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みちのくの幸がズラリ勢揃い! 東北の生産者と東京をつなぐ「できる食堂 プエドバル」【北千住】

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やってきました北千住!

飲み屋がひしめき合う、酒好きにはたまらないエリア!

煮込みで有名な「大はし」をはじめ、自家製すり身揚げがうまい「千住の永見」、本格的なつまみがたっぷり味わえる立ち飲み「徳多和良」など、いい店が多い!酒好き・居酒屋さん好きが「おとなの遠足」と称して遠方からもやってくる、

それが北千住。

年季の入ったお店が多い中、今年(2016年)4月でちょうど一周年を迎えるおもしろいお店があると聞き、本日の探訪となりました。なんでも「東北が思いっきり味わえるお店」なのだそうですよ。

東北全県のワインが楽しめる!

一見、飲食店というよりショップのようにも見えますが、今回の目的地「できる食堂 プエドバル」の入口です! のぞいてみればカウンターだけのお店で、名前のとおりバルスタイルなのかな。ともかく、入ってみましょうか。

「いらっしゃいませー!」

おお、まず目に飛び込んできたのは東北の日本酒!!

全県いろいろとそろっていますねー。おねえさんもやっぱり東北?

はい、秋田県酒田市出身の梅津です!

梅津さん、きょうはよろしくお願いします。こちらは日本酒メインのお店なんですか?

いえいえ、東北産のワインもそろえてありますよ。東京広しといえど、東北全県のワインが飲めるお店ってうちだけじゃないかと自負しております!

おお、東北6県のワインがずらりと!!!

東北6県すべてにワイナリーがあること、知られていないですよねえ。私は仙台育ちですが、地元でもあまり知られていないかもだなあ。東北応援の飲食店はおかげさまで震災以来増加しているのですが、東北ワイン充実のお店はめずらしい。

お通しのワカメに箸が止まらず

おや? なんか横でうごめくものが……


立派でしょう? 秋田の実家近くで獲れたアワビです。これは今日の特別メニューですが、ほかにもたくさん東北の素材を使った料理や、郷土料理がありますよ! さあ、まずはお通しから召し上がってください。

ハキハキした応対がなんとも小気味いい梅津さん。カウンターに座ってまずビールを頼めば、一緒に出てきたのがこちら。

てんこ盛りのワカメ!

三陸海岸で獲れた茎ワカメを細く裂いたもので、味つけはオリーブオイルと塩のみ。シンプル極まりないけれど、食べ飽きない。むしろ食べるうちにクセになってくる。ワカメといっても茎の部分は歯ごたえ抜群、食感がいいんですよ。もちろん低カロリーで、食物繊維たっぷり(というか繊維のかたまり)。飲み始めのスターターとして、すばらしいなあ。

東北を活性化したいという思いで開店

「ふふふ、おいしいでしょう…?」

い、いつの間に隣に!?

ちょっとジョージ・クルーニー似のこちらの男性、オーナーの植村昭雄さん。東北は青森県八戸市のご出身とのこと。

さてこちらのお店、「東北をたっぷり味わえるお店」と聞いたんですが、ふるさとの青森に限定せず、東北全般をお店のテーマとされたのはどうしてなんですか?


私は東京に出てきて25年になるんですが、東日本大震災を機に、東北各地への炊き出しや支援活動を行うようになったんです。

現地で出会った生産者の方々とは今に至るまで交流が続いていますが、やはり震災後は風評被害にも悩まされ、売り上げが落ちていました。また震災とは別に、東北各地で人口減少の問題は続いていました。私のふるさと青森は、人口が戦後すぐのレベルにまで近づいています。

“とにかく活性化させたい!”

そういう思いが、ずっとあったんです。

お店の壁には、各地の生産者と植村さんが映るスナップ写真がたくさん貼られている

この店で出しているものは、自分が実際に東北で出会って、その場で味を試したものだけです。 業者さん任せにしているものはひとつもありません。生産者と消費者をつなぐ役割を果たしたいんですよ。そして「おいしい!」といってくれた方の声を現場に届けたいんです。

「あなたの作ったもの、育てたもの、獲ってきたものが、こんなにも喜ばれているよ」と、現地の生産者に伝えたいという植村さん。声を届けることで、やりがいが生まれ、職場にも活気が生まれていく。活気ある職場には応募者も増えていくかもしれない。そんな良いことの連鎖を、植村さんは考えている。

