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原発事故「最後の仕事として追究して」 山本太郎×田原総一朗 対談全文

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山本太郎氏

 「反原発」を訴え続ける俳優・山本太郎氏は2011年10月20日、ニコニコ生放送に出演し、ジャーナリストの田原総一朗氏と対談。東京電力と福島第1原発事故をめぐる問題について、田原氏に自身の主張や疑問をぶつけた。田原氏は「言っていることは自分とそんなに変わらない」と山本氏の主張に耳を傾けたが、時に山本氏の疑問を「謀略論。ばかばかしい」と一蹴したり、また「デモに行くとやっぱりダメ」と突き放した。さらに「自民も民主も元は同じ」と政府に対して投げやりな物言いをする山本氏に「気楽なことを言うな。ダメだ!」と一喝する場面もあった。

 反原発を訴えたことで周囲に迷惑が及ぶことを考慮し所属事務所を退社した山本氏と、35年前に著書『原子力戦争』を書いたことでテレビ局を離れたという田原氏。対談の終盤には山本氏が、原発事故問題を含みながら、77歳の田原氏に「最後の仕事として、腐った世の中を追究してください」と懇願。田原氏は「まず大晦日の”朝まで生テレビ!”に出てくれ」と応えた。

 以下、両氏の対談を全文書き起こして紹介する。

・[ニコニコ生放送]全文書き起こし部分から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv67148635?po=news&ref=news#00:03

■ワイドショーが「VTRで出てくれ」という時は出ない方がいい

田原総一朗氏(以下、田原): ”こんにちは”か”こんばんは”かよく分からないんだけど、田原総一朗です。よろしくお願いします。

アシスタント: こんにちは、アシスタントの佐々野宏美です。「田原総一朗 談論爆発!」。この番組は、常にジャーナリズムの第一線に立ち続けている田原総一朗がゲストと徹底討論していきます。それでは、本日のゲストの方をご紹介いたします。俳優の山本太郎さんです。よろしくお願いいたします。

山本太郎氏(以下、山本): よろしくお願いします。

田原: よろしくお願いします。

山本: 番組の始まる直前に、田原さんが「これ生だよね」って(笑)。よろしくお願いしますよ、本当に。生ですから。

アシスタント: 4回目なんですけどね。では山本さんのプロフィールをここでご紹介させていただきます。兵庫県宝塚市出身で、現在36歳でいらっしゃいます。芸能界入りのきっかけは、高校在学中に出演したテレビ番組「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」。

山本: そうですね。

アシスタント: この中の一般人がオリジナルのダンスを披露する「ダンス甲子園」というコーナーに出場しました。個性的で強烈なパフォーマンスがウケて全国にその名を轟かせることになりました。そして1992年には、テレビドラマ「しあわせの決断」で俳優デビュー。その後、素朴な青年からチンピラ役までこなす幅広い演技力が認められまして、NHKの連続テレビ小説「ふたりっ子」、映画「バトル・ロワイアル」、大河ドラマ「新選組!」など、数々の作品で俳優として活躍されます。気が付けば、デビュー以来出演してきた作品は50本を越えまして、今では映画・ドラマには欠かせない俳優となりました。

 しかし俳優として順調にキャリアを積み上げていた山本さんに、大きな心の変化が訪れました。きっかけは、今年3月11日に発生した「東日本大震災」。震災発生後、福島第1原発の放射能事故に苦しむ人々の姿を見て思い悩んだと言います。そして4月9日、ご自身のツイッターで「黙ってテロ国家日本の片棒担げぬ」と発言し、翌日には東京・高円寺で行われた反原発デモに参加しました。その後、再びツイッターで原発関連の発言が原因で、7月から予定されていたドラマの仕事を降板することになったと発言。これが芸能界に大きな波紋を広げまして、ワイドショーに大きく取り上げられると、山本さんは事務所に迷惑を掛けるわけにはいかないと、所属事務所を退社。そして現在は、俳優としてフリーランスで活動する一方、反原発を訴えてデモや講演会などに積極的に参加されています。

 本日は、そんな山本太郎さんにいろいろとお話を伺っていきます。番組では皆さまからのメッセージもお待ちしております。テーマは、山本太郎さんに聞きたいことです。番組ページにあります投稿フォームからお送り下さい。それでは参りましょう「田原総一朗 談論爆発!」。

田原: よろしくお願いします。

山本: よろしくお願いします。

田原: ところで、その山本さんの発言がワイドショーや何かに問題になって、ワイドショーから出てくれとは言われないの?

山本: しょっちゅう言われますよ。

田原: 出ないの?

山本: なんか結局、芸能人の離婚とか結婚とか、なんかよく分からない付き合っている付き合っていないとか、そういう目線で切り取られるのが嫌だと。

田原: そんなものは、テレビっていい加減なものだから。

山本: (笑)。大先輩がそんなこと・・・。

田原: 大体、下品なものだからいいじゃない。デモもいいと思うけど、テレビに出て「原発はよくないよ。なぜならばこうだ」と言えばいいじゃない。

山本: そうなんですよ。ちょうど生放送で出られるという機会がタイミング的になかなか無かったんですよ。それでなかなか出られなかったという部分もあるんですけど。

田原: ワイドショーって生じゃないの?

山本: 生でやっているんですけど、例えば、生放送でやっている時間帯と僕が別のことで重なっていたりとかというタイミングですね。だから出来れば、ロケを行かしてくれてスタジオにも出させてもらえるという形だったら僕も勉強になるし、皆さんにも勉強してきたことを見ていただけるという場があればいいなと思っていたんですけど。

田原: ロケをやっぱり一緒に出してくれないと出ない。

山本: というスタンスだったんです。

田原: 贅沢だな。

山本: そうですか(笑)。

田原: だって反原発と、原発がよくないと言いたいんでしょう。それを言えばいいじゃない。

山本: うん。でも大抵ワイドショーから生出演の依頼が来るのは、何か事件があった時なんですよね。事件というかそういう話題が盛り上がった時というか。でも次からそうします。時間の調整を付けるようにして。電話だけでもという話もあるんですけど、電話じゃ何も伝わらないじゃないですか。

田原: そりゃそうだ。

山本: だから実際にスタジオに足を運んで、言えるような環境があるんだったら言いたいですね。

田原: それから、ワイドショーがVTRで出てくれという時は出ない方がいいよ。

山本: VTRですか。

田原: どう編集されるか分からないから。

山本: ああ。

田原: 生でスタジオへ出るというのは、出て言えばいい。

山本: それは「朝生」(朝まで生テレビ!)に誘っていただいているんですか。

田原: ああ。まだ今日プロデューサーには言っていないけど、それは出てほしいし、そう言います。12月31日の夜中、福島で原発を考えてやるんですよ。

山本: いいですね。

田原: ぜひ出てください。

山本: でも、朝生いつも見てたら不完全燃焼なんですよ。多分出てる人も言いたいことを言えなくて不完全燃焼じゃないですか。いろんな思いを持った人たちが集まっているからしょうがないんですけど、この番組に出ることになったら、多分放射線よりも先にガンになるんじゃないかと思いますよね。

田原: えっ。

山本: (笑)。冗談です。悪い冗談です。

田原: 朝生はそれでも3時間あるんですよ。もともとは5時間番組だったの。僕がだんだん歳とってきて5時間もたないから、申し訳ないけど短くなったんだけど。3時間です。ぜひ出て下さい。

山本: はい。

■原発問題を扱えないのは「圧力」ではなく「自己保身」

山本太郎氏

田原: それはともかくとして、あなたが4月の初めに原発はダメだと言った頃には、きっとテレビ局は皆まだ大本営発表していて、原発の批判はしていなかったと思う。今ほとんどテレビも新聞も反原発でしょう。

山本: いや、そんなことないですよ。

田原: 朝日新聞なんて反原発だし、東京新聞も反原発だし、毎日新聞も反原発ですよ。

山本: まあ、一番筋が通ってという意味で、骨のあるのは東京新聞ですけど。でも、そのほかというのはまた行ったり来たりしているんじゃないですか。

田原: うん。そういう新聞は、あなたに出てくれとは言わない?

