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妻を老人ホームに入れる? 野末陳平氏、安仁屋宗八氏ら見解

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 認知症を患っていた人気アニメ『ドラえもん』(テレビ朝日系)の声優・大山のぶ代さん(82)を、夫で俳優の砂川啓介氏(79)が「老人ホームに入居させた」と告白し、議論を呼んでいる。

 砂川氏が妻を老人ホームに入れたことについて、「むしろ遅すぎた」と語るのはタレントで元参院議員の野末陳平氏(84)である。

「老老介護を美談みたいにいうけど、それは大きな誤解。家族による介護は、する方もされる方も犠牲になるのが現実です。

 そもそも介護は、素人が簡単にできるようなことじゃない。プロのヘルパーさんでさえ一般家庭でサービスするのが大変だから、なり手がいないんです。介護される方も、相手が身内だとわがままをいうし、夫婦喧嘩も絶えなくなる。老老介護での夫婦喧嘩は互いに逃げ場がないから悲惨です」

 しかし、住み慣れた自宅を離れることに寂しさを感じるのも事実だ。内閣府が行なった「世論調査報告書」(2004年)によれば、「どこで介護を受けたいか」という問いに対し、「可能な限り自宅で」と答えた人が44.7%。「施設で介護を受けたい」という人は、42.3%だった。“自宅派”と“施設派”がほぼ拮抗している。

 問題は「可能な限り自宅で」と望んだ場合は、どこまでが可能な範囲なのか。経済アナリストの森永卓郎氏(58)は自らの経験から、日常生活全般に介助が必要で、問題行動や理解力の低下も見られる「要介護4」に達した場合は「無理だ」と語る。

「カミさんはずっと僕の父の介護をしてくれていましたが、24時間拘束されるので、仕事を辞めざるを得なかった。それでも介護に専念すればやれると思います。

 でも、『要介護4』になると努力しても厳しい。父がそうでしたが、施設に預けるしか手はないと思いますね。夫婦で“妻と離れたくない”というのであれば、近くにある施設に入居させて、毎日通うというのが現実的ではないでしょうか」

 40代を過ぎると、森永氏のように「親の介護」に直面するケースが珍しくない。そこで、「介護の厳しさを実感した」と50代の男性会社員がいう。

「母親の介護をしたのは40代後半でしたが、寝たきりの状態の母親を抱き抱えた時に“小柄なのにこんなに重いのか”と愕然としました。60歳を過ぎたら介護は体力的に厳しくなってくると思います。むしろホームに入れないことで、自分の身体が先に壊れてしまう」

 とはいえ、症状は少しずつ変化していくため、「もう自分では無理だ」と決断するタイミングは非常に難しい。野球評論家の安仁屋宗八氏(71)は、その分岐点をこう考えている。

「現役時代、家内の支えがなければ野球を続けることはできなかった。だから家内がそうなったら、頑張ってできる限り面倒をみてやりたい。それでもダメだった時は、施設に入れることになるんでしょうね。

 その分岐点は、僕が辛いかどうかよりも、家内がプロに世話してもらった方が辛くない、心地良いという状況になった時です。介護度が上がれば、家庭内での介護には限界があると思います」

※週刊ポスト2016年6月24日号

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