秦 基博「“みんなの歌”になってくれた」10年間で築き上げた信頼……爆笑感涙の全国ツアー完走! 次はアリーナツアー

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秦 基博「“みんなの歌”になってくれた」10年間で築き上げた信頼……爆笑感涙の全国ツアー完走! 次はアリーナツアー

 バンド形態としてはおよそ3年ぶりの全国ツアー【HATA MOTOHIRO CONCERT TOUR 2016 -青の光景-】を敢行してきた秦 基博。その東京公演/最終公演を6月3日と4日 東京国際フォーラム ホールAにて開催した。

<ここで暮らしている人たちがライブを観に来てくれている実感>

 「例えば自分がツアーでいろんな地方へ行って、そこの街並みを眺めながら歩いたりすると「ここで暮らしている人たちが自分の音楽、アルバムを買って、チケットも買って、ライブを観に来てくれている」って実感できるんです。会場がいっぱいになっていればなおさらのことで。自分の音楽はここまで届いたんだって。そして実際にライブが始まれば曲を目の前で受け取ってくれて、感覚的にいろんなことを感じてくれているのが分かりますから、それはもうすごく実感しますよね。」

 最新アルバム『青の光景』リリース時のインタビュー(http://bit.ly/1XvUIfE)で彼が語っていた言葉だが、今回の久しぶりのツアーでもこれを実感していたのは間違いなく、東京国際フォーラム ホールAに集った観客との何気ないやり取りひとつ取っても、自分が信じる音楽を共有してくれた仲間とも言えるファンへの愛情は満ち溢れていた。

<笑いの絶えないMC「実物はシュッとしててビックリしますよね?」>

 というか、友達や家族かと思うぐらい親しい関係性を何度も見せつけてくれた(以下、6月3日の公演を観て)。歴代ツアーに参加してくれた人たちを挙手でリサーチしていく中で「すごくリピート率が良いんですね、秦 基博のライブはね。クセになるんですかね? 1回来るとね」と自画自賛し笑いを誘い、さらに「今日は撮影入ってますからね、こういうところの盛り上がりが大切。じゃないと、後からドリフみたいに笑い声を足さなきゃいけなくなっちゃう」と、そのドリフにも負けない爆笑を生んでいく。また、初めて来てくれた人が非常に多いことを確認できると、「どうですか? 実物は。実物はシュッとしてて(今日一番の爆笑を浴びながら)ビックリしますよね? テレビって何ですかね? 今はワイドですからどうしたって太って見えるというか……地域によっては一重になることもある。ビックリですね、実物は二重なのに」自虐ネタまで盛り込んでとにかく笑いの絶えないMCを楽しませくれた。

 終盤の「スミレ」ではそんな軽快なトークと共に振り付けレクチャーまでしていたが、デビュー当初はまだまだ硬く、とにかくマジメな印象も強かった秦 基博が、あれから10年。歌声だけじゃなく語りでも観客の心や表情を揺らせるようになったのは、感慨深い。これも前述の“実感”の積み重ねによって築き上げられた“信頼”によるものだろう。

<秦 基博が描いた、けれどもここにいる誰もの音楽>

 そんな10年間の月日の中で築き上げられた空間、世界。そこで放たれる秦 基博の歌声はどこまでもぐんぐん深く広く響き渡っていく。リリックや楽曲イメージから生み出された抽象画のようなアート、さらにはみんなと共に楽しく踊る為のアニメーション等、様々な映像を駆使しながら、弓木英梨乃(g,vio)、皆川真人(key)、鈴木正人(b)、あらきゆうこ(dr)と、その演奏する姿を見ているだけでも十二分にエキサイティングさせてくれる名うてのミュージシャンたちと、最新アルバム『青の光景』と歴代の名曲たちによって彩られる音楽のグラデーション。そして、そのど真ん中に圧倒的な存在感と情感をもって君臨する歌声が紡いでいく、秦 基博が描いた、けれどもここにいる誰もの想いであり、記憶であり、情景であり、希望でもある音楽。それは秦がデビュー当時からとにかく追求してきた音楽の形であり、理想であり、彼がギターを持って歌い続けている理由そのものであり、10年間にわたって完成度を上げ続けてきたソレは涙を誘うに十分だった。

