イム・ジヨン~「夢のコンクール」から一年、大きく飛翔する21歳の俊英

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イム・ジヨン~「夢のコンクール」から一年、大きく飛翔する21歳の俊英

 昨年のエリザベート王妃国際コンクールは、留学経験のない20歳のイム・ジヨンが優勝して話題を呼んだ。7歳でヴァイオリンを初めて高校1年で韓国国立総合芸術大学に飛び級進学してナムコン・キムに師事した。ジュリアード音楽院におけるガラミアンの弟子で韓国を代表する名ヴァイオリニストだ。

 ジヨン(以下J)―キム先生を通して海外の一流の音楽家が韓国でマスターコースを行っていますし、私も度々海外へ出かけて講習会を受けました。留学をしなくても国際的水準の音楽に触れることはできます。コンクールもたくさん受けました。先生は結果ではなく、目標を定めて練習することにその意義があるというお考えでしたので、私も自分の音楽の表現に集中してきた。演奏前は凄く緊張しますが、最初の音を出した瞬間にスイッチが切り替わって音楽に没頭できる。それは演奏会でも同じです。共演者と一緒にこの世で最高の音楽を作りたい。そのために一生懸命練習するのです。

―ジヨンにとってエリザベート・コンクールは小さい頃からの夢だったという。
J-先生の勧めで参加することにしたのですが、2年前の9月に過度な練習から筋肉疲労を起こしてしまい、お医者様から3か月間の楽器を禁じられてしまいました。辛かったですが、かえってそれでコンクールで無心になることができた。

―そしてジヨンは夢のコンクールの本選でブラームスの協奏曲を弾いて優勝する。
J-私の中のものを100%以上出し切ることができた。弾き終わった瞬間に涙がどっと出てきた。「なんだかいい演奏ができたみたい」と思いました。

―コンクール後日本財団からストラディヴァリウスを貸与された。
J-相性の難しい楽器と聞かされていたのですが、不思議と楽器が語り掛けてくる。もっといい演奏をして、もっと美しい音を出してと言っているようで。同じ大学の大学院に進学しますが、これからは様々な土地の雰囲気や文化に触れることも大事だと思っていますし、音楽家仲間もたくさん作りたい。今度のリサイタルと山形交響楽団との協奏曲をとても楽しみにしています。文:那須田務

◎公演概要【飯森範親指揮『山形交響楽団特別演奏会』 さくらんぼコンサート2016 東京公演】
日時:6月23日(木) 19:00
会場:東京オペラシティコンサートホール
曲目:西村 朗:ベートーヴェンの8つの交響曲による小交響曲
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64 (ヴァイオリン:イム・ジヨン)
ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 「運命」 Op.67
チケット:S席2,850円 / A席2,350円 B席1,300円
more info:http://goo.gl/oUnS5k

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