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娘の結婚式出席のために、勾留を一時停止

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 関税法違反などの罪で起訴され大阪拘置所に勾留されている暴力団幹部が、娘の結婚式に出席したいとして勾留を一時停止するよう申し立て、先月、大阪地方裁判所が認めていたそうです。結婚式への出席を理由に勾留の停止が認められるのは、極めて異例と言われています。
 今回はこの「勾留停止」について見てみたいと思います。

 勾留とは、被疑者や被告人を刑事施設や代用刑事施設に拘禁する裁判及びその執行のことをいいます。
 被疑者の勾留は、逮捕に引き続き行われるもので、罪を犯したことが疑われ、かつ、証拠を隠滅したり逃亡したりするおそれがあるなどの理由から捜査を進める上で身柄の拘束が必要な場合に、検察官の請求に基づいて裁判官がその旨の令状(勾留状)を発付して行われます。
 勾留期間は、原則として10日間ですが、やむを得ない場合には延長が認められる場合があります。

 被告人の勾留は、起訴された被告人について裁判を進めるために身柄の拘束が必要な場合に行われます。罪を犯したことが疑われ、かつ、証拠を隠滅したり逃亡したりするおそれがあるなどの理由が必要な点は、被疑者の勾留の場合と同じです。
 勾留期間は2ヵ月で、証拠を隠滅するおそれがあるなどの必要性がある場合に限って、1ヶ月ずつ更新される場合があります。

 刑事訴訟法は、裁判所(又は裁判官)は、適当と認めるときは、勾留されている被告人又は被疑者を、親族や保護団体、その他の者に委託し、又は住居を制限して、勾留の執行停止をすることができると、勾留の執行停止について定めています(法95条)。
 この勾留の執行停止が用いられるのは、被告人(被疑者)が病気になった場合の入院などのケースが多いです。さらに、被告人(被疑者)の出産や近親者の危篤、葬儀の出席という理由で認められる場合もあります。

 結婚式については、親族(実の弟)の結婚式への出席を理由とする勾留の執行停止について、被告人の勾留の理由と必要性、逮捕前の生活状況、家族関係等を考慮した上で、認めなかったケースがあります(大阪高判昭和60年11月22日)。
 一般的に結婚式への出席については、勾留の執行停止が認められることは難しいと言われています。

 今回は、勾留の理由や必要性、逮捕前の生活状況も違ったということもあるでしょうが、実の娘ということを重視されて認められたのでしょうか。
 暴力団幹部は結婚式当日に5時間半に限って勾留が停止され、弁護士や警察官に付き添われて結婚式に出席し、その後すぐに再び勾留されたということです。

 裁判所の粋なはからいに、暴力団幹部も感激したかもしれません。

元記事

娘の結婚式出席のために、勾留を一時停止

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