山本: 一時期はありましたけれど、でも今ちょっと落ち着いた状況じゃないですか。

田原: ああ、落ち着いたか。原発じゃ売れなくなったんだな。

山本: テレビに関していえば、ほとんどダメじゃないですか。東京のキー局なんて「原発反対」というのを明確にしてだったりとか、あと電力に対して不利益になるような発言というのはそこまでされないですよね。田原さんがやられている番組とかだと、そういう意見も聞こえてきますけど。

田原: だって僕がこれ去年つぶやいたんだけど、「サンデープロジェクト」という番組をやった。これスポンサーの1つに東京電力が入っているんですよ。僕が、東京電力がスポンサーに入る時に東電に約束した。「原発やるぞ」と。やる回は東電おりろと。それで何度もやりました。

山本: へぇ。

田原: 別に東京電力がスポンサーだから原発やっちゃいけない、原発批判しちゃいけないというのは全くない。よく間違っているのは、テレビでも新聞でも東京電力はじめ、電力会社が巨大な金を出しているから原発問題を扱えないというのは嘘っぱち。こんなものは東京電力の圧力ではなくて、せいぜいその会社の社長とかプロデューサーとか編成局長の自己保身だけだよ。つまらない話。

山本: なるほど。だから顔色をうかがっているということですね。上から圧力が掛かるというよりも、現場サイドだったりとか、その上の人たちの自己判断で原発のことだったりということが自由に論議されないと。

田原: 例えば、今さらそんなことを聞くことはないんだけど、あなたが出ようとしたドラマで、あなたがツイッターかメールでやったから降ろされたというのは、僕はおそらく企業じゃないと思う。

山本: 企業じゃないですよ。現場ですよ。

田原: 企業はそんなことは言わない。

山本: 現場です。現場です。

田原: だから現場も、もしかするとテレビ局じゃないかもしれない。テレビ局じゃなくて、作っているプロダクションかもしれないね。

山本: なるほど。

田原: だから分からない。大体世の中をオーバーに言って、東京電力とか関西電力がいっぱい関連しているから言えないと、そんなことはないんですよ。そうじゃなくて、せいぜいテレビ局の自己保身。新聞社の自己保身。

山本: なるほど。だから自己保身に走るような利権構造を作ってきた、例えば電力だったりとか国の力だったりというものが原因だと思うんですよ。そうじゃなかったら顔色をうかがうというようなことは無いですよね。

田原: 国というのは当たり前なんだよ。言論の自由というのは国は反対ですからね。電力だって国は言論の自由反対に決まっている。むしろマスメディアでありジャーナリズムは、それと喧嘩するのが商売じゃない。

山本: でも全く今もう放棄していますよね。骨抜きの状態というか。

田原: 今むしろ逆だと思うよ。今テレビで原発は断固作るべきだなんて意見は絶対に出せないと思う。

山本: それはやっぱり民意とは違いますもんね。

田原: だから。

山本: 違うけれども、でもやっていることは水面下でそれを推し進めているのをお手伝いしているというのと同じじゃないですか。

田原: そうかな。

■福島の米や野菜がいけないのではない

山本: そうですよ。だって正しい情報なんかも全く流れていないじゃないですか。だって(1キロ当たり)500ベクレル以下のお米だったら大丈夫だみたいな話もありますけど、この間民放の番組で、実は1000(ベクレル)以上でも大丈夫なんですよね、みたいなコメントがあったというような・・・。

田原: そういうコメントをしているようなのがいたの?

山本: やっぱりお金なんですよね。

田原: そんなことを言っているコメンテーターはバカなコメンテーターだと思いますよ。原発反対なんて言うとテレビに出られなくなるんじゃないかと思って、変なコメンテーターが原発推進なんてことを言っているの。僕は実はここのところ福島へ何度も行って、農家の農民の人たちとシンポジウムをしているの。

山本: ええ。

田原: 面白いですよ。

山本: どんなお話を。

田原: 一番面白いのは、福島の米や野菜は食べられないと。あんなものは食べちゃいけないという声があるんだよね。ところが福島の米がいけないんじゃなくて、福島の野菜がいけないんじゃなくて、つまり放射能にどのくらい汚染されているかが問題じゃない。

山本: だからそれを調べない国が悪いわけですよね。風評被害のもとは国だということですよね。

田原: いや、もっと言えば当然福島の人は調べていますよ。自分たちの生活の問題だから。だから福島の今出ている米からは、セシウムも全然出ていないんですよ。出ていない。

山本: 1ベクレルもですか。

田原: 簡単に調べられます。今例えば福島でもいくつものスーパーとか八百屋では、要するに(放射線の数値を)点検できる機械を置いています。その上に野菜をボーンと置くとポーンと出てくる。ただこれが結構高いのよ。1台300万円くらいするんですよ。

山本: そうですね。要は国が測らないから市民たちで作りましょうということで、寄付で作られたような「市民放射能測定所」というところがあって、そこの人たちが自分たちの身の回りにある、そういう野菜とかを測っているわけですね。

田原: 市民だけじゃなくて、プロフェッショナルで測っているのがいっぱいいます。それから第一、市民運動は関係ないのよ。福島の人たちの農家は、植えなきゃ食べられないじゃない。生活出来ないじゃない。

山本: だから応援して食べない人が悪いとか、そういう小さな対立構図をたくさん作られているけれども・・・。

田原: 問題は簡単。

山本: 問題は簡単ですよ。

田原: 放射能に汚染されているかどうかが問題なのよ。

山本: そうなんです。だから放射能に汚染されているかどうかというのは調べれば分かると。だけどそれもやっぱり風向き一つじゃないですか。

田原: 何? 風向きって。

山本: やっぱり放射能の流れって、風向きじゃないですか。

田原: だから本当は、僕は現に、スーパーやコンビニやあるいはいろんな八百屋さんに全部測定するものを置いて、取れたものをボンっと置いて、放射能が検出されれば買わなきゃいい、売らなきゃいい。これだけだよ。

山本: でも八百屋にしてもどこにしても、そういう設備投資なんてなかなか出来ないんじゃないですか。

田原: だから、それを福島にも言っているんだけど、その金を例えば県が、国がどう出すかなんだよ。

山本: でも何というか国が責任をもって細々とすべてを調べるという気合いがないと、やっぱり買えないですよ、怖くて皆。

田原: そんなことない。それは国が悪いんじゃなくて、僕はむしろ県が悪いんだと思う。国が福島のいろんな町を細やかに出来ませんよ。県や市がやるべき。一番いけないのは県なんだよ。この間も福島で、僕が農民たちと(シンポジウムを)やる時に市長は出る、県は出ない。逃げているんですよ。

■事故によって原発「地域」の概念が変わった

山本太郎氏と会話がかみ合わなくなり、「この人の言っていること分かる?」とアシスタントに尋ねる田原総一朗氏

田原:  あなたもデモやるのはいいけど、(福島に)行って実態をもっと調べるべきだよ。「福島のものは食べるな」なんて、福島の人はどう生きればいいの? 東京で原発反対というバカたちが、福島のものは何も買うなと。北海道かどこかに疎開しろと言っているバカがいるんだよ。

山本: いやいや。僕は疎開しろと言っていますよ。

田原: なんで。

山本: だって(福島県の)中通りなんて、放射線管理区域以上の(放射線の)数字が出ているんですよ。そんなところで子どもたちを住ませられますか。

田原: だからもっと言えば、そういう(放射線管理区域の放射線数値)以上が出ているところは、ものは食べられないし、売れないし。

山本: 当然ですよ。だってチェルノブイリの一番濃いところの10倍の数値が出ているわけでしょ。福島県の土壌から。

田原: どこですか。

山本: 飯館だったりとか。

田原: 飯館は今住んでいないじゃない。

山本: でも一部の人は住んでいるわけじゃないですか。そこから近い相馬だって、まだ人も住んでいるわけじゃないですか。

田原: 相馬は住んでるよ。

山本: 相馬も人が住んでるじゃないですか。

田原: うん。何でいけないの?

山本: 土壌がそれだけ汚染されているという状況で、住めるなんてあり得ないじゃないですか。だって25年経った今でもチェルノブイリの周辺とかでは、やっぱり除染上手くいっていないんですよね。

田原: というより、チェルノブイリはまだ25年しか経っていないんだよ。はっきり言うと放射能というのは、何にも分かっていないんだよ。今、福島原発の放射能で反対する人も、推進は誰もいない。日本で原発推進なんて1人もいないと思うけどね。

山本: いますよ。

田原: いないよ。それなら名前挙げてみて。誰だよ。

山本: いや、誰だよっていうよりも、今その原発の利権構造にぶら下がっている人たち。

田原: 誰?

山本: それから明日死にたいと思っている人たち。

田原: 例えば名前言ってよ。

山本: 例えば? だって斑目(春樹:原子力安全委員会委員長)さんだってそうじゃないですか。利権構造にぶら下がっている人たち。保安院の人たちだってそうじゃないですか。電力会社の上の人たちだってそうじゃないですか。

田原: 違うと思う。

山本: 何でですか。

田原: 少なくとも東京電力が10年や15年は、そんな新しい原発は作れませんよ。

山本: そうかなぁ。

田原: 絶対作れない。

山本: どっちみち、これだけ大きな事故があったんだから、脱原発に向かうのは当然の流れなんですよ。

田原: というより作れないのはなぜかというと、原発は危険だから作れないんじゃないんだよ。全く違うの。

山本: どういう理由で。

田原: そうじゃなくて、地域という概念が変わったんだよ。東京電力が福島で発電所を作った時は、双葉とかあるいは浪江とかそれからいろいろなその地域。そこが地域だったんだ。はっきり言えば、この地域で原発が安全か危険かなんて論議は1回もやったことない。買収ですよ。

山本: そうですね。

田原: 地域運営の買収をやった。これは関西電力だってどこでもそうなの。ところが今度事故を起こしたら、なんと(原発から周囲)20キロ住めなくなった。だから地域が20キロになったわけだ。もっと言えば30キロかもしれない。なんと20キロの買収なんて出来っこないじゃない。僕は滋賀県だけども、福井の原発でもし事故が起きたら琵琶湖まで入ってくるんだよ。

山本: 当然ですよ。

田原: 例えば玄海の原発で事故が起きたら、30キロといったら福岡まで入ってくる。こんな買収出来っこないから、従って作れないと言っているの。どう?

