので、ぜひ期待して待っていていただきたい。

text/松本英雄

photo/尾形和美

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