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読んだ回数100回以上! 気鋭のベンチャー企業経営者が語る、ジャンプ名作マンガの魅力

読んだ回数100回以上! 気鋭のベンチャー企業経営者が語る、ジャンプ名作マンガの魅力

『ドラゴンボール』、『幽遊白書』、『スラムダンク』など、90年代『週刊少年ジャンプ』の黄金期を支えた数々の名作マンガ。

これらの作品を読みながら育った少年たちはもう30代。ミドリムシをつかったユニークなビジネスで注目を集める株式会社ユーグレナの代表取締役社長、出雲充さんも現在36歳だ。

『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。――東大発バイオベンチャー「ユーグレナ」のとてつもない挑戦』(ダイヤモンド社刊)を読むと、小学生時代に読んだ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』や『ドラゴンボール』に影響を受けたことを公言している。

では、出雲さんは、マンガからどのようなメッセージを受け取り、自身のビジネスに生かしてきたのだろうか? 話を聞いていくと、出雲さんとマンガのつながりが想像以上に深いことが分かった。

――今、お手元に、出雲さんお気に入りの本をたくさんお持ちいただいていますが、やはり『こちら葛飾区亀有公園前派出所』と『ドラゴンボール』が入っているのですね。

読んだ回数100回以上! 気鋭のベンチャー企業経営者が語る、ジャンプ名作マンガの魅力

――『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。――東大発バイオベンチャー「ユーグレナ」のとてつもない挑戦』にも、出雲さんの『ドラゴンボール』をめぐるエピソードが紹介されています。まずは、そのあたりからお話いただけますか。

出雲:大学1年生のときに学外活動の一環でバングラデシュへ行き、そこで貧困の実態を知り、「世界から栄養失調をなくしたい」と思うようになりました。
そしてこの目標を達成するため、いつしか「地球のどこかに、ドラゴンボールに出てくる仙豆のような食べ物があったらいいのに」と思うようになり、途中で理転し農学部でいろいろと学びはじめたんです。

仙豆とは、1粒食べればそれで10日間は何も食べずに飢えをしのげ、どんなに身体が傷ついていても、一瞬で完璧に回復するという魔法の食べ物。

当時の私は、「なんでわざわざ農学部に理転してきたの?」と聞かれると、「バングラデシュで仙豆を栽培するためです」と答え、誰彼かまわず、「仙豆みたいな食べ物はないですか?」と聞いて回っていたんです。

――出雲さんのそんな行動が、ミドリムシとの出会いを引き寄せるんですよね。

出雲:はい。大学時代、ビジネスプランコンテストを開催するサークルで出会った1学年下の後輩で、後にユーグレナ社の研究開発部門のリーダーになってくれた鈴木健吾が、あるとき「やっぱり仙豆みたいな食べ物なんて見つからないのかもしれない……」と諦めかけた私に対して、こんなことを言ったんです。

「ミドリムシなら仙豆に近いんじゃないですか。植物と動物の間の生き物ですから」と。

このことが、すべての始まりでした。ですので、『ドラゴンボール』には感謝していますし、何度読んでもワクワクします。

――仙豆のケース以外でいうと、どんなシーンを、どんなふうに読んでいるのですか。

出雲:天津飯が魔封波という技をつかって、ピッコロ大魔王を炊飯器のなかに閉じこめようとするシーンがあります。

魔封波をつかった人間は死んでしまう。つまり、これは1回しかつかえない大技で、外すことは許されません。そのため天津飯はこの技を会得しようと「本番」に備えて何度も練習を重ねます。

結果、どうなったか。練習のしすぎで炊飯器にヒビが入ってしまい、そのことに気づかないまま技をつかってしまった天津飯はピッコロ大魔王を閉じこめることに失敗してしまうんですね。

このシーンは、私にしてみると「練習をしすぎると、本番で力を発揮できないことがある」というメッセージに映る。つまり、ある種の普遍的なメッセージとして受け取ることができるわけです。

――普遍的なメッセージ、ですか。

出雲:様々な経験を積んだ上で、あらためて『ドラゴンボール』を読んでみると、「自分のあのときの経験は、このシーンと同じパターンだな」と当てはめられるようになるのです。

私は3歳から高校3年生までピアノを習っていたのですが、大人になってから魔封波のシーンを読みかえしていたら、その当時のことをふと思い出したことがありました。
天津飯のように失敗したわけではないものの、「練習をしすぎたために本調子ではない状態でコンクールに出たことはあったな」と。

何度も読み返すうち、自分の経験を意味づけし、普遍的な気づきを得ることができる。それだけ作品としての深みを持っていることが『ドラゴンボール』の魅力でしょう。その意味では、ここには持ってきませんでしたが、『スラムダンク』も同様ですね。いずれも100回以上は読んでいると思います。

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