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越後の「牛の角突き」 神事のため全部引き分けで終わる

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 中央の土俵に、巨大な牛が鼻息も荒く姿を見せると、観客席を埋め尽くした人々から期待に満ちた歓声が上がる。対峙する2頭の牛から鼻綱が抜かれ、勢子たちの「ヨシター!」という掛け声と共に牛たちが、渾身の力で突き合う。越後・牛の角突きの始まりだ。

「どう? 角突きはおもしろいか? おらの出番はもっとあとだから、話を聞きたいなら今がいいがだ」

 木立の中にある繋ぎ場(牛をつなぎとめておく場所)で気さくに声をかけてくれたのは、ベテラン角突き牛の陽都大王。

「陽都っていうのは、おらの牛主と同じ名前なんだ。とはいっても、牛主の陽都はまだ小学3年生で、おらのほうがずっと年上だけどな」

 牛主・陽都くんの家はひいおじいちゃんの代から角突き牛を飼っていて、陽都大王は最初、陽都の父親と同じ俊光という名前だった。

「ところが、おらが5歳のときに陽都が生まれて改名したがだ。強くなれ…と大王もつけてな」

 そして現在、陽都大王は向かうところ敵なしの強い牛になった。とはいえ越後の角突きは全部引き分けで終わる。神事であること、大事な牛が傷つかないためなど理由はいくつかあるが、盛り上がったところで引き離されるのも、醍醐味のひとつ。

「おっと、そろそろおらの出番だ。今日もいい角突きするがだ!!」

 千年も前から伝わるという越後・牛の角突きは、毎年5~11月に新潟の山古志闘牛場と小千谷闘牛場で月に1回程度開催されている。

【プロフィール】
名前:陽都大王 ♂
年齢:13歳
種類:日本短角牛
勤務先:新潟・山古志闘牛場
職種:角突き牛
主な仕事内容:5月~11月に開催される『牛の角突き』に出場して闘うこと。
お給料:基本給は干し草。頑張った日は青草や、新潟県魚沼名産の八色スイカなどの好物をもらう。
好きなこと:食べること。ブラッシング。そしてもちろん闘うこと!!
嫌いなこと:歩くことと、爪切り。
現在の悩み:陽都と弟の尋都がおらを取り合ってケンカするがだ。兄弟なかよくしてほしいんだけどな(笑い)。
将来の夢:若手の牛におらの技を伝授する。おらを超える牛になって、角突き大会を盛り上げていってほしい!

撮影■山口規子

※女性セブン2016年6月30日号

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