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セルジオ越後が主張する「日本サッカーをダメにしている制度」とは?

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キリンカップサッカー2016ではボスニア・ヘルツェゴビナに敗れて2位となったサッカー日本代表。やはり世界の壁の厚さを感じるが、一方でこの状態が長く続いているようにも感じる。

「日本サッカー界、日本の団体スポーツが強くならないのは、補欠制度のせいではないか」
「補欠は廃止すべき」

そう提唱するのは、辛口サッカー解説でおなじみのセルジオ越後氏だ。

『補欠廃止論』(セルジオ越後著、ポプラ社刊)には、日本の団体スポーツが世界で活躍できないのは「補欠制度」が原因とし、学校教育とスポーツを変える新提言をセルジオ氏が提言する。

■サッカー人口は本当は増えていない!

セルジオ氏が指摘する「補欠」とは、ベンチにも入れない選手のことを指す。ベンチに入ることができるのは「控え選手(リザーブ)」。日系ブラジル人としてブラジルで育ったセルジオ氏は、26歳のときに初めて日本に来て、「補欠」という制度があることに驚いたという。なぜなら、ブラジルには補欠がないからだ。

なぜ、セルジオ氏は補欠廃止を訴え続けているのか。それは責任を感じているからだと述べる。

セルジオ氏はJリーグが立ち上げられる前から20年以上、日本でサッカーの普及活動をし、約60万人の子どもたちと接してきた。

1993年にJリーグが誕生し、漫画『キャプテン翼』の人気も後押しし、サッカーは急なブームになった。今では海外クラブに多数の日本人選手が所属し、サッカー人気は高い。

しかし、実際には、日本サッカー協会に登録する「補欠の子」が増えただけで、本当の意味でのサッカー人口は増えていないとセルジオ氏は言う。なぜなら、試合に出場できる人数の枠が変わっていないからだ。

■ブラジルのサッカーが強い理由

サッカー強豪校なら、部員数が100人を超えることは珍しくない。部員数が増えたところで、全国サッカー選手権大会の選手登録できるのは20人のみ。試合に出なければ試合勘は育たないし、うまくならない。サッカー人口は増えたとしても、日本サッカーの底上げには結びつかないのである。

サッカーの場合、2つ以上のチームでプレーすることは許されない。
高校生は「部活動」か「クラブチーム」のどちらかを選ばなければならない。高校から1チームしか大会に出場できないので、ベンチメンバー以外のBチーム、Cチームは試合に出られなくなる。

一方、ブラジルには部活動はなく、学校はあくまで勉強するところ。サッカーをする場合は、地域のクラブチームのみ。そして、クラブ間は行き来が自由で、試合に出られない子は新しいチームを探してプレーをする。上手な子も同じで、強いチームから声がかかり、ヘットハンティングされていく。

常に自分のレベルにあったチームでプレーすることができるという背景は、ブラジルサッカーの全体的な底上げにつながっている。

■スポーツを楽しむための「補欠」廃止

スポーツは人と人の出会いや触れ合いの場であり、エンジョイするものだ。そしてプロスポーツは企業の金儲けのためだけに存在するのではなく、本来は地域貢献をし、そのエリアに住む人々をより豊かにする目的もある。

最近では、Jリーグもプロ野球も地域密着を掲げているが、まだまだ海外のクラブチームの熱狂ぶりには及ばないのが現状。日本でスポーツが普及し、団体競技の底上げを望むなら、補欠制度を廃止して、誰でも試合や大会に出られる環境を作ることが重要となるのだろう。

部活動、補欠についての捉え方、日本のスポーツ環境を日本人は当たり前に受け入れているが、その感覚は世界的に見れば、独特であることに気づかされる。スポーツに携わっていきたい、子どもがスポーツをやっている方に読んでほしい一冊だ。

(新刊JP編集部)

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