山本: 何とも言えないですよ。

田原: 何でなんとも言えないのよ?

山本: だってチェルノブイリは・・・。

田原: 買収出来なくてどうやって作るんだよ。

山本: それは全体的な買収なんてする気がないじゃないですか。今見てみて下さいよ。

田原: (買収)しているんだって。

山本: それは立地する市町村だけじゃないですか。

田原: 現に、東電にしても関電(関西電力)にしても、原発を作る時には地域を買収している。だから九州(電力)の玄海で、あんなやらせ発言(玄海原発の再稼働をめぐり、九州電力が子会社などに対して、一般人を装った「やらせメール」を送るよう指示したとされる問題)が出てくるじゃない。

山本: だから買収されているのは、はっきり言って立地される町村だけでしょう。

田原: そうです。

山本: だから全体的には買収出来るわけないんですよ。だから1つの町村が潤うために全体が被害に遭うわけにはいかないんですよ。

田原: あんた全然人の話聞いていない。

山本: 何でですか。

田原: 自分のことを言うのはいいけど、人の意見(を聞いていない)。地域という概念が変わったんだと言っているんだよ。

山本: ええ。それで。

田原: 双葉や浪江やあるいは大熊・・・こんなものは買収出来るけど、20キロ、30キロなんて買収出来っこないじゃない。そんなところどうやって買収するんだよ。金も無いし、出来ないよ。だから従って作れない。

山本: でも、どうなんだろうな。分からないです。だって国は何でも出来るじゃないですか。

田原: 何が分からないの。

山本: 分からないじゃないですか。

田原: どうして。

山本: いまだに原発を推進するっていう・・・。

田原: この人の言ってること分かる?(アシスタントに尋ねる)

山本: 僕、田原さんの言っていることがよく分からないです。

田原: あのね、ちょっと具体的に言うね。

山本: アシスタントに逃げないで下さい(笑)。

田原: 要するに、今まで原発を作るのは、東京電力でも関西電力でも、例外なくその地域を買収したの。

アシスタント: そうですね。

田原: だから僕が今から35年前に、福島原発の取材に行きました。浪江とか双葉とか。小学校も立派だし公園も立派だし公民館も立派だし、つまり地域運営の買収よ。町長や町会議員へ金がドーンと出ている。買収で作ったの。だから日本の一番の原発の問題は、危険か安全かという論議一切無しでやっているわけ。ところが今、事故が起きたら、浪江や双葉だけじゃなくて少なくとも、これ間違いだけど半径20キロは誰も住めない、20キロ先でも飯館村なんて住めない。

アシスタント: はい。

田原: こんな広いところを買収する金は、電力会社にはありません。国も無いです。だから従って出来ないと言っている。この人(山本氏)はそんなことが分からない。

■原発をゼロにして、エネルギーはどうする?

山本太郎氏

山本: それだったらすべての原発が止まる方向じゃないですか。すべてを廃炉にという話になるじゃないですか。そんな安全性をもって話をするんだったら。

田原: じゃあ聞きたい。では、例えば今原発をゼロにして、エネルギーはどうする?

山本: とりあえずの間は、火力でバックアップ取るしかないんじゃないですか。だって原子炉には、必ず火力・水力ってバックアップ付いているじゃないですか。

田原: ちょっと聞きたい。今、例えば民主党が去年の6月に2030年のエネルギー配分を作った。閣議で決めて、国でも決めた。国によると、火力が2030年には・・・(アシスタントに)火力って知ってる?

アシスタント: はい。

田原: 火力とは石油とか石炭とかガスが26%、それから今言われている太陽とか風とか水力が21%。原発が53(%)なんだよ。

山本: えっ、30%でしょう。29.いくつじゃないですか?

田原: 違う、53(%)です。あなた間違っている! ちゃんと勉強しろっ。

山本: いや、勉強してそうでしたよ。

田原: 違うって。

山本: ちょっと原子力よりの意見じゃないですか。

田原: 全く間違い。2030年には原発が53%、(山本氏のは)今の話。

山本: あっ、今の話。2030年?

田原: だから2030年って言ってる。

山本: はい。

田原: ところがこの53(%)がゼロになった時にどうするかというのが問題なのね。今やっと僕も民主党の幹部たちに、ここをなんとかしなければどうしようもないじゃないかと。やっと最近、このエネルギーを考えるというプロジェクトを作ったよ。だけど、これどうするのか。どうする?

山本: どうするというのは?

田原: いや、だから原発53(%)が、ゼロになったらどうするの?

山本: だって、もう火力でつなげることは分かってるんですから。今バックアップで付いているやつを4割を5割、6割に上げていけば、30%の部分は・・・。

田原: これはまた、この人が勝手に言ってるだけ。国は分かっていないの。つまり出来るか出来ないか分からないんだよ。例えば、原発反対の人たちは、太陽や風で出来るよと。だけどプロフェッショナルになればなるほど、21%にするのも難しいとむしろ言っているんだよね。53(%)へ入ればいいと僕は思う。太陽や風で行ければいいんだと。出来ないんだよ。そうするとどうするか。

山本: その21%にするのも難しい。どうして難しいかということは、いろんなことを考えるからですよ。まず今僕たちが置かれている立場を考えるべきじゃないですか。だって地震の活動期なんでしょ、今?

田原: えっ?

山本: 地震の活動期なんでしょ。ということはいつ福島(と同じこと)が次起こるか分からないという状況なわけですよ。

■「盗人が盗人を裁くような委員会」という誤解

田原: だから、そこがまた問題なんだよ。つまり福島の原発が事故を起こしたのは、地震なのか津波なのかということがまだ分かっていないんだよ。

山本: 分からないようにしているだけじゃないですか。

田原: そんなことない。今懸命に・・・。

山本: だってバックアップの・・・。

田原: そういう国が何でも悪いというのはね・・・。

山本: 国が何でも悪いなんて、一言も言ってないですよ。

田原: だってそうじゃなくて、今、調査委員会(東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会)やってるじゃない。畑村(洋太郎)氏が中心になって懸命に。

山本: 誰ですか?

田原: 畑村。

山本: その人はどこからの人ですか?

田原: 東大の教授。

山本: ずっと原発というか、電力会社寄りの人じゃないんですか。

田原: 全然違う。

山本: へえ。そんなことが行われているんですか。大体、今までの流れを見てきたら、盗人が盗人を裁くような、そういう委員会になっていないですか、ずっと。

田原: そういう誤解がいっぱいあるの。要するに第三者委員会で今やっているわけ。本当の原因が一体、地震なのか津波なのか、あるいはそうじゃない、もっと原発に危険なことがあるのか。まだ出てきていない。たぶん来年の春頃には出てくるんじゃないかと思う。だから分からない。二つ目。この放射能を危険だ危険だと言うけれど、本当に危険かどうかは分からない。なぜなら今はガンが出ていないから。本当に分かるのは多分、早くても5年後だよ。

山本: それじゃ遅いですね。

田原: 5年ぐらいから、もし福島でガンが出来るとすれば起きる。チェルノブイリだってまだ分からない。たった25年しか経ってないんだから。

山本: でも、今日本がいるこの位置から将来の日本を見るとするならば、やっぱり25年経ったチェルノブイリと照らし合わせるしかないんじゃないですか。

田原: 何が。

山本: 照らし合わせるしかない。チェルノブイリから。

田原: だから、チェルノブイリは爆発だよ。

山本: もっとたちが悪いじゃないですか、こっちの方が。

田原: なんで?

山本: だって、日常的に漏れ続けてたわけだから。放射能を浴びる量としては、そっちの方が確実に多いじゃないですか。

田原: それは3月11日に事故が起きてからの話だよね。

山本: はい。

田原: 3月11日に事故が起きて、それでつまりメルトダウンが起きているにもかかわらず、メルトダウンということが分からなかったから、これは問題あるね。東電が隠した可能性もあるんだよ。だけど・・・。

山本: 可能性じゃないですよね。

田原: 何?

山本: 隠してたんじゃないですか?

田原: そんなことないよ。

山本: 可能性ということですか。

田原: いや、だって誰も見れなかったんだもの。

山本: 近寄れなかったということですか?

