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エンジニアにこそ求められる?「ビジネス数学」を学んでみよう!

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学校の数学と何が違う?

学生生活でたくさん勉強したはずの数学。でも仕事をする上で役に立っていないと感じている人も多いのではないでしょうか。

高校生の頃から文系に進み、受験勉強や大学でも数学を避けてきた人も多くいます。実際、多くの会社員にとって、仕事で三角形の合同を証明することはありませんし、微分・積分や三角関数を使うこともないでしょう。

しかし、数字を使った会話は社会人にとって必須です。そこで登場するのが今回の「ビジネス数学」です。学校での数学と比較してみると、以下のような対応があります。

学校での数学は理論が中心でした。厳密な証明が必要で、数字を一ケタ間違えるだけで不正解。しかし、ビジネスの現場では実践が中心で、厳密な数字よりも「使えるかどうか」が判断基準です。

数式で表せないような出来事は次々と発生しますし、誤差が発生することは日常茶飯事です。そして、何よりも唯一の正解が存在しないことが挙げられます。そもそも正解が存在しないかもしれませんし、どれを選んでも正解がわからない場面はたくさん存在します。

具体的な例を見てみましょう。

ビジネス数学を使う例

仕事の中で、上司から「今の進捗はどれくらい?」と聞かれることはよくあります。このとき「まぁまぁです」「少し遅れています」という答えでは、上司は状況を正確に把握できません。

しかし、「約50本のプログラムのうち、30本くらい完了しました。この1週間で10本ほど作成できていますので、あと2週間ほどで終わります」と答えれば、上司は具体的な状況がイメージでき、今後の見通しを立てられます。

もちろん、厳密な報告が必要な場面はありますが、普段の会話であればそこまで厳密な内容は不要です。むしろ正確さよりもスピードが求められることも多いのではないでしょうか。

このような報告をするときに難しい数学は使っていません。小学校で学んだ比例や、中学校の一次関数くらいの知識があれば充分です。

スピーディに報告するポイントは「ざっくりと」「データに基づいて」考えることです。データを使うと根拠が示され、説得力が増します。このときに「数字」を使うことが重要です。

言葉で説明すると曖昧な内容でも、数字を使うとお互いの認識が一致します。また、複雑な数字よりも伝わりやすい数字を使うことが重要です。

この「ざっくりと」と「データに基づいて」という言葉は、エンジニアにとって身近なキーワードです。

エンジニアがよく使う「ざっくり」とした値

プログラマが処理時間を想定するときには「オーダー」をよく使います。O(n)やO(n2)という言葉だけで、作成したプログラムの実行にかかる時間をイメージできます。

もちろん、同じO(n)でもプログラムによって処理時間は異なりますが、現実的には問題になりません。このようなざっくりとした考え方でも、そのアルゴリズムが良いのか簡単に判断できます。

他にも、何らかの処理を行うプログラムを作るとき、実行結果がどれくらいの値になるのか事前に概算しておくと、異常値が出力されたときにおかしいと気付きます。

例えば、データベースに対してSQLを実行するとき、取得した結果の件数が数千件あると予測していたのに、結果が数件であればSQLの内容に問題がありそうだと気付きます。このように、ざっくりとした数字を事前に計算しておくことで、処理結果がおかしいことに気付く場合もあります。

プログラムの開発工数を見積もる場合にも、ざっくりとした計算は多いでしょう。ファンクションポイント法やCOCOMO法、CoBRA法などいくつかの見積手法があり、過去のデータを元に見積を作成しますが、開発が終わって振り返ると完璧に一致することはほぼありません。

データの処理はエンジニアの得意分野

私たちエンジニアはデータに囲まれています。データベースに格納された顧客情報などのデータだけでなく、Webサーバーや通信のログ、プログラムの実行中にCPUの負荷やメモリの空き容量などを取得していることもあるでしょう。

こういったデータは、ただ保存しているだけでは意味がありません。集めた結果を人に伝えてはじめて、そのデータが価値を持ちます。つまり、そのデータを使って、どういった行動を起こすのか、取得する時点で考えておく必要があります。

データを使う、つまりデータを分析するためには、統計的な手法は欠かせません。ただし、学校で学んだように手作業で計算する必要はありません。

ExcelやRなどのツールには充実した機能があり、ツールの使い方をマスターすれば複雑な計算式は必要ありません。この面でも、エンジニアはパソコンに使い慣れていますし、プログラミングが役立つ場面もたくさんあります。

また、分析した結果を表現するときにもパソコンを使います。文章だけでなく、グラフや図を使って結果を表現すればスムーズに伝えられます。

ビジネス数学を学ぶには?

ビジネス数学の力を測定する資格試験として、公益財団法人日本数学検定協会が実施している「ビジネス数学検定」があります。オンラインで受験でき、結果がすぐにわかります。

また、わからない言葉などがあれば本やインターネットで調べながら解くことも可能です。もちろん、電卓だけでなくExcelなどのツールを使って解いても構いません。これは、ビジネスの現場を考えると当然で、私たちは普段からパソコンなどを使って仕事をしていますので、実務に即していると思います。

この試験では、大きく「把握力」「分析力」「選択力」「予測力」「表現力」の5つの力に分けて出題されています。それぞれについてのサンプル問題も提供されていますので、一度目を通してみてもよいでしょう。


(出典:ビジネス数学検定)

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