事実、このお店で東北のプロダクトの良さを再確認し、大学卒業後は「東北に帰って就職しよう」と考えるようになった東北出身の若者も少なからずいたとのこと。

そうそう、先の三陸産茎ワカメのお通しは、植村さんのアイディア。

あれは食べ放題ですから、よかったらおかわりしてください! この店に来たら、まずは三陸を感じてほしいんです。三陸をいっぱい食べてほしい。三陸も広いですからね、場所によって少しずつワカメの味も違う。そんなことを感じながら各地をまわって、紹介したいものを探してきました。

みちのくの肴に、岩手の銘酒「浜娘」を

東北が誇る「酒の友」を一堂に集めた自慢のメニューがあるというので、早速頼んでみました。

その名も「TOHOKU」(990円)。

植村さんが出会って惚れた、みちのくの酒肴がてんこ盛り! 手前から時計回りに、宮城産サーモン刺、岩手産水ダコの燻製、山形産のあおさ天、秋田のいぶりがっこクリームチーズ、青森産アピオス、青森産菊と青菜のおひたし、山形産鯉の甘煮、そして真ん中が宮城・白石蔵王の卵を福島で燻製にしたもの。

名産品と郷土料理がほどよくミックスされて、東北の食文化がすてきに点描されているなあ。うれしくなってきたぞ。これはやっぱり日本酒でしょう!

岩手の銘酒「浜娘」をいただきます。

ちなみに、こちらの日本酒はグラス1杯どれも580円。月替わりでいろいろな東北のお酒が楽しめます。人気は「3種飲み比べセット」480円。これを2回頼めば、東北6県のお酒めぐりがコンプリート!

「浜娘」、うまいよ……。

米のフレッシュなうま味がすっきりと味わえて、余韻も長い。震災で蔵を失ったものの、みごと復活を遂げた蔵元さんのお酒。しかしそういうドラマと関係なく、シンプルにうまいお酒なんですよ。機会があったら、ゼヒ味わってみてください。

梅津さん、おかわりィ!

ふとカウンターの上を見れば、南部地方(東北の南のほうじゃなく旧南部藩エリアのこと。青森県と岩手県が含まれる)の名物南部せんべいと、近年の岩手が生んだヒット商品、「Ca va ?」缶(サバのオリーブオイル漬)が。さりげなく東北テイストに満ちあふれています。この南部せんべい、子どもの頃はよーく食べました(父が八戸出身)。耳だけかじって怒られるんです、これ。耳のとこが妙にうまいのよ。

お値打ちせんべいピザ&ガッツリ牛肉

この南部せんべいをピザにしちゃった「せんべいピザ」(280円)も、いいつまみ。

がっつりお肉が食べたいなら「牛みすじのソテー」(980円)がおすすめ。

青森名物「十和田ばら焼きのたれ」で食べてみてください。十和田地方のB級グルメで、いわゆる焼肉用のたれ。醤油ベースの甘辛さが特徴で、地元では様々なメーカーのものが売られています。

現代は流通が各地に行き届いて、どこに行っても同じものや商品が手に入る時代。でも食べものは、まだまだ豊かに地方色が残っています。それらすべてが合わさって、“無形文化遺産”の「和食」ではないでしょうか。東北の地域食のおもしろさを体験できる「できる食堂 プエドバル」、北千住駅の周辺で食べ飲みする際は、ぜひ寄ってみてほしいなあ。

ちなみに、ある日のメニューより。

東北たっぷり、200円台のメニューもたくさん!

東北と他地方の特産品を組み合わせた料理も多いですよ。東北ワインはグラス380円~、ボトル3,900円~です。

お店情報

できる食堂 プエドバル

住所:東京都足立区千住旭町41-14 第一ビル1F

電話番号:03-6806-2400

営業時間:カフェ営業 月~金曜 10:00~15:00(ランチ11:00~14:00)、バル 月~土曜 17:00~23:00(LO 22:00)

定休日:日曜日、祝日

ウェブサイト:http://www.dekiru.tokyo/puedo-bar.php


書いた人:

白央篤司(はくおうあつし)

フードライター。雑誌『栄養と料理』などで連載中。「食と健康」や郷土料理がメインテーマ。著書に「にっぽんのおにぎり」「にっぽんのおやつ」(理論社)「ジャパめし。」(集英社)がある。 facebook:atsushi.hakuo ブログ:独酌日記

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