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シェアビジネス新業態が続々登場 相乗りタクシーや乗合バス

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 スマートフォンを利用したシェアビジネスが急成長中だ。数年前からこの分野に着目してきた経営コンサルタントの大前研一氏が、海外で続々と登場しているスマホを活用したシェアビジネスの新業態について解説する。

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 トヨタ自動車が、スマートフォンのアプリを使ったタクシー・ハイヤー配車サービス「ウーバー・テクノロジーズ」との資本業務提携を発表した。トヨタは、ウーバーに登録し自家用車で有料で客を運ぶ「ライドシェア(相乗り)」の運転手に対して自動車をリースし、車載アプリの開発でも協業するという。

 前号では「自在客」「住百家」「途家」といった個人の空き部屋を観光客などに有料で貸し出す中国系民泊仲介サイト、いわば“中国版エアビーアンドビー”が日本でのサービスを拡大していることについて解説したが、私は数年前から「アイドルエコノミー」と「シェアビジネス」に着目してきた。

 アイドル(idle)は「空いている」「働いていない」「使われていない」という意味で、ウーバーやエアビーアンドビーのように空いているリソース(資産)、キャパシティ(容量)、時間、能力などをシェア(共有)して活用するビジネスが世界中で急成長しているのだ。だからトヨタと世界トップを競うVWやGMも、かなり積極的にウーバーと同じようなベンチャー企業に投資している。トヨタの投資は、むしろ小規模で遅すぎた感さえある。

 実際、海外ではシェアビジネスの新業態が続々と登場している。たとえば、ウーバーはサンフランシスコ、ロサンゼルス、ニューヨーク、ボストンなどで「ウーバー・プール(UberPOOL)」という“相乗りタクシー”の運用を始めている。同じ方向への通勤や市内~空港間などで1台のタクシーに相乗りするというサービスで、他の乗客とシェアすることによって料金が安く(割り勘に)なる。

 アプリのメニューでプールを選ぶと、同じようなルートを利用する他の乗客とマッチングしてくれる(タイミングによってはマッチングできない場合もある)。

 また、『日経MJ』(4月29日付)によると、サンフランシスコでは朝夕の通勤時に多数の乗客を相乗りで運ぶ“乗合バン”の「チャリオット(Chariot)」も急成長している。クラウドファンディングを活用して住民からルートを募集し、同一ルートに120~200人が投票したら運行が始まる仕組みで、利用する時は事前にアプリで席を予約できるという。いわばフィリピンの小型乗合バス「ジープニー」の進化版である。

 日本の場合、乗合タクシーが走っているのは、成田、羽田、中部空港と長野県、新潟県、群馬県、埼玉県との間や地方空港と最寄りの主要都市との間(もしくは交通の便が非常に悪い地域など)くらいで、通勤に特化したものは聞いたことがない。

 だが、首都圏でウーバー・プールやチャリオットのようなサービスを展開すれば、ラッシュアワーの満員電車から逃れたい人たちの利用が大いに見込めると思う。地方都市なら、マイカーで通勤する人が減って朝夕の渋滞が緩和されるだろう。

 さらに、お盆や年末年始に帰省する時も、同じ郷里に向かう人たちをマッチングして相乗りタクシーを運行すれば、料金は高速道路も含めて割り勘になり、ドア・ツー・ドアで移動することができて便利だから、相当なニーズがあると思う。このライドシェアというやり方は、ネット時代ほど“集客”が楽になり、料金も下げられるメリットがある。

※週刊ポスト2016年6月24日号

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