木屋町で格安のお魚を食べるならここ! 居酒屋「海鮮」の良コスパの秘密は店長の心意気にあった!
どうも! メシ通レポーターの通称おかんです。
四方を海に囲まれた、一大海産大国、JAPAN。春夏秋冬、さまざまな種類の魚介類が、我々の胃袋を満たしてくれます。しかし、新鮮な魚介類はなにかとお値段が張るもの。お腹がいっぱいになるまでお刺身や焼き魚など、魚介類を味わいたい……。
そんな欲望を満たしてくれるのが、京都は木屋町にある居酒屋「海鮮」です。
木屋町の一角にあるお魚天国
お店は四条河原町の交差点から北に約3分。南車屋町の通りに面しています。
河原町通沿いには、横(東西)の通りが看板で明記されているので、観光客の人でも安心ですね。南・北の車屋通は河原町通の西側にはありませんのでご注意をば。
南車屋町の角を曲がり、木屋町に向かって進むと、看板が見えてきます。
どどーんと大きく「海鮮」と書かれた立て看板。
お店は商業ビルの2階にあります。
階段の下には、その日のメニューが書かれた看板が。お造り350円~、焼き物各500円。こ、これは安い! しかも開店の15時から19時までは、いわゆるハッピーアワーで生ビールが280円でいただけます。
階段を上がると、お店の玄関があります。ちょっと写真ではわかりにくいんですが、お店のドア、居酒屋らしかぬ木のドアなんですよね。中が見えなくて初見ではちょっと尻込みしてしまいそうなんですが、これに安さの秘密があるんです。
さっそく店内に入りました。
極限のコストカットで新鮮な魚を安価で提供!
居抜きっぽい! そして家っぽい!(笑)
このテーブル、もしかしなくても家庭用のダイニングテーブルですよね……?
完全に家庭用のダイニングテーブルだ……。いやまてよ? わたし以前にも何度かこのお店は食べにきたことがあったんですが、もっとこう……簡素なイスだったような?
店長さんにいろいろ伺ってみましょう。
店長「うちは徹底的に初期投資と人件費を削ってます。安さの理由はそこですね。もともとはこの物件はスナックだったみたいなんですが、そのあとに入った沖縄料理屋も、とくに内装は変えなかったようなので、僕もそのまま使っています」
なるほど、元がスナックだったなら、この内装や中の見えない木のドアも納得です。
ちなみに古い椅子は、カウンターの奥にしまわれていました。初期投資の低さが、リーズナブルなお店の秘訣のひとつという訳ですね。
と、ふと上を見ると……
ドアもないのに非常口のライトがある。しかもプレートが逆。
店長「これはねぇ、どうやら昔はこのフロアはふたつのお店が入っていたようなんです。バブル期あたりにふたつのお店をぶち抜いて、いまの間取りができあがったみたい」
あ、あそこにドアがあった訳か。
お店の奥から店内を見ると、その面影がすこし垣間見えました。カウンター席の向こうに、出入り口があった痕跡がうかがえます。
店長「お店はなるべくお金をかけないでつくりました。最近になってテーブルが安く買えたので、ダイニングテーブルにグレードアップしました。あと安さの秘訣は、僕が直接市場に仕入れにいって、調理も僕ひとりでやりくりしている。人件費を極力抑えているのがもうひとつの安さの秘訣です」
見せていただいた、仕入れたての魚と貝類。その日その日で安く仕入れられた食材をその日のメニューとして出しているんだとか。
店長「人件費を削っているのでなかなか大変ですが、やっぱりお客さんには安くて新鮮な魚をたらふくたべてほしいので」
その心意気たるや! ひとりですべてをこなすってなかなか大変そうです。
店長「人件費を抑えているので、どうしても提供が遅くなってしまうのがネックではあります。決してサーブが早いというわけではありませんが、それだけお安く食べていただくためなので、気長に待っていただけると」
爆安! 美味! 新鮮魚介に舌鼓
この日のメニューはこちら。赤丸がついたものがその日やそのシーズンのおすすめメニューになります。ちょっと見えにくいかもしれませんが、よーく目を凝らして見てください。とにかくどれも安い!
