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認知症の段階別にみる!認知症高齢者が熱中症になりやすい理由

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認知症看護認定看護師の市村です。夏に向けて、「高齢者と熱中症」についての講座やセミナーを頼まれることが多く、以前にも増して高齢者の熱中症予防は社会的にも重要になってきている印象です。

認知症になる方のほとんどは高齢者で、認知症があるために熱中症になりやすく、また、脱水症状がBPSD(行動・心理症状)を引き起こすこともあります。今回は熱中症の基礎知識と認知症との関連を、認知症看護認定看護師の立場からお伝えさせていただきます。

熱中症について

熱中症とはそもそもどういう症状を指すのか、そのなかでも熱中症になりやすい人はどんな人なのかご説明いたします。

熱中症とは

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高温多湿の環境において、体内の水分や塩分のバランスが崩れることにより、身体が適応できなくなり筋肉や神経に症状がでることをいいます。

熱中症になりやすい人

代表的な例として、下記5つが挙げられます。
高齢者

成人と比べ体内の水分量が少ない
年齢とともに体温を調節する機能が低下する
喉が渇きを感じにくい
汗をかきにくい

高血圧、糖尿病、心臓病、心臓病などの持病がある人

体内の水分と塩分のバランスが崩れやすい

脱水傾向になりやすいお薬(利尿剤、抗精神病薬など)を飲んでいる

利尿剤により、脱水症状が起きやすい
抗精神病薬により、発汗作用が低下する

太っている人

熱産生が多くなる
脂肪が熱の放散を邪魔する

都市部に住んでいる

ヒートアイランド現象による気温の上昇

このほかにも栄養状態が悪い人や、ここ1~2年で脱水症、熱中症になったことがある人などもなりやすいと言われています。先日お会いした高齢者は、2年連続で熱中症にかかり病院に運ばれたと仰っていました。今年は予防できるよう、生活におけるアドバイスをさせていただきましたが、心配です…。

認知症と熱中症

「認知症だから熱中症になる」というわけではありませんが、認知症の影響で熱中症になりやすくなる可能性はあります。なぜ熱中症になりやすくなるのか、筆者が経験してきた中でとくに考えられる原因、水分摂取について、認知症の段階別に解説いたします。

認知症初期

水の中になにか入っているのではないかと疑っている
少しのフォローがあれば、ご自身で健康管理ができます。しかし、食事やお茶などに内緒で薬を混ぜたりすると、本人が気付いて食事や水分を拒むということがあります。被害妄想が出やすい時期だからです。拒んだ記憶が定着してしまうと、その後水分摂取を嫌がることにつながるので配慮が必要です。

認知症中期

水分摂取が大切という概念がピンとこない
飲むことに集中できない
体調の悪さを自己認識できない
抗精神病薬を飲んでいることが多い
目の前に置かれているものを認識できない、または自分が飲んでよいものなのか分からない

熱中症のリスクが最も高まる時期だと思います。認知機能が低下してきても、身体が元気であるため目が行き届きにくく、どこまでフォローが必要か判断できないという難しさがあります。認知症がありながら独居で生活している方も多く、家の中での熱中症も目立ちます。
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また、BPSDが出やすい時期であるため、抗精神病薬を服用している場合があります。薬そのものの影響だけでなく、嚥下障害や意識がぼんやりするなどの副作用も、熱中症のリスクを高める原因です。また外部環境に合わせた服装などをチョイスできなくなってくることもあり、真夏でも厚着をしていたりすることもあります。

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