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キリもなければ、置き場もない放射性物質 除染の救世主は「鉛」

地表を削っての除染実験

 目に見えない放射線を、見えるようにする――2011年10月20日のニコニコ生放送の報道番組「緊急報告 これが福島の放射能汚染の実態だ!福島放射線マップ大公開」では、福島県内の放射線量を細かく計測し地図化している、報道番組制作プロダクションCWVの宮井優氏と高エネルギー加速器研究機構(高エネ研)の岩瀬広氏が登場。調査の報告と除染問題についての議論を行った。

 最初の調査は8月の前半。大まかな線量分布こそ発表されていたが、当時は細かなデータが出ていなかったため、一度調べてみようということで始まった。調査方法はフランス製の高性能機器を車に載せ、福島県内の市街地を走りながら線量を計るというもので、地上に降りて計測する際には専門家の岩瀬氏がほとんどを行った。

 調査結果は基本的には政府の発表を裏付けるような内容だったが、目に見えない放射線、大まかな発表からは見えない細かい区域の線量を「可視化」したことには大きな意義がある。岩瀬氏は今後の課題として、データ収集を行っている他団体とも協力し、情報を集約していきたいと語った。

■鉛で遮蔽すれば、線量が大きく減る

高エネ研の岩瀬氏(左)とCWVの宮井氏(右)

 計測中はその数値をどうやって下げていくか、「除染」の問題も常に意識の中にあった。宮井氏は車での計測と、車から降りて土や池などを計測した経験から、

「除染は実際にやっているものもいくつか取材したんですけど、範囲がどうしても限られてしまう。1日2日やっただけでは、スポットで下げることはできても、空間に影響を及ぼすほど除染できない」

と語る。番組内では、土を削ったり、アスファルトを磨いたりすることで、どれほどの効果があるのか、「除染実験」のVTRも流されたが、確かに効果はあるものの、時間も労力もかかることから、その大変さが垣間見られた。

 さらに、宮井氏によれば、計測月によって線量が変化している地点もあるという。

「地形的に物が集まって来る場所には(放射性物質が)溜まる。除染は確かにしないといけないけど、取ってもまた溜まったら(線量が)増えてという作業が繰り返される」

 加えて、除染できたとしても、廃棄物をどこに集めるか、どう管理するかという問題が残っている。ここで岩瀬氏は、高エネ研での実験結果から、厚さ2cmの鉛、あるいは4cmの鉄で遮蔽すれば、放射線量が1/10になるというデータを示し、

「遮蔽すると線量は下がるので、置き場所が近くにあったからといって、隣の建物が(廃棄物の)置き場所だからといって、遮蔽があれば線量はないんですよ」

と主張する。報道によれば、環境省は除染で出た廃棄物を各地域の仮置き場で3年程度保管し、その間に中間貯蔵施設を建設する方針というから、もしかしたら、このデータが役に立つかもしれない。

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