田原: 近寄れなかった。計器が全部壊れてた。真っ暗だった。計器が動かないから、それは分からないんだよ。

■福島第1原発の事故は「人災」

田原総一朗氏(左)と対談する山本太郎氏

田原: 僕はこの人とそんなに違わないの、言っていることは。この人は何か言葉が大きいだけの話なんだ。僕はまず何よりも一番の問題は、東電の最大の問題は、事故があると全く予想をしていなかったこと。事故があるという予想をしていないから、双葉や浪江やそういう町の訓練も全然していない。でしょ?

山本: 予測していないですからね。

田原: なんで、訓練しないか。僕は東電も調べた。あなたが読んだかどうか知らないけど35年前に『原子力戦争』という本を書いているんです。

山本: 知ってますよ。

田原: あるいは32年前に『ドキュメント東京電力』という本を書いている。なんで彼らが訓練しなかったか。訓練するということは危ないんだ。つまり日本では99%が安全だと言っても通用しない。100%安全だと言わないと原子力発電所は作れない。だから「安全だ」と言ったから訓練しない。

 それからもっと言えば、これもあなたは知っていると思うけど、実は僕は今度の原子力の事故のほとんど80%以上は津波(が原因)だと思っている。だからこの津波についても、ご存じのように2009年に実は経産省で「今から1200年前の貞観地震の時には東電の福島(原発)のところに10メートル以上の津波が来ている。何とかしろ」と出た。これをやらなかった。そういうところが問題なんだ。

山本: 人災じゃないですか、じゃあ。

田原: だから人災だよ。

山本: 全然津波に関係ないですよ。出来る想定をしなかったという時点で、もう人災なんですよ。それが津波が来ようが、何が来ようが。

田原: そう短絡したらね、世の中はやって行けない。じゃあ、なんでやらなかったか。これは日本の欠陥だよ。僕はものすごく問題だと言ってるんだけど。それはその時に東電の福島だけがやると、これは全国の原子力発電所全部がやらなくちゃいけない。単純に言うと、津波で緊急冷却装置とかディーゼルとか、自家発電装置とか全部やられちゃったわけだよ。

山本: やられるような状態だったんですよね。だって、もともとの電源の真横にその緊急のもの、バックアップのものが置いてあるわけだから。

田原: だから、なんで上げなかったって話を今してるんだよ。

山本: だから、これは人災なんですよ。津波でも何でもないんですよ。その想定の甘さが生んだ事故なんですよ。

田原: だからそう言ってるじゃない。

山本: はい。だからそうですよ。

田原: だから東電に問題があると言っている。

山本: 東電だけじゃないでしょうけどね。

田原: だけど、だったら単純で、あの時に津波を予想してあと5メートル上げておけば起きなかった。それなら単純に東電の管理ミスという話じゃない。そんな大した問題じゃないじゃない。

山本: 東電だけじゃないでしょう。認可下ろすのには国も関わっているわけでしょう?

田原: 何が?

山本: 国のそういう原子力の安全委員会だったり、いろんなところが関わってるわけでしょう?

田原: いや、国ももちろん責任があるんだよ。だけどその時に、もしあと5メートル上げておけば津波でやられなかったんだよ。いいのそれで?

山本: いいんじゃないですか。

田原: だったら単なる管理ミスじゃない。

山本: 管理ミス? それって基本中の基本じゃないですか。だって普段は5メートルの高さに上げてた物を何かの修理のために下に下ろしてた、それだったら管理ミスですよ。

田原: もっと言うと・・・。

山本: でも、そうじゃなくてもともとの設定として主電源の隣にそれを置いていた。バックアップまでも。津波の・・・。

田原: もっと言うと明治29年に三陸大津波が起きた。吉村昭が小説を書いている。この時には東電の福島(原発のところ)には津波は4メートルしか来なかった。だから明治の津波は計算してるんだよ。今から百数十年前の。ところが1200年前のを計算していなかった。いつか事業仕分けで蓮舫(参院議員)が400年に一度の洪水のをやらなきゃいけないのか、なんて話になって止めたんだけどね。1200年前を想定しなかった。僕はこれを東電の管理ミスだと言っているの。

山本: ちゃんとリスクをすべて洗って、それに対しての対処が出来ていないわけですよね。

田原: だから明治のやつはちゃんとしてるんだよ。

山本: 明治のやつはちゃんとしているか分からないんですけど、今まであったことをちゃんと検証していなかったということですよね。

田原: だからもっと言えば、東電が原子力発電所を作る時に、当然日本の地震学者、津波学者、全部当たっている。これは別に東電から金もらったんじゃなくて、地震学者や津波学者が、東電が原子力発電所を作る時に、つまり10メートル以上の津波を想定しなかった。

山本: 想定してしまったら、すべてのコストが高くなるわけじゃないですか。コストダウンするためにいろんな、そういうことが行われたわけじゃないですか?

■2003/04年、原発に反対する政党はなかった

田原: そういうことを言ってるのは謀略論っていうの。昔、左翼がよく言ったの。ばかばかしい話してるね。そんなことないって。

山本: そんなことないんですか?

田原: ない!

山本: ないんだったらこんな事故起きてないですよね。ちゃんとだって・・・。

田原: 違うって! あなたね、本当に言うのはいいけど人の言うことちゃんと聞かなきゃ。

山本: いや、もうさっきからずっと喋ってばっかりやねもん(笑)。

田原: もう一回言うよ。要するに2009年までは東電の福島に10メートル以上の津波が来るということを誰も想定していなかった。

山本: 2008年に共産党がちゃんと言ってたじゃないですか。10メートルオーバーの波が来ますって。

田原: 共産党なんていろいろ言ってるよ。

山本: いろいろ言ってるっていうけど、でも実際にそう来たわけでしょう。

田原: じゃあ共産党は今ね、大企業から増税しろと言ってる。それはいいの?

山本: (大企業が)どうしたんですか?

田原: 増税。

山本: 大企業を増税しろ。それで海外に逃げてしまう恐れがあるということを言いたいのですか?

田原: いや、言いたくない。

山本: 何が言いたいんですか?

田原: つまり、中小企業は守れ、大企業は増税しろと言ってるの。そうしたら中小企業はいいけど、大きくなったら全部悪人かという話よ。

山本: でも大企業というのは、今の円高の感じを見ていれば皆出て行く傾向にあるんじゃないですか。

田原: 例えばソニーにしても、京セラにしても、かつてベンチャーから上がっていったんだよ。大企業になると共産党は悪人だと言うわけ。出て行く時なんか、全くそんな問題言ってないの。それは共産党の言うことはおかしい。それから第一、共産党はかつて・・・。

山本: 共産党の歴史はいいです。2008年の津波の東電に対してさせたことというのは、正しいことだったじゃないですか。

田原: いや、そうじゃなくて。

山本: その大企業がどうしたという話はまた別のところでして下さい。そうじゃなくて、津波に対する対策をもっと強化するべきじゃないかという風にポイントしたというのは大正解じゃないですか。

田原: 僕は2000年のはじめに、日本の共産党、社会党(社民党)、自民党、あるいは民主党、全政党の論客を呼んでシンポジウムをやった。その時に原発に反対する政党はどこもなかった、ゼロ。今反対してる共産党も賛成なの。

山本: 何にですか? 原子力に?

田原: あなたね。デモ行くとやっぱりダメだわ。

山本: え、どうしてですか。

田原: 人の話を聞こうと思わない。

山本: ごめんなさい、ごめんなさい。

田原: もう一回言うよ!

山本: はい、もう一回言って下さい。

田原: いい? 2003年、04年。分かる? 2003年というのは、2000年から2001年、2002年、2003年だよ。次が2004年というの。2003年と2004年に、日本の当時あった全政党の論客と、僕が司会で原発についてシンポジウムをやった。その時、共産党も社会党も全部原発賛成だよ。

山本: 賛成なんですか?

田原: もちろん。どこも反対はなかった。

山本: でも、僕はそれはしょうがない流れというか。だって国策として、ずっと昔から安全神話を振り撒いてきたんだから、やっぱりそういう部分があってもしょうがないですよ。僕だってこんなことになると思ってなかったもの。田原さん、なると思ってました?

田原: なると思っていた。

山本: そういう本を書かれたんですもんね。

田原: 書いたもの、もちろん。僕は原発の事故が起きると思っていた。だから危ないと言っていた。第一、あの『原子力戦争』という本を書いたから、僕は会社を辞めたんだよ。テレビ局をクビになったんだよ。

山本: おかしいところじゃないですけど(笑)、勇気ありますよね。

田原: どうでもいいけどね。危ないと思っていた。ただ、原発の事故が起きて、こんなに大変になるとは思わなかった。つまりメルトダウンが1号、2号、3号も起きると思わなかった。さらに言えば、こんなに東京電力が情けないと思っていなかった。

■「ここで生きていく」か、「居るしかない」のか

山本太郎氏

山本: いまだに何の賠償も補償もされてないじゃないですか。

田原: するよ、それは。

山本: そりゃ「するよ」じゃなくて、僕が今一番心配してるのは、やっぱりさっき言った中通りの人々だったりとか、見た目には普通の生活を営んでいるけれども高い放射線量の中で生きている人たち、この人たちを疎開させてあげてほしいんです。だって子どもたちって放射線に対する感受性が高いんでしょう?

