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「トヨタ、総合職に在宅勤務」で本格的な「働き方改革」に待ったなし

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「在宅勤務」は経営戦略として考える

今月トヨタが8月をめどに総合職社員のほぼすべてを対象に在宅勤務を導入することが公表されました。
全体社員のうちの約3分の1にあたる2.5万人に相当します。
このように日本を代表する大手企業の「働き方改革」のニュースは国内の企業に多大な影響力を持ちますので、これからのトヨタの業績や経過から目が離せません。

現在「女性活躍」が叫ばれるなかで、それと同時に行わられなくてはならないのは、「働き方改革」です。
「労働力低下」に「優秀な人材の確保」。女性も男性も待ったなしで働き方の意識を変える必要があります。

男女ともに、在宅勤務ができるメリットは数多くあります。
例えば「育児と仕事」の両立のなかで、時には子どもの発熱や病気になってしまった時に、どうしても奥様の方が職場に行かなくてはならない時があるでしょう。
その間、旦那が子どもを世話しながら、在宅勤務をし、お互いが休暇を取得しなくても交替しながら働き続けることができます。

そして、私が一番重要だと考えていることに、在宅勤務は働きやすさや福利厚生というだけでなく、むしろ「予測不可能な突発的にやってくるもの」のために、リスク管理として、BCP(事業継続計画)として、本来はすべての企業が考えておかなければならない「経営戦略」だということです。

「育児休暇」は予測可能。「介護」、「自然災害」は突発的で予測不可能

先日ある中小企業の経営者の方とお話しする機会があったのですが、そのうちの2社の経営者の方が「今本当に困っているのです。同じ事務所の女性が複数名同時期に育児休暇を取得すると言い出して・・・。」深刻そうな面持ちでした。

しかし、女性社員が妊娠を機に会社に報告をし、その後出産・育児休暇、復職時期というのは、産前休暇を取得する前に数ヶ月、育児休暇明けまでが1年として、1年数ヶ月の予測計画行動ができます。
1年数ヶ月もあるとすれば、むしろ計画ができないことの方に何かしらの問題があるかもしれません。

反対に、親の介護や、地震・台風などの自然災害は、ある日突然です。
優秀な社員が明日から引き継ぎもできずに休暇に入られたら、どうなるのでしょうか。
こうしたことを経営者は真剣に考え、人に依存しない仕組みづくりや、会社に来なくても遠隔地で業務、事業を継続できる環境を整えておくことが、介護の増加、自然災害の多い現在の日本の社会には最重要事項です。

人材もシェアリングの時代へ

先の中小企業の経営者が、「育児休暇中に新しい方を採用したら、その1年数ヶ月後に戻ってきたときに、余剰人員になってしまうのです」ともおっしゃっていました。

社員一人が仕事の一人立ちができるまでにかかる会社のコストや採用コストは、莫大な金額になります。このように「育児休暇を取得されることが会社にとって困る」という事態ではなく、大切な社員が戻ってくるまで、解決できる方法があります。
それは「人材シェアリング」というものです。育児休暇を取得する方の代わりに、

・どのような専門性を持った方が必要なのか
・どれくらいの期間必要なのか
を精査し、その期間だけ専門家を派遣してくれる人材マッチング業も増えてきています。

世の中には、平日フルタイムでは働けないけれど、例えば週3日の1日5時間まで自宅で働けるという、優秀な方が実際にいらっしゃいます。
労働力低下のこれからは、そのような人材もシェアリングする時代に突入してくるでしょう。
そういった場面でも、在宅勤務制度を導入する企業には有効です。

首都圏に勤務する方のほとんどが、満員電車の集中した時間帯に移動し疲弊しています。
地震・大雨や故障などによる電車の遅延のときに、大切な従業員が無理やり危険を冒して出社するよりも、むしろ冷静に判断し、その事態に在宅勤務へ臨機応変に切り替え、安全に業務を遂行できることを奨励する社会へ。
このトヨタの在宅勤務導入を機に、本格的な転換の時期を迎えています。

(久保田 一美/企業研修講師、コンサルタント)

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