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「もしかして」が一生ぬぐえない福島の親たちに 「騒ぎすぎ」と非難の声

「子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク」の山田真氏

 事実上、原子炉の冷温停止状態を達成したと伝えられる福島第1原発。事故は少しずつ収束へ向かっているようにも見えるが、放射能の問題はまだまだ解決の見通しが立っていない。若ければ若いほど健康被害が大きいと言われるだけに、未来を担う子どもたちの両親も苦悩している。2011年10月17日のニコニコ生放送では、「放射能と子ども」と題して朝日新聞出版の週刊誌『AERA(アエラ)』とコラボした番組を放送。出演した2児の母・西片嘉奈子氏は、「『もしかして』というのが一生ぬぐえない」と不安の大きさを語った。

 西片氏は7月に福島市から山形県米沢市に自主避難している。登下校ではマスク、暑くても長そで、外では遊ばない。母子家庭で生活レベルも下がるが、異常事態の中でストレスを溜め込んでいる子どもを見て、避難を決意した。11歳の長男は「友達と離れたくない」と泣いて反抗したそうだが、今では「福島に帰れるか」と質問すると、「もう帰れないと思う」と答えるそうだ。福島に帰ると病気になって、家族を心配させるし、お金もかかる。もしかしたら、死ぬかもしれないというのが理由だ。

 親に限らず、放射能に関する情報はさまざまな方面から入ってくるし、一度県外に出て以前のような自由に触れてしまうと、不安と制限の多い福島に帰るのもつらくなってしまう。こうしたジレンマは西片家の例だけでなく、県外に出る機会の増えた夏休み後からよく聞かれるようになっているという。

■福島の内部からも「騒ぎすぎ」の声

 もう一人のゲストで小児科医の山田真氏は、福島県などで健康相談会を開いているが、

「福島で体調を崩している子どもが多くて、親御さんもすごく不安で、お医者さんのところに、これは放射能の影響じゃないのかと心配で行くけれど、お医者さんからはそんなの大丈夫だと笑い飛ばされたり、あるいは考えすぎだよと言われたりして、あまり取り合ってもらえない」

という事情から、「不安を解消するために相談会を開いてほしい」と要請された経緯を語る。恐らくは震災以降のストレスの中で、抵抗力が落ちていることが原因だと考えられるが、どんなに高い意識を持って情報を収集し、勉強していても、

「この先、たとえば、ほんの些細な症状があったとしても、それはもしかしたら影響しているんじゃないかって思わざるを得ない。一生ついて回るんじゃないかって」(西片氏)

と、どうしても親は心配になる。

 こうした姿に対して、非当事者側から「騒ぎすぎ」という意見は前々からあったのだが、山田氏によれば、福島県民の中からも非難の声が出ているようだ。

「福島で『不安だ』とか、『放射能が怖い』という風に言うと、周りの人から『何言っているんだ』と非難される。健康相談に来るのも不安に思っているということだから、人に分からないようにしたいという感じ」

「福島を出る余裕がある人は出てしまって、心配なんだけど残っている人は少数派になるものですから、いよいよ『安心だ、大丈夫だ』と言う人に囲まれて、物が言いにくくなっている」

 子どものことになると親は神経質になりがちだが、その姿は福島に残る人たちにとって、和を乱したり、風評被害に加担したりといったふうにも映るということだろうか。あえて、普段通りを心がける親もいるだろう。いずれの立場も理解できるだけに問題は複雑だ。

 山田氏は番組の最後に、

「何十年も心配しながら生きなきゃならないという状態で、それを抑えてしまおうという雰囲気、それに乗っかって『福島騒ぎすぎじゃないか』って反応する人たち。これはすごく危険なことだと思います」

と締めた。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]山田真氏の「福島で『不安だ』と言うと非難される」から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv67058451?po=news&ref=news#09:46

(野吟りん)

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