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アメリカでヒットを飛ばした遺伝子検査ビジネス、その実情は? ~その1

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今、流行りのビジネスの一つに「遺伝子検査」があります。 実はこの遺伝子検査、各業者が自由に定めた検査方法や基準に基づいて結果が出されています。法的規制や医学的根拠に基づく基準というのはありません。

そうした背景から遺伝子検査ビジネスが今、厚生労働省でも一つの問題となり、警鐘を鳴らし始める段階に入りつつあるのです。

遺伝子検査は、アメリカではもう流行らない?

遺伝子ビジネスは、その先進国であるアメリカでも爆発的ヒットを飛ばしましたが、今は徐々に衰退の道を歩み始めています。

というのも、「遺伝子検査は本当に受けた方がいいのか?」という疑問を投げかける論文が、多くの学者によって発表されたからです。実際、明確な規制や基準のない検査結果が、1人の人間の人生を容易に左右してはいけないはず。

出た結果を信用し、深く考えてしまいがちですし、心身に悪い影響がでるという見解も成り立ちます。

そもそも、遺伝子とは?

人間の体は、約60%から70%が水分です。他に、約15%から20%のタンパク質と、約13%から20%の脂肪、そして、約5%から6%のミネラル分に1%の糖質を加えた構造となっています。

これらの成分量を合計すると100%になる訳ですから、理想は水分70%・タンパク質20%・脂肪13%・ミネラル6%・糖質1%と言ったところでしょうか。

骨や軟骨、腱組織、さらには、皮膚を構成しているコラーゲンも、爪や毛、粘膜の細胞骨格を形成しているケラチンもタンパク質です。これら構成タンパク質と呼ばれるタンパク質が、私たちの生命を身体という形ある物体にしています。

そして、そのタンパク質の構造を決めるベースこそが「遺伝子」です。正に人体の設計図という訳ですね。

話題の遺伝子検査とは?

体の構造の図面である遺伝子を解析すれば、個人の身体的特徴が明らかになり、どのような体質を持っていて、肉体的な長所や短所、弱点はどこか?と言ったような不明点が明らかになります。

病気の診断や治療においてはとくに、その発症の要因を突き止める手がかりになります。より的確な判断と方針が定められるという訳です。そうして研究が進められ、手法や基準が確立されてきました。

遺伝子検査ビジネスとは?

本来の遺伝子検査は、血液を採取し、その細胞の遺伝子を調べるものです。骨や皮膚などから分析することもできます。

体の設計図である遺伝子は、構成タンパク質が作る組織全てに存在するものです。必ずしも血液採取したり、皮膚を切り取らなければ分析できないというものではありません。口腔内や、鼻の粘膜からでも調べることができるのです。

遺伝子検査ビジネスは、検査キットとして送られてきた綿棒のようなもので頬の裏側をこすり、唾液等が付着したその物体を付属の容器や袋に入れて返送するというの流れです。

ただ、唾液を送って診てもらうというのは間違い。唾液や汗、涙などは、身体を構成する組織ではないため、遺伝子を持ちません。綿棒で頬の裏側をこするのは、唾液を採取するためではなく、粘膜を剥がし、その剥がれとった粘膜から遺伝子に辿り着くためです。

このことから分かる通り、日本における遺伝子ビジネスは、曖昧に説明されています。消費者が鵜呑みにしている部分があると言えるでしょう。

遺伝子検査で分かること

遺伝子検査によって、どういったことが分かるのでしょうか?

アメリカの人気女優アンジェリーナ・ジョリーが、乳がんを発症する確率87%と診られる遺伝子を持っていることを知り、予防として健康な乳房を切除したことは有名な話です。

遺伝子検査をすることによって あのように、癌になる可能性がどのくらいあるのか? 各内臓器官の強度、さらに、太りやすい体質なのかどうか?など、様々な成人病の要因となる部位の特性が明らかになります。

すると、食事を見直したり、適度な運動を取り入れたりと、そのリスクを軽減するべく、日常生活を改めることに役立てることもできるでしょう。

また、毛が抜けやすいとか、肌老化の速度など、美容面でも知りたい情報が分かります。最終的には、生理的に合う異性、合わない異性まで区別することができるというから驚きです。

遺伝子検査の問題点

遺伝子検査を受ければ、我が身の特異性が分かり、様々な可能性や危険性が考えられるようになります。しかし、もし、自分が将来、癌になるとか、認知症になると知って、楽しい人生を送れる人がどのくらいいるでしょうか?

さらに、長期の病気療養が必要になるかもしれない人を雇う会社があるかどうか? 認知症や障害者になる可能性が高いと判明した夫や妻と、永遠に連れ添う気がするかどうか?

とくに、遺伝子によって生理的に相性が合わないと判断されてしまったり、不妊の確率が高いと分かれば、せっかくの良縁が破談になることも大いに考えられるでしょう。

例え本人同士は気にしなくても、子孫繁栄を望みにくいお嫁さんは避けたいと考えたり、若くして寝たきりになるかもしれない男性に、娘を嫁がせたくないと考える親も出てきそうです。

遺伝子検査には、このような潜在リスクがあります。大切にしたい価値観や人権、そして、将来性を奪ってしまうことも有り得るのです。

アンジョリーナの場合は、乳がんの発症率が87%と極めて高い数値が診断されました。しかし、医療機関でもない企業が、80%・90%という高い確率で成人病などを発症するリスクがあると言いきれるものなのでしょうか。

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