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第63回 宮崎刑務所生活(その1)

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第63回 宮崎刑務所生活(その1)

 宮崎刑務所には12月10日の月曜日に入り、翌週の17日早朝に大分刑務所に移監となったので、わずか1週間しかいなかった。
 この間はノートもまだなく(つけていれば、規則などを書いていないから、これは持ち出すことができたと思う)、気も高ぶっていたせいもあり、何日目に何があったのかについてあまり詳しくは覚えていない。覚えている限りを書こう。順不同である。

 ちなみに、宮崎刑務所は、犯罪傾向が進んでいる者を収容する、いわゆるB級刑務所であり、かつ概ね刑期8年未満の者が収容される施設である(犯罪傾向が進んでおり、かつ刑期が長い者はBⅬ級の刑務所となる)。
 だから、私は、B級刑務所ではなく、そこに一時的に収容されても、犯罪傾向が進んでいない者を収容するA級刑務所に行く、その結果、宮崎刑務所から、どこかにすぐに移監されると予想していた。しかも、九州にあるA級刑務所は、大分刑務所しかないから、おそらくそこだろうとは思っていた。

 教育担当というか矯正(処遇)担当というかそのような職務の刑務官か技官がいて、身上調査から始まって事件内容の聞き取りが行われた。分類調査といわれるものである。
 受刑者をどこの刑務所でどのような作業に従事させて服役させるのがその者の矯正にとってよいのかを判断するための資料作成のための面接である。

 一般的身上調査の際に、高校名も言うのだが、私が「早稲田大学高等学院」と答えると、正式名称は「早稲田大学附属高等学院」のはずだとしつこく言われた。確か「附属」はついていなかったはずで、押しきった。どうでもいいことであると思うが、なぜかしつこく聞かれた。詐称しているとでも思われたのだろうか。

 さらにしつこく聞かれたのは、もちろんそれが本筋だからということもあり、暴力団との関係についてである。あるがままに話をした。もちろん彼らと打合せ後に幾度か(記憶だと3回か4回である)飲食を共にしたことも素直に述べた。
 刑務官から「初めて行ったのはどういう所ですか」と聞かれ、正直に「東京新宿の焼肉屋です」と答えた。これを聞いた刑務官が「○○苑(某有名焼肉店の名称)といった高級店ですか?」と聞いてきた。
 驚いた。当たりだからではない。刑務官の言うその焼肉屋は確かに有名で、まずまずの高級店と言われているが、ヤクザが弁護士を接待したから超高級店だろうという思い込みのある質問に驚いたのと、その焼肉屋は東京では決して超高級というわけではなく、さすが宮崎ではそこが超高級焼肉店なんだと驚いたのである。

 しかし、私が連れていかれたのは○○苑でもないし、はたまた超高級店でもない(新宿には○○苑の何倍もの値段をとる店はいくらでもある)。私が連れていかれたのは、決してきれいではない、どこにでもあるような焼肉屋である。私自身が、こんな所なのと驚いたくらいである。
 しかも、個室とかではなく、入れ込みの座敷での食事であったから、そのように説明をした。今一つ納得はしていなかったようだ。

 余談になるが、この焼肉屋で一人のヤクザ屋さんは、焼き肉を乗せた丼飯を片手に食べ、もう一方の片手の箸を置くやその手ですぐに焼酎をあおり、また丼飯を食するという飲み食いをしていた。よくそんな飲み食いの仕方ができるなと思って聞いてみると、「私らはいつ入って食べられなくなるか分からないから、食べられるときに食べておくんです」との返事だった。
 まさか自分がそうなるなどとは思いもせず、そんなものなんだと思った。その人は今服役中であるとの噂を聞いた。

 分類調査で聞かれた暴力団との関係については、暴力団との付き合いは事件の打合せ後に限り、時間も時間だから食事をと誘われて同行しただけであり、私的に食事をしたことも、高額の飲食代金を負担してもらったことも一切ないと説明をして終わった。
 かなりの長時間の説明となった。(つづく)

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第63回 宮崎刑務所生活(その1)

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