体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

THE BACK HORN 「また生きて会おうぜ!」 全国ツアー【運命開歌】ファイナル公演で、待望のホールツアー開催発表

THE BACK HORN 「また生きて会おうぜ!」 全国ツアー【運命開歌】ファイナル公演で、待望のホールツアー開催発表

 THE BACK HORNが、2015年11月25日にリリースした『運命開花』を引っ提げて、今年2月21日からスタートしたライブツアー【「KYO-MEIワンマンツアー」~運命開歌~】のファイナル公演を、6月12日に新木場Studio Coastにて開催した。

その他 ライブ写真一覧

 全国35公演を行ったこのライブツアー中、合間には【ARABAKI ROCK FEST.】などのフェスにも参戦し、各地で熱狂のライブを繰り広げたTHE BACK HORN。「みんなと一緒に歌い、幸せな時間を作っていきたい」という想いを込めたツアータイトル“運命開歌”通り、この日駆け付けた約2,700人が彼らの音楽に共鳴し、思うままに歌い、舞い上がっていく。そして、アルバム『運命開花』発表時から「悪人」の無音MV公開や、収録楽曲のコメンタリー特番配信、SNS上でのライブ映像一部公開など、THE BACK HORNメンバーが楽しみながら発信するものは、ファンにとって寄り添える環境となり、それが積み重なったツアーファイナルでは未だ観ぬ“その先”を感じられる会場の一体感を観ることができた。

 アルバム『運命開花』の1、2曲目「暗闇でダンスを」「ダストデビル」からライブはスタート。ツアー35公演目で山田将司(vo)の喉には相当な負担が掛かっていたはずだが、続く「戦う君よ」で、そんな不安を吹き飛ばすほど、彼は颯爽と歌いあげる。松田晋二(dr)が「全国でたくさん熱い夜を過ごしてきましたけど、今日、新木場Studio Coastでツアーファイナルをさらにさらに熱く、そして音楽で幸せな時間を作りたいなと思います」と語ったMCの後、「その先へ」では“始まりはいつだって ここからさ”と、たとえ幾多の困難が立ちはだかろうとも、前を意識して走り続ける覚悟を観客と確かめ合った。そして、岡峰光舟(b)の研ぎ澄まされたベーステクからの「胡散」で感情的に突き抜けようとするも、生々しい世界で生きていくことへの不安や空しさを「赤眼の路上」により掻き立てられてる。分かっていても、解りたくない現実や、判らない善悪。それを気にしすぎて他人を非難しあう世に、幸せが訪れるのか。いや、あれもこれも受け入れてみてさ、一人になるなよと「コワレモノ」が心に鳴り響いた。菅波栄純(g)が演奏冒頭でキレよく踊り始め、会場に笑みを注ぎ込む。曲中のメンバー紹介で山田に“クレイジー・ギタリスト”と称された菅波は、この会場で“コワレモノ”代表となり、誰よりも愉快にコール&レスポンスを交わした。また、今ツアー中に様相を変える楽曲は、至る場所で多くの人に触れ、温かさを持ち大きく成長していた。その温かな変化は伝染力が強いのか、会場に飛び交う空気もまた大変穏やかなものに移ろいでいった。

 さらに山田がギターを抱え、披露された「シュプレヒコールの片隅で」では、誰一人も見捨てたりしないで寄り添ってくれる歌声に甘えてしまう。そして、一つになった会場に響くラスト部分のメンバーによる合唱は、まさにシュプレヒコールのようで、胸に熱く訴えかけられた。“どうして悲しみが生まれゆく”というフレーズが残響する中、「悪人」により人の心に潜む“悪”との葛藤がステージ上で繰り広げられる。それは感情とステージがリンクした瞬間だった。そして、彼らが共に闘っていてくれているという象徴的な光景だった。ライブ中盤のMCでは松田が「THE BACK HORNはいろいろな時代を皆さんと一緒に歩んできて、その度に曲を作って、その曲に自分たちの気持ちを表現していって、歌に導かれるように進んできたバンドです。……自分たちは“生きていくこと”を歌い続けて、どんなに痛く悲しい事が起きても、“一筋の光”をその中からどうにかどうにか、どん底からでも探していこうというパワーを歌に込めてやってきました。」と語る。その内容が簡単に腑に落ちた会場のムードはとてもやさしかった。そこで披露された「君を守る」は、率直で単純な脆い言葉だが、彼らの思いが乗ることで凄まじい説得力を帯びていた。さらに、「冬のミルク」「美しい名前」を畳み掛けられた観衆は、この場の安心感に心地よさを覚えていき、ステージにうっとり釘付けになっていく。これが音楽の生み出した幸せな空間なのだと高揚しつつ、胸を撫で下ろした。

 一方、山田のMCでは、ツアータイトル【運命開歌】にかけて、“うんめぇイカイカ”という商品を考案していたことを明かし、会場がどよめく場面も。しかし、その後「自分たちの音楽ってのは、暗闇の中に射す“一筋の光”であり続けたいって思ってたけど、それを打ち出していくのは、おこがましいことなんじゃないかと思ったりもしたけど……(THE BACK HORNの今まで)やってきたことが間違いじゃなかったと感じられた、そんなツアーでした。」と話し、“もう戻らないよ 投げ出さないよ 何があっても”と山田が作詞作曲をした「tonight」を披露。内側をなぞられ熱くなる楽曲が続いていたが、ここでTHE BACK HORNの代名詞ともいえる開放的なアップナンバーに新たに加わった「魂のアリバイ」そして「シンフォニア」と、会場のボルテージは絶頂に向かっていく。さらに、限界を超えて魅せろと「刃」で雄たけびを響かせながら本編はクライマックスに。「今日のこと忘れんじゃねえぞ! 俺らも忘れねえぞ! ……もっともっといい音楽作って、いいライブして、みんなと一緒に、この時代を一緒に生きている実感を感じてえなと思ってます。また生きて会おうぜ!」と会場を煽り、アルバム『運命開花』のラストナンバー「カナリア」で本編を締めくくった。

1 2次のページ
Billboard JAPANの記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。