 とにかく良い曲を作って、それをとにかく真っ直ぐに歌い届けていく。かつてはマジョリティだったそのスタイルはいつしかマイノリティとなり、秦自身も「自分では真ん中のことをやっているつもりだったのに、気付いたら「あれ? マイノリティじゃん」っていう(笑)」と前述のインタビューで語っていたが、それでもリスナーのハートのど真ん中にドスン! と歌を届け続けてきた者の歌、音楽、ライブは圧倒的。響き方も面白さも違う。

<その生き様ゆえに“みんなの歌”にまで昇華された「ひまわりの約束」>

 「僕、秦 基博はシンガーソングライターとしてひとりでやってます。詞を書いて、曲を書いて、歌う。そこにどうしたって意識的にしろ無意識にしろ自己は投影されていく訳ですけど、自分自身のイメージだったり感覚の中から始まったものが、最終的には聴いてくれる人の歌になってくれたらいいなと思いながら、いつも曲を作って歌ってます。次、お送りする曲はですね、そういう意味では“みんなの歌”になってくれたのかなって、自分自身もそんな実感を得られた曲でした」そう言って歌い出した曲は、今や秦 基博の代表曲、そして近年の音楽シーンを代表するスタンダードナンバーになった「ひまわりの約束」。まさしく彼が真っ直ぐ突き進んだ結果、その生き様ゆえに“みんなの歌”にまで昇華された名曲が会場を温かく染め上げていく。それぞれの生活や人生の中で育まれた楽曲を、それを発信した者のライブでもって、みんなで一斉に噛み締めること。この有意義さ、喜びをいつまでも体感させてくれるもので音楽はあってほしいと、改めて感じる瞬間でもあった。

<秦 基博がこうである限り、歌や音楽を求めなくなることはない>

 「またみんなに逢えたらと思います。今日は本当にありがとうございました!」同公演の最後、彼がひとり弾き語りで聴かせてくれた曲は「僕らをつなぐもの」。メジャーデビュー前から横浜のライブハウスで歌っていた、そして秦 基博の音楽と存在が世に広まっていくきっかけのひとつとなり、今もなお愛され続けているラブソングだが、もう10年以上にわたって歌ってきたこの曲と丸裸な心で対峙し、声が震えるほど、そして我々の涙を誘うほどエモーショナルに歌い上げてしまう。色褪せることのない想いで歌えてしまうその姿や事実を目の当たりにして、これまで以上にこのシンガーソングライターが好きになった人は少なくなかっただろう。秦 基博がこうである限り、我々が歌や音楽を求めなくなることはない。そんな風にすら思えた素敵な夜であった。

 なお、秦 基博は【10th Anniversary アリーナツアー】として、11月1日に自身初の横浜アリーナ、11月4日と5日に大阪城ホールにてアニバーサリーライブを開催する。この機会にぜひ秦 基博の10年間を体感してみてほしい。

取材&テキスト:平賀哲雄
撮影:河本悠貴

◎ライブ【HATA MOTOHIRO CONCERT TOUR 2016 -青の光景-】
06月03日(金)04日(土)東京国際フォーラム ホールA セットリスト:
01.嘘
02.ダイアローグ・モノローグ
03.花咲きポプラ
04.ROUTES
05.鱗(うろこ)
06.美しい穢れ(弾き語り)
07.恋はやさし野辺の花よ(弾き語り)
08.休日
09.Fast Life
10.ディープブルー
11.水彩の月
12.デイドリーマー
13.Q & A
14.グッバイ・アイザック
15.あそぶおとな
16.スミレ
17.ひまわりの約束
18.Sally
En1.聖なる夜の贈り物
En2.トラノコ
En3.僕らをつなぐもの(弾き語り)

◎ツアー【10th Anniversary アリーナツアー】
11月01日(火)横浜アリーナ(自身初)
11月04日(金)05日(土)大阪城ホール
and more …
※詳細は近日発表となります。

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