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京都のエコマンション、築40年でも評価が下がらないワケ

京都環境賞を二度も受賞のエコマンション。進化する管理の「今」に潜入!

以前も取材した京都市にある築40年のマンション「西京極大門ハイツ」は、昨年2度目の京都環境賞を受賞したそうだが、前回の取材から数年経ち、今どのような新しい取り組みが行われているのだろうか? 建物が古くなっても、周囲からの評価が下がらない理由を探るべく、管理組合法人理事長の山口さんと、理事の佐藤さんにお話を伺った。

防災パンフレットを独自で作成、災害時の物品を住民同士で調達できる制度も

管理組合を法人化し、自主管理を行っているマンションである西京極大門ハイツでは、エコな取り組みのほかに、現在は防災対策に特に力を入れているそうだ。防災対策の第一歩としてまず取り組んだのは、住民向けの防災パンフレットの作成。京都市が2014年に”京都府地震被害想定調査”を発表したことを受け、そこからわずか半年でパンフレットを作成したというから驚きだ。

「パンフレットには管理組合でどのような防災対策を行っているかということに加え、避難する時のルールなどについても詳細を記載しています。災害時にはマンション住民の安否確認をスムーズ且つ安全に行う必要があるため、管理組合で独自のルールを策定。このパンフレットを全戸に配布することで、住民へルールの周知を図りました。防犯の観点から、どのようなルールにしたかは内緒です(笑)」。

西京極大門ハイツの防災対策は、机上の計画では意味がないという考えの下に作成されている。災害時に空き巣被害などに遭わないよう防犯の観点を取り入れるなど、とても現実的な視点を持ち、準備されている点が秀逸だ。特にユニークなのは、災害時の備蓄について。なんと、災害時に住民それぞれが所有している食料などを有効活用できるよう、管理規約を一部改正したというのだ。

「避難所などに避難する場合は、普段人が生活していない場所に避難するわけですから、食糧を備蓄しておく必要があると思います。しかし、マンションの場合は、被災時も普段生活しているマンションの敷地内にいることになるわけですから、食料も各家庭に多かれ少なかれあるはずです。被災する前日に数か月分のお米を購入した人もいれば、明日お米を買わなくては!と思っていた人もいるでしょう。そこで、必要な物品をマンション内で公募し調達できるようにしました」

同マンションでは居住者1人当たりに飲料水190リットルを用意し、非常時の炊き出しを念頭において炊飯器や鍋・コンロも常備、季節ごとのイベントで使用しながら備品チェックも行っている。今回の規約変更でさらに、「食材」についても調達がしやすくなり、災害時の備えがより整ったといえるだろう。

ほかにも、毎年10月に開催しているオータムフェスタでは模擬消火器を使っての消火訓練なども行っているそうだが、ただ防災訓練をすると言っても、住民は集まらない。そのため、楽しい行事と絡めて、災害時の炊き出し用品の場所や発電機の使い方を住民が把握できるような仕組みにしているそうだ。机上の防災対策にしないという考えが、訓練においても見事に徹底されている。【画像1】2014年に作成した防災パンフレット。イラストや写真などがたくさん用いられ、マンションの防災対策や災害時の行動などについて、視覚的にもわかりやすく記載されている。(写真撮影/河原大輔)

【画像1】2014年に作成した防災パンフレット。イラストや写真などがたくさん用いられ、マンションの防災対策や災害時の行動などについて、視覚的にもわかりやすく記載されている。(写真撮影/河原大輔)

外壁の外断熱改修で光熱費が2割削減

防災対策のほかにも、やはり引き続き進化しているのはエコへの取り組みだ。今までに共用部の電灯スイッチの自動点灯化、LED照明への切り替え、各住戸窓の真空ガラスへの交換、太陽光発電の設置など、さまざまな設備改修を行い、2011年には京都環境賞特別賞を受賞。その後も、2014年に施工した外壁の外断熱工事によって、各家庭で夏・冬は光熱費を20%程削減。市内の一般家庭と比べると電気使用量は約36%も抑えられているというからすごい。

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