田原: 高い。

山本: 3倍から10倍。お孫さんいらっしゃいますよね?

田原: います。

山本: あの場所に住まわせられますか?

田原: だからさっき言ったいわきで中学3年生の生徒会の会長だって(車座懇談会を)やったんだ。いわきだよ、まさに。彼らは「ここで生きていく」と言ってるんだよ。

山本: だからもちろん・・・。

田原: 僕は疎開した方がいいんじゃないかと言ったの。(彼らは)生きて行くというの。

山本: 聞いて下さいね。まず「ご自由に」って言われたら、それは、「居るしかない」という選択肢の人が多いですよ。自分で動くのも大変ですもん、お金もかかるし、二重生活ですよ。お母さんと子どもだけ外に出て、お父さんは福島で働いてというような状況で、それは絶対に無理な話で。だったら居ときますという人もたくさんいるわけですよ。そうじゃなくて、やっぱり福島も収まってないというか、東電原発も収まっていない。それでいて高い放射線量の中に住まわされているという状況の中であれば、国が動かすというのは普通じゃないですか。

田原: 今はこれも問題なの。国は一応、年間に1ミリシーベルト以下(の被ばく量)は安全だと言ってるんだよね。この1ミリシーベルト以下が安全なのかどうか、本当は僕は分からないと思っているのよ。1ミリシーベルト以下でもやっぱり5年10年経てば、ガンが起きる可能性がある。

山本: しきい値はないって言いますものね。

田原: ところが、じゃあ一体何から何が安全なのかって、ないんだよ今。何もないんだ。

山本: だから分からないということですよね。要は、今までそれを研究してきた人でさえ分からない。

田原: 世界の原子力の連中が1ミリシーベルト以下が安全だと言うから、日本もそれでやっているだけだ。

山本: だから、今この状況で放射線への影響が分からないというのであれば、一番最悪の状況を想定して動かせよという話ですよ。

田原: だから20キロはもう動いているじゃない。飯舘村も動いているじゃない。

山本: それは分かりましたけれども。同心円上に20キロ30キロってやっていてもしょうがないでしょう。風の動きだったりということだってあるんだから。汚染度の高さは。

田原: あのね、例えばあなたみたいによその者が福島の人に「引っ越せ! 引っ越せ!」なんて無責任だよ。僕は福島の農民たちと、そのためにシンポジウムしてるわけ。僕も引っ越しした方がいいんじゃないかと、疎開した方がいいんじゃないかと言うの。「違う! 俺たちは福島を愛してるんだ」と。それで「福島で農産物を作って生きていくにはどうすればいいか」と。危なければ、危ない物は誰も買ってくれないからもう引っ越すしかない。ところが実際に作ってみて、線量計を見て、危なくないんだと言うのよ。ならいいじゃないかと。

山本: 今は大丈夫なんじゃないですか。でもそのうち根っこから吸い上げるようになりますよね。今は空から降下した物に対しての、洗ったりとかブレンドしたりとかということで、ごまかしていけるかも知れないけど。それが地中に入っていって地下水に混ざったりとかして根っこから吸い上げた時に、その作物はどうなりますか。

田原: そこで問題なのは、つまり今空気中のはどんどん落ちてきて減ってるよね。問題は地表だよね。地表に溜まったのは、それこそセシウムは(半減期が)30年だから、そんなものなくならない。そこで福島で何をやっているかというと、地表から5センチの土を剥がそうとしている。現に剥がしている。剥がした物をどこに置くかが問題に上がっているんだけど、剥がしているよ。現に僕は剥がしている農民と何人も(シンポジウムを)やった。剥がすと地中は大丈夫なんだよ。

山本: でもずっと、その先もあるんですよ。だって全く収まっているわけじゃないんでしょう。ということは、ずっと降り続けるわけですね。削った後から降ってくる。削った後から降ってくる。

田原: もっと言えばね、具体的にホウレンソウというのは一番放射能を吸っている。あれはそうなの。ところが野菜も吸う、全部個別にやってるんだからね、調べて。ジャガイモやサツマイモは全く大丈夫なんだよ。地中だから。

山本: それは今だからじゃないですか。要は地表面に溜まるから。でも、それがやっぱりどんどん沈んでいくんですよね。

田原: だから、地表をどけようという話になっているよ今。

山本: 削っていったとしても、チェルノブイリで25年経って、今30センチぐらいもう掘ってるらしいですよ。でもそれでも追いつかないんですって。

田原: だからそれは地表を剥がさなかったからだよ。

山本: でも30センチ削ったと言っていましたよ。

田原: いつ削ったかが問題で、あんなところはソ連なんて国は危ないも何もないんだから。言論の自由も何も無いんだから。

山本: 言論の自由は無いかも知れないけど、民の命を守ろうとする力というのはすごかったですよ。

田原: 無い!

山本: ありましたよ。だって実際、1100台のバスで迎えに来たんでしょう。

田原: それじゃ聞きたい。なんでチェルノブイリの原子炉は格納容器も圧力容器もないのよ。裸なんじゃないか。

山本: うん?

田原: チェルノブイリの原子炉は格納容器も圧力容器もないんだよ。素っ裸なんだよ。民の命を守るなら何でやらなかった?

山本: そこまで危険だと思わなかったんでしょう。日本と一緒じゃないですか。

田原: 日本はそれでも格納容器も圧力容器もあるじゃない。

山本: でもそこまで厳重にやっていた日本人が、あんな事故を起こした。

田原: いや、だけど、あなたはソ連が民の命を大事だと思っているというから。思っているなら何で少なくともアメリカや日本でやっている格納容器や圧力容器を作らなかったんだと。

山本: その問題については知らないです。どうして格納容器に何も付けなかったかというのは専門家じゃないからそんなことは知らない。けど、事故が起きた後の対処というものに関しては、すぐに人を避難させた。でも日本は「安全だ、安全だ」と言って住まわせた。そして、今も安全だと言って住まわせている。子どもたちが1ミリでも危険か、1ミリ以下でも危険かどうか分からないと田原さんさっき仰いましたね。でもそれを20ミリまで上げて、子どもたちに安全だと言って住まわせているのが、今の現実なんですよ。

田原: だから、僕は20ミリはとんでもないと言っているよ。問題は1ミリなんですね。さらに20ミリというと、なぜ20ミリというのが出てくるかというと、医者あるいは放射能科学なんかをやっている人たちは5年間で100ミリまでいいとなっている。ということは年間20ミリなのよ。医者や放射能の研究の人が寿命が短いかというと、そうでもない。そこでね、僕は信用していないんだけど20ミリという線が出てきた。

山本: でも・・・。

田原: いい? 繰り返し言うけど、医者や放射線、放射能科学の関係の人は日本で20ミリOKになっているんだよ。

山本: でも放射線事業従事者で、年間5ミリを超える人で、0.6マイクロか。年間で5ミリ超える人とかで10人ぐらいは労災が認められたりとかしていますよね、違いますか。

田原: いや、知りません。

■「国とつるんで東電を生かそうなんてことはない」

時に山本太郎氏を一喝する田原総一朗氏

田原: もういっぺん言うとね、僕は東電は潰れると思うよ。

山本: 潰れないと困るんですよ。

田原: いや、潰れるけれども。問題は潰れたら、関東に電力をどうするかというのが問題だろうね。

山本: いや、解体でいいじゃないですか。それで再生でいいじゃないですか。人が替わればいいんですよ。

田原: そんなことはない。

山本: どうして?

田原: 僕は、だから今一番僕も含めて、民主党なんかが困っているのはやっぱり賠償だよ、お金の。この賠償を東電だけじゃ出せない、国が出す。国が出すということは国民の税金だよ。

山本: 当然、はい。

田原: ということは、これはもう事実上国営にするしかない。ところが官僚がやっていいはずがない。官僚なんてろくでもないやつばっかりだから。だけど国民の税金を使うんだから。もう東電の資金では無理だと。そうするとどうするか。ここが今問題なのよ。それである人たちは、原子力は少なくとも危険だから、これは全部国営にしようと。それでだんだん減らしていく案と、いろいろあるんだけどね。

山本: だんだん減らしていくというか、その段階的に減らしていくというのがもうインチキにしか聞こえないんですよ。

田原: 今僕は東電の問題を言っているんで、国と東電がつるんで東電を生かそうなんてことはないんだよ。

山本: えっ、国と東電がつるんで生かそうとしていることはない?

田原: ない!

