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【ITプチ長者への道】LINEスタンプ職人は72歳! 前編 「エクセルイラストレーター誕生」

2016年の始めにツイッターで大拡散したLINEスタンプ『団塊の世代』 (c)田澤エンタープライズ

スマホアプリやLINEスタンプ、イラスト、写真……etc。今の時代、個人が制作したものを、ネットを利用して販売するチャネルが増えている。でも、そのなかから頭角を現すのは、ほんのひと握りだけ。彼らはどこが違ったのか? その実態を紹介する本連載「ITプチ長者への道」第1回は、自作のLINEスタンプがツイッターで拡散されてブレイクした、田澤誠司さんだ
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なにが売れるかなんてわからない。だからこそつくってみることが大事なんだ

“素朴”のひと言では説明しきれないユニークすぎる画風。そこに添えられた「まずいよ脱脂粉乳」、「月賦でテレビ買ったよ」といった謎のメッセージ。2016年初頭にツイッター上で”発掘”され、瞬く間にブレイクした『団塊の世代』スタンプは、作者が72歳の老紳士であることが発覚して以来、テレビやラジオ、雑誌でも頻繁に取り上げられるニュースな存在となった。ツイッターで拡散された翌日にLINEスタンプランキング(クリエイターズスタンプ)TOP50に入り、1カ月で最大2万セット以上もの販売数を達成したという話題のスタンプを世に出した田澤誠司さんに、成功の秘訣を訊いた。

「オレの人生もそろそろ終わりかなと思ってたときに、こんなことになるなんてさァ。人間、なにが起こるかわかんないもんだねェ」

こちらが田澤誠司さん。御年72歳のLINEスタンプ職人だ

のんびりとした茨城弁がよく似合う、いかにも好々爺といった印象の田澤さんがLINEスタンプの制作&販売を始めたのは、LINEがクリエイターズマーケット(※一般のクリエイターが制作したスタンプを世界中のLINEユーザーに販売できるプラットフォーム)をスタートさせた2014年のこと。長年勤めた大手メーカーを退職し、趣味で描き始めたイラストを見たお孫さんに勧められたのがきっかけという。

「サラリーマン時代は生産設備の管理をやっていたんだけど、現場で安全指導をするときに、言葉だけじゃ興味を持ってもらえないと思ってネ。紙芝居みたいなのをつくってたんですョ。それが絵を描き始めたきっかけ。会社辞めてからは、芸能人とかの似顔絵を描いてたんだけど、どうせ絵を描くなら『LINEスタンプ』ってのにすれば、小遣い稼ぎになるからって孫に言われてねェ」

田澤さんが趣味で描き溜めた似顔絵の数々。すべてエクセルで描かれている

お孫さんの何気ないひと言で一念発起。スマートフォンに乗り換え、LINEの使い方とスタンプの制作&販売手順を自力で学んだ。最初にリリースしたのは、会社員時代の経験を生かした『工事現場の安全促進スタンプです!』と『工事現場で働く「安全一郎君」の安全管理』だった。

田澤さんが最初にリリースした『工事現場の安全促進スタンプです!』 (c)田澤エンタープライズ

「現場の安全指導に使えるスタンプがあったら便利かなって。初めは何度も(LINEの運営から)突っ返されるわけです。『これじゃ文字が多すぎて読めない』って。スタンプだと小っこくなっちゃうから。そういうのもわかんないトコから始めて、何度もやり取りしてようやく出せたけど、まぁ売れなかったネ(笑)」

そこで挫けなかった田澤さん。「自分が必要だと思ったもの」をマイペースでつくり続けた結果、同世代向けのスタンプとしてリリースした『団塊の世代』がツイッター上で紹介され、若い人たちの間で話題に。1カ月で2万セット以上が売れる大ヒット商品となった。

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