山本: へえ、びっくり。

田原: もっと言えば、東電はまだ負債がね・・・まだ黒字なんだ東電は実は。

山本: おかしな話ですね。

田原: おかしな話。これがおそらく来年の春には赤字になるに違いない。国のある連中は赤字になるのを待っているんだよ。赤字になったら東電のトップを全部替えようと、放り出そうと。それで国がやって・・・。

山本: どうして今放り出さないんですか。

田原: だって黒字だもの。

山本: でも、これだけの事故を起こしているわけですよ。

田原: だからそんなことはどうでもいいんで。つまり東電をこの・・・。

山本: どうでもいいんですか? だってこれだけの大事故を起こしたら普通の会社だったら総入れ替えじゃないんですか。

田原: 違う。だから東電をこのまま守っていこうなんていうやつは日本に誰もいないんだよ。そうじゃなくて、東電の会長も社長も含めて、自分たちは替わると思っているよ。だってこんな事故を起こした責任は、もう100パーセント東電にあるんだから。

■「民主党も自民党も元は一緒でしょう」「そんな気楽なこと言ってはダメだ!」

山本: とにかく今、先ほどお話しした中通りの人たちだとか、放射線が濃いところに住んでいる人たちの仮払いさえもされていないんですよ。

田原: いや、だから・・・。

山本: これからやる、これからやるって、明日の生活にも困っている人たちがいるのに。

田原: そんなことは、だから自民党が悪いんだよ。

山本: 自民党が悪い。

田原: 早く復旧復興のための予算をつくれと。そのためにはいろいろあるけれども、約10兆の税金を取ると。全部で20兆かかるからね。それに対して、自民党はまだ反対しているんだよね。そういう問題もあるんだけど。それはもう当然賠償はすべきですよ。当たり前。

山本: 何でそれ、なかなか通らないんですか。その20兆がどうしたとかというのは。

田原: 野党が、自民党が野党だから。

山本: 何をもたもたしているんですか。

田原: 党利党略だよ。自民党が一番いいのは、民主党が潰れるのがいいんだから。

山本: でも民主党が潰れればいいって元は一緒でしょう? 自民党から派生したんでしょう。

田原: そんなこと言ってね。あなたはそういう気楽なことを言っているんだけど・・・。

山本: それは気楽なことを言わせてくださいよ、そんな。

田原: ダメだ!!

山本: どうしてですか?

田原: 当たり前じゃないか!

山本: どうしてですか。

田原: 何だかんだと言ったって、日本で税金を取っているのも発行をどうするかというのも、これはやはり政府が決めている。そんな政府なんかどうでもいいって言ったらね・・・。

山本: 今、日本政府がやっているやり方なんて、国民なんて全く無視じゃないですか。それで高線量のところに人を住まわせていて、先の問題なんてどうなるか分からないという。

田原: じゃあ、何でこういう連中を選挙で選んだんだよ。

山本: だって僕が選挙権を持ってからなんて10何年しかないですよ。(田原氏に対して)どうしてそういう人を選んだんですか?

田原: 何が?

山本: どうしてそういう人を選んだんですか。

田原: 僕は具体的に言うと、自民党でダメだから。3年前の選挙では民主党になれば良くなると思っていたの。良くならなかったんだよ。

山本: 僕も一緒です。

■誰も絵を描いていない――それが問題

田原総一朗氏

田原: 良くならなかった。良くならないから、僕は鳩山(由紀夫:元首相)さんのときも、新聞や雑誌で「鳩山、辞めろ」。菅(直人:前首相)さんの時も何度も「菅、辞めろ」と書いていますよ、ちゃんと。(首相が)今度野田(佳彦)になったんで、野田にもそういうことはちゃんと言っていますよ。

山本: だってあの人たちに決定権ないでしょう。もっと後ろが決めているんでしょう。

田原: 誰が?

山本: もっとバックにいる人が決めているんでしょう。

田原: バックって誰よ。

山本: 知らないですよ、そんな。あの人たちは看板付け替えているだけでしょう本当は。どうなんですか。その裏を知っているから聞きたいんですよ。

田原: そうじゃなくてね。そういう時はバックにいるのは官僚だと言いたいんでしょう。

山本: いや、官僚なのか誰なのかは僕は分からない。一般人ですよ僕なんて。

田原: いや、日本のいろいろな法律をつくるのは官僚ですよ。なぜなら政治家は・・・何? 紹介しろって?(ニコニコ生放送のコメント)先にこの話をしようか。今の・・・。

山本: 何の話ですか。

田原: いや、今のそのバックは誰だと言うんだったら。

山本: 誰が絵を描いているのかということですよ。この地獄みたいな絵を。

田原: 誰も描いていないの!

山本: そんな訳ないですよ!

田原: 誰も描いてない。そこが問題。

山本: あまりにも出来過ぎていますもん。

田原: 誰も描いてないから問題なんだよ。

山本: ウソでしょう。

田原: 本当。描いているのがいれば、こんな悪いことにならないよ。

山本: それはアメリカも描いてないわけですか?

田原: 描いてない。アメリカは日本に比べればましなんだよ。大統領が出る時には、大統領は「この国をこうする」って言うんだよ。野田が「こうする」って何か言ったか? 何も言ってないじゃん。あいつが描いているはずがないじゃない。

山本: いや、そんなこと描けないでしょう。

田原: じゃあ誰が描いた?

山本: だから、もっと後ろで誰かいるのかなと思って。

田原: それはいればありがたいの。

山本: いや、本当にいないんですか?

田原: いないから問題なの。

山本: へえ。逆に言うと絵が描けるというか、総理大臣という立場にいれば好きなことが出来るんですか。

田原: 出来ない。

山本: それはどうして?

田原: これは小泉(純一郎:元首相)さんの時にね。小泉純一郎という昔の人だけど、要するにいろいろな人が「小泉は俺たちの言うことを聞かない」と。こういうことを何でもずけずけ言うのは僕なんで「言ってくれ」と言うから、小泉さんに「もっと言うこと聞け」と言ったら、「いやいや、俺は言うことを聞かない」と。なぜならば、「俺の周りにいるのはみんな官僚だ。官僚って東京大学を出て頭がいいと思っている。そいつらの言うことがまちまちなんだ。言うことを聞いていたらノイローゼになる。俺の前の総理大臣は全部、半分ノイローゼでやったと思う。俺はノイローゼになるのが嫌だから一切聞かない」と言っていた。余計な話。

山本: じゃあ、総理になったら好きなことが出来ることは出来るんですか?

田原: え?

山本: だから総理になって自分のアイデアがあれば、どんどん推し進めていくことは可能なんですか?

田原: 可能なの。

山本: じゃあ何もやっていないだけですね。

田原: ただし度胸があれば。

山本: 度胸がないから、どっちかというと。

田原: 度胸と、例えば、今民主党で言うならば小沢一郎っているでしょう。例えば野田さんが小沢一郎さんにケンカを吹っ掛けて負かせるかどうかよ。

山本: 小沢さんというのは復活出来るんですか。

田原: 多分しないと思うけどね。

山本: へえ。

田原: だけど今でも力はある。だって民主党の最大の派閥が小沢グループだからね。そこに輿石(東:民主党幹事長)さんなんていう人もいる。じゃ野田さんが輿石さんを言い負かせるかと。そういう問題だね。

山本: 話はがらっと変わって。

田原: はい、どうぞ。

山本: ちょっとまたメールとかも来ているみたいなんで。

田原: 言っておくけどね。僕は東電がいいなんて言っていない。東電はどうしようもないとボロクソに言っているんだよ。だからそこはあまり(山本氏と)違わないんだよ。

山本: そうですね(笑)。

田原: そうだよ。

■デモは「1人じゃないと感じる場所」

山本太郎氏

アシスタント: 質問メール、たくさん頂いています。大阪府の男性の方、「原発反対の立場を表明して以降、原発推進勢力から脅迫や嫌がらせを受けたことはありますか。身の危険を感じたことはないのでしょうか?」というご質問です。

山本: 身の危険ですか。特にないですね。告発はされていますけどね。

田原: どういう告発?

山本: 佐賀県庁に行って。

田原: デモの時な。

山本: そうです。要請文というか嘆願書を出しに行ったんですよ。

田原: あれ受け付けたの?

山本: (原発を)止めてくれって。代理の人も出てこなかったんです。結局、最終的には受け付けました。

田原: 違う、違う。訴えられた? それを訴えたわけ。

山本: 受理しましたよ、佐賀県庁は。

田原: 受理したのか。

山本: 佐賀県庁じゃないわ、佐賀地検は。

田原: これから裁判が始まるの?

山本: 多分始まらないと思います。

田原: 始まらないね。

山本: だってこのままでは無理ですものね。

田原: 終わりだよ、終わりだよね。

山本: 終わりだと思います。でもこの先に多分あるんじゃないですか、何かが。こんなうるさいやつ、こかそうというのが。ガーガー言っているやつ。

田原: そんなの無いよ。

山本: 無いですか。田原さんの名前出せば。

田原: 僕が守るよ。

山本: ハハハ(笑)。ありがとうございます。

アシスタント: この方は「山本さんは、今まで参加した、反原発デモなどは実際にどれぐらい効果があったとお考えですか? 国に自分の声が届いているというような実感はあるでしょうか?」(という質問)

山本: 多分僕が思うデモというのは、沿道の人たちに対してアピールするというよりも、集まっている人たちが1人じゃないというのを感じる場所だと思うんですよ。普段1人1人が出来ることをやっていて、それでデモに行って、こんなにたくさんの仲間がいるということに勇気をもらって、また次の日から1人1人が同じ方向に向いて頑張っていくような場所だと思っています。

田原: 僕は、大いにあると思う。今、日本の国民の7割はやはり脱原発ですよ。原発止めようですよ。

山本: そうですよね。

田原: だから面白いの。この人が原発を止めようと言ったら番組を降ろされたって言うけど、今原発をやろうと言ったら、あなたきっと番組を降ろされるよ。

山本: コマーシャル、付かないですか?

田原: 付かないよ、絶対。

山本: 原発推進みたいなことを言ったら、お金持ちにならないですかね。

田原: そんなどこが付くの。そんな危ないことにどこが付くの?(笑)

■「マスコミに殺されたも同然」

アシスタント: こちらは青森県の方です。「現在の日本の報道はまるで原発問題が落ち着いたかのような様子ですが、実際は何も状況は変わっていないと聞きます。山本さんは今のこの報道をどう思いますか?」

山本: もう最低だと思いますよ。だって、大本営発表があったりとかして、それが本当なのかどうなのかといろいろな角度から検証するという必要があるのに、やはりそこまで踏み込んでいっていないですよ。やっぱりテレビ・新聞からしか情報が得られない人たちが多い。ネットには本当にいろいろな情報があって、もう深いものから、浅いものからたくさんあるじゃないですか。自分たちで取ってこれるけど、その人たちというのは、本当にマイノリティーですよね。だからテレビ・新聞で本当のことが流れないと、このまま危険ということが分からずに殺されていく人たちがたくさんいると思いますね。

田原: もっと具体的に言います。実は3月12日に東電の(福島第1原発)1号機で水素爆発が起きた。建屋で水素爆発が起きた。この時に、政府は建屋で水素爆発が起きたという発表をした。新聞も皆そう書いた、テレビも(伝えた)。僕はその時の発表した人間、これは当時の官房長官の枝野幸男という男。だから枝野幸男に、「これはおかしいぞ」と直接言ったんですよ。だって建屋で爆発が起きるということは、建屋の気圧が異常なんだと。異常だっていったら格納容器か、圧力容器に異常があるからだよ。実はこの時もうメルトダウンが起きていたんだけど、僕は知りませんが。何でそのことを言わないんだと枝野に言ったんだよ。そうしたら官房長官の枝野が「田原さんあなたが言っているのは推測だ」と。「格納容器や圧力容器に何か異常があるというのは、あなたの推測だ。政府が推測を交えて発表すると、皆の危機感を煽る。だから一切推測を交えないんだ」というのが枝野の答えだった。

 これも問題があるんですね。だけどもっと問題は、マスコミなんだよ。その枝野の言っていることを、当時僕も知っている何人もがもうメルトダウンが起きていると言っているんだよ。その時の「朝まで生テレビ!」では言いましたけどね。ところが、そういう危ないという人の意見は一切聞かないで、安全、安全ということをテレビも新聞もやっていたんです。大問題だよね。

山本: 大問題ですよ、本当に。

田原: 大問題。

山本: だってそれによって避難するということも考えられた人がいるわけじゃないですか。

田原: 避難がずっと遅れちゃったわけです。

山本: いや、だからもうマスコミに殺されたも同然の人が多いと思いますね。この先の健康被害が出てきた時に、その責任を取れるのかという話ですよね。取らないでしょうけど。だからひどい話ですよね。

■田原「僕は何でも言う」

山本太郎氏

田原: はい、どうぞ次。

アシスタント: はい、茨城県の方です。「今後原発、反原発活動を続けていくに当たって、新たに取り組みたいことがあれば教えて下さい。例えば、デモ活動でこんなことがやりたいなどあれば」

山本: やりたい? 今一番応援したいのは・・・ごめんなさい。話がちょっと変わっちゃうかもしれないけど、郡山の集団疎開裁判。「賠償しろ」とかいう話じゃなくて、14人の子どもたちを安全な地域に疎開させて、それで勉強させてくれという裁判ですね。ここがやっぱり突破口として開けないと、そのほかの子どもたちというところにまでやっぱり手が回らないというか。

田原: 本人たちが疎開したいと言ったらね。当然疎開はOKだよ。当然そうですよ。

山本: でも、やっぱりそれには国のバックアップが必要じゃないですか。やっぱりお金の問題があるから。

田原: うん。

山本: この裁判を何とか・・・。でもこの裁判についてそんなに多くは(マスコミで)流れていないんですよ。だから、本当はもっとみんなが興味を持って・・・。

田原: マスコミが流さないんだ。

山本: そうなんですよ。どうやればもっとアピールできますかね、田原さん。

田原: 「朝まで生テレビ!」に出て、言ってくださいよ。

山本: もうその頃には裁判が終わっているんですよ(笑)。どうしたらいいですか。

田原: だからこういう番組があるんだけどね。

山本: ええ。多分この番組をご覧の方というのは、結構その問題というのはご存じの方が多いんじゃないかなと思うんですよね。そうなんです。それともう一つ。福島市で11月の2周目の日曜日に東日本女子駅伝というのが行われるんです。

田原: 女子駅伝。

山本: 女子駅伝ですよ。まだ線量が高い場所です。そこで下は中学生13歳から、高校生ぐらいの女の子がメインのランナーなんですよ。その子たちにまだ復興もしていないのに復興しましたという、はったりの看板を揚げるために走らせるというのが僕はどうも納得いかないんです。

田原: どこが主催してるの?

山本: ケーズデンキがメインスポンサーですから。あとやっぱりJRとか。

田原: 主催はどこなの?

山本: 主催は分からないです、ごめんなさい。

田原: やっぱり、県とか市とかが絡んでるんじゃない?

山本: もちろんですよ。今までやってきたところなんですけど。でもマラソン大会をやっぱり中止に追い込むというのは大変なことなんですかね?

田原: いや、それよりもその地域の線量が、つまり放射能がどのくらいかということを発表することが大事だよ。

山本: それ発表したとしてもテレビの仕組みとしてどうなんですか? テレビの世界にもいらっしゃったじゃないですか、ずっと。

田原: 僕は発表すると思う、テレビは。

山本: テレビが発表する?

田原: うん。もしそれが分かれば、少なくても僕は毎週土曜日に朝10時から11時までBSの朝日(激論!クロスファイア)でやってます。僕が発表します、明らかに。

山本: 本当ですか?

田原: 当たり前。僕は何でも言うんだもん。

山本: それ、はっきり言ってくれるの田原さんだけですよ。ほかのテレビは本当にだんまり決めてますって。

田原: だからやりますよ。

山本: やってくれますか?

田原: うん。行ったら教えて。

山本: はい、分かりました。

田原: 教えて、やるから。

■放射能を出しても法律に違反しない

アシスタント: 埼玉県の方なんですけれども「うちの両親は兼業農家をしています。しかし、今年は放射能問題を受けてお米の販売を止め、家庭で食べる分だけしか作りませんでした。このまま田んぼを休ませてしまうと元に戻すのは難しく、実質、農家としての仕事は廃業状態に近いんです。風評被害について山本さんはどう思われますか?」

山本: うーん、だからはっきりしたことが何も分からない。土壌調査にしたってそうだし、そういうものをすべて一番に調べてということじゃないと・・・何やろうな? それを一番にすべきだったと思うんですね。というか今でも遅くないけど、それをした上で、やっぱり東電に賠償させる、補償させるというのが一番いいんじゃないんですか。だって、要は調べないことによって、国が広めた風評被害なんですから。小さな対立構図を作って僕たちで揉めさせるというようなことにさせているんですから。

田原: 山本さんの意見に近いんだけど。つまり、事故を起こしちゃったんだから、あらゆることを全部公開すべきなのよ。何も隠しちゃダメなんだよ。それから、さっきの埼玉の風評被害も、やっぱり実際に計測器で調べる。例えば田んぼがどのくらい(放射線量が)あるのかとか、セシウムが、いろいろなものが。それを調べる計測器をやっぱり国、県どっちかが、どんどん買って普及させるべきなんだよ。

山本: うん、そうですね。それ最低限。

田原: 最低限です。

山本: 最低限の設備としてはそれは必要ですよね。

田原: うん、それはそうするべきです。

アシスタント: それっていつぐらいまでとかってあるんですか?

山本: もう、すぐですよ。

田原: 早い、すぐ。

アシスタント: 調べる「期間」は、ずっと?

山本: もう定期的に。

田原: いや、それはずっと調べてやる。

アシスタント: ずっと?

田原: うん。

山本: 1回調べればいいというものじゃなくて、やっぱりずっとコンスタントにやらないととダメなんじゃないですか。

アシスタント: この先ずっとということですよね。

田原: そうそう、うんうん。

山本: もう事故から7カ月経ってるのに何も行われてないんですよ。

アシスタント: そうですね。

田原: 第一、もっと問題なのは、例えば水銀とかカドミウムとかこういうものを空気中に出してはいけないという物質が日本にはいっぱいあるの。当然放射能も出しちゃいけないという物質だと思ってたの。そういう法律が日本には無いんだよ。

山本: 上手いことやってますね。

田原: だから、日本では放射能を出しても、これは要するに法律に違反しないの。だから「何でだ?」と聞いたの。環境省とか厚生労働省に「何でだ?」と聞いた。そうしたら「実は放射能が出るということは想定してませんでした」と。

山本: はあ(笑)。

アシスタント: びっくりしますね。

田原: それで、もっと言うとロシアはチェルノブイリの事故が起きて1カ月後には、これは違法だと。違法だということは、それで病気になった人は全部国が補償する(と言った)。いまだに日本はやってないんだよ。

山本: いい根性してますね。というか悪い奴らがそういうのを作ってるんでしょうね。

田原: そうね。

山本: ええ。

田原: それでもっとひどい。この間「これはどこがやるんだ?」といろいろな省庁に聞いたら「それは環境庁がやるんだ」と。それで環境庁の課長に電話して「あんたのところがやるんでしょう?」と言ったら「そういう風になってるんですかね」と言ってんだよ。

アシスタント: ちょっと他人事ですね。

田原: 他人事。けしからんよ。余計な話ですが。

山本: いやいや、とんでもない。でもすごいですね、法律で規制されてないってことですか。

田原: されてないの。

山本: うーん、狂ってる。

■「田原さん、最後のお仕事として追究してください」

田原総一朗氏と山本太郎氏の対談は約1時間行われた

アシスタント: 今の話の流れに沿うかと思うんですが、宮城県の方は「山本さんは原発に関して、現在の政府に対して一番言いたいことは何でしょうか?」と。

山本: そうですね、やっぱりすぐ補償ですよ。すぐ賠償。何かもうすべてさっさとやれという話です。何をとぼけてるんだという話ですよ。いつまでも、じりじりじりじりやってこのまま行くつもりですよ。さっさとやるべきことをやれという話ですよね。

 だから先程、福島の中通りの話をしましたけど、ヨーロッパから放射線を測るプロの方がいらっしゃって、要はパラレルワールドだと。見た目には普通の生活を営んでるけれども、実は計測をすると放射性廃棄物の周りで子どもたちが遊んでるような環境だという。何かそれくらいのところなんですって。今日避難出来ないんだったら明日だと。明日避難出来ないんだったら明後日だと。とにかくすぐだということを言っていらっしゃいましたね。

田原: そこは、ちょっと僕は意見が違ってね。とにかくあらゆる計測をしろと。

山本: でもプルトニウムもストロンチウムも何もしてないですよね。

田原: だから、全部含めて何もしてないのよ。そこが問題。

山本: 多分、出来ないんでしょうね。やったらやばい数字が出るってことでしょう、東京だって。

田原: やばくたって何だってすべきだよ。

山本: もちろん、した方がいいですよ。

田原: さっきの飯舘村?

山本: はい。

田原: 実は飯館村の人々に簡単な計測器があるんだよね。医者は全部付けてるよ。あるいは放射能関係者も。僕もそれは付けるべきだという意見だった。それで、国立がんセンターの院長が2万人分用意したの。そうしたら、何と経済産業省の審議官が「いらない」と。「何でだ?」と。まだ飯館村が引っ越す(計画避難)前ですよ。それで「何でだ? やった方がいいんじゃないか」と。そしたら「もし高い数値が出たら困る」と。

アシスタント: ええー!

山本: そういうことですよね、だから、今やられてることというのは、本当に事実隠しというか、くさいい物にはフタして。

田原: これもテレビで言ったけどね。

山本: ええ。言えるのは、田原さんクラスですよ、本当に(笑)。ほかはやばくて言えないですよ。田原さん、今おいくつなんですか?

田原: 僕、77(歳)。

山本: 最後のお仕事として、今、腐った世の中を追究していってください。

田原: だから、まず大晦日はぜひ出てくれ。

山本: あははは、いや本当にお願いしますよ、最後の大仕事として。

アシスタント: 「楽しみにしてます」というメッセージも来ていまして「実は、メロリンQ(山本太郎氏の一発芸)時代からの大ファンです」という東京都の男性の方。

山本: ありがとうございます。

田原: それはすごいね。

アシスタント: 「今後、今日みたいに熱く語ってくれる山本さんをテレビで観たいです。とりあえず、”朝生”楽しみにしてます」というメッセージです。

山本: すみません。本当に今日は何か取り乱しちゃって。何か興奮しちゃいました。ずっと小さい頃からテレビで(田原さんを)観ていたから。

田原: そのメール、何だ?

山本: 「そのEメールをラストにエンディングへ」というのが出ました。

■竹島の領土問題も原発の問題も一緒

田原: 竹島(日韓で領有権が問題になっている島、韓国名は独島)の話をしたいって?

山本: あ、そうだったんですよ。

田原: どういうの?

山本: 要は、日本は固有の領土だって・・・ごめんなさい、これ最初に話すと、関西のテレビ番組で「竹島についてどう思うか」と言ったから「日本のこの政府の対応、竹島に対する対応を見ている限り、自分の領土という意識は全く無いと、言ってるだけで。だったらあげちゃえば」と言ったんですよ。それが大問題になったんです。

 それで僕が言いたかったのは、要は、例えば韓国は学校教育もそうだし、街中にカジノのホテルの看板とかにも「独島はわわわれの領土である」って全く関係無い広告にそんなことまで書いてあったりとか、あと軍隊を送り込んだりとか、建物を建てたりということをもう既にしてるわけじゃないですか。本当に国土を守るという意識であれば、もっと本気でやらないとダメでしょう。

 例えば、北極海で温暖化で氷が溶けてきたと。その時に各国は自分たちの領土だと言い張ったわけじゃないですか。そこにカナダでさえも軍艦を出したと。そういう状況なのに、日本は自分のところの領土について話をする時に「固有の領土です」と言うだけで、そんなのはもう勝ち負けはっきりしてしまったのではないかって話なんですよ。

 だから、本当に自分の領土だと思うんだったらそれなりの守り方があるだろうと。最近、「ネット右翼」と言われるような人たちがいるんですよ。家でゴロゴロしてる暇があって、僕に竹島の問題のことを言うんだったら漁船に乗ってすぐ行ってくれよ、アクションを起こしてくれよと思うんですよ、そこまでのことを言うんだったら。というよりも、僕自身はその領土についてどう思ってるか。本当は今戦争なんてしたって何も旨みは無いんだから共同管理というのが一番いいと思うんですよ。でも、そこまで領土について熱い思いがあるんだったら、漁船に乗って奪い返しに行ってきてくれと思うんですよ。ということを言いたかったんです。

田原: なるほど。今度もね、野田さんが韓国に行って竹島問題は一言も言わなかったもんな。

山本: どうして、バーターで出さなかったんですかね。

田原: だって、向こう、何出した?

山本: 融資する代わりにその条件として何か引き出せる物ってあるはずじゃないですか。

田原: 考えてないんじゃない?

山本: そうか、考えてないんか。

田原: 竹島なんて考えてないでしょう。だって、もっとひどいことを言えば、竹島の横のウルルン島へ行きたいというので、自民党の代議士が3人、韓国へ行って入国拒否された。こんなもの、新聞は大騒ぎすべきなんだよ。というのは、もっと前に島根県が「竹島は島根県の物だ」という風に発表したら、韓国の議員たちが怒って、島根県の県会議員と論争したいと。この時、日本はちゃんと言えてるんだよ。言えて論争してるんだよ。今度、入国拒否されて、これは怒るべきなのにどの新聞も遠慮がちで言わない。

 だから、ちょっとお伺いしたい。竹島は韓国に返した方がいいと言ったのは、朝日新聞の(元論説)主幹の主筆の若宮(啓文)もそう言ってるんだけども、そうじゃなくてもうちょっとちゃんとやれというわけね。

山本: そうです、気合入れて行けと。

田原: やるべきことを。

山本: そうですね。じゃないと口で言ってるだけという、まさに原発の問題も一緒、領土問題も一緒なんですよ。結局やることをやってないんですよ。そうなんです、実はそれが言いたかったんですよね。

田原: はい、ではそろそろね。

アシスタント: はい、田原さんと生放送という形で対談されてみていかがでしたか?

山本: 小学生の頃から田原さんのことを見ていたわけじゃないですか。だから、こうやって実際にお会い出来ると思ってなかったし。実際こうやってお話しすると、何かお父さんとかおじいちゃんに怒られてるみたいな感じで(笑)。家のリビングで喋ってるような感覚になっちゃった。

田原: いや、ほとんど実は(言っていることに)違いは無いの。まあ、いいや。どうもありがとう。

山本: また、いろいろ教えてください。

田原: とても楽しかった。

山本: ありがとうございました。

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(協力・書き起こし.com

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