メニューのなかから、おまかせで出していただきました。
ほたて網焼き 500円(税抜)
まずはほたて網焼きから。カセットコンロに豪快に置かれたほたて。大ぶりの貝柱がふたつに貝ヒモ、生殖巣がどどーんと乗っています。
ちなみに生殖巣が赤色なので、このホタテは女の子のようです。ホタテ子ちゃん。オスだと白。知っておくと飲み会の子ネタに役立ちます。
熱に身もだえはじめるホタテ子。
しばらくすると、フチから煮たってきました。ジュワジュワ泡立つダシ! 芳醇な香り! あああ〜このシズル感たまりませんな。
しかも最後にダメ押しのバターどーん。なんてギルティな事を……!
うわーッ、この海鮮バター醤油の香り、 ヨダレがあふれます。身が縮みすぎないうちに、バターが溶けた汁に貝柱をつけてガブリ! そのうまさたるや鉄板。ホタテ子お前はなんて罪深い女なんやー!
続いてお造りを用意してくれる店長さん。このカウンターはスナック時代からあったもの。開店時にガラスケースや棚をつけるなどして、最低限の改装をしたそうです。
お造り盛り合わせ 1,000円(税抜)
ブリカマ塩焼き 550円(税抜)
しばらく待ったのち登場したのはお造りの盛り合わせと、ブリカマ塩焼き。この日のお造りはマグロ、シマアジ、サーモンと、はもの梅肉がけ。菊の花びらや氷で盛られた美しい一皿です。
ブリカマは厚さが3cmもあろうかという大きいもの。カリっと焼き上げられた皮目が食欲をそそります。箸で身をこそげると、大きくて肉厚な身がかたまりで出てきました。
身がジューシーすぎてブリブリやないか! ブリだけになー。わいうまいこというたなー。なー……。
ツヤツヤの身が美しいお造り。おさかなってどうしてこう……おいしいんでしょう。
濃厚なマグロやサーモン、さっぱりとしたシマアジとハモを交互に食べていくともう箸がノンストップ。くわー、酒が飲みたいぜ!
このあと別件の仕事があったので飲めなかったんですが、ほんとにもう少し理性のタガがゆるんでいたら、間違いなく「酒を! 酒をくれ!」と手を挙げていたことでしょう。あぶねえあぶねえ。
お酒は焼酎を中心に、日本酒やチューハイなど各種そろっています。
海鮮には洋食もあってだな
海老のテリーヌ 400円(税抜)
お造りや焼き物以外に、海産物をつかった「洋」な一品もあります。こちらはアメリケーヌソースをベースにした海老のテリーヌ。テリーヌって400円で食えるもんなのかよ!
アメリケーヌソースは海老の殻やミソ、香味野菜を炒めてつくるフランス料理で使われるソース。芳醇な海老の香りが凝縮されたなんとも濃厚な味です。生クリームベースのソースと3層になっており、その間にも海老がぎっしり詰め込まれた豪華な味わい。
付け合わせの野菜もオシャレですねー。チコリにフリルレタスにトレビス。こんなシャレオツな野菜、そうそうお目にかからないぞ! こんなオシャレな野菜をバンバン使うなんて、某朝のニュース番組だけと思ってましたが、京都の、木屋町の、リーズナブルな居酒屋の一角でお目にかかれるなんて!
カウンターにあった貯金箱。お金を入れると、柴犬がにゅーっと出てきます。
和洋折衷、さまざまな味を楽しんでお腹はすっかり満足! 正直なところをいうと、お世辞にもすぐに商品が出てくるという訳ではありません。この日もテレビを見ながらのんびり出てくるのを待ちました。急ぎの夜ならばむずかしいかもしれませんが、わたしはそういう部分も魅力のひとつだと思うんです。
だって、内装やスタッフに関するコストを極力おさえて、おいしいものを安くお客さんに提供しようと努力されている姿勢がありありと伝わりますから。待っている間はメニューや会話を肴にゆったりと時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。帰るときにはサーブにかかる時間もすっかり忘れて、大満足の帰路につけるはずです。
次は日本酒を片手にいただこう!
お店情報
海鮮
住所:京都府京都市中京区北車屋町276 永吉ビル 2F
電話番号:075-213-1323
営業時間:16:00~24:00
定休日:水曜日
書いた人:
平山(おかん)
京都在住。合同会社バンクトゥの編集者/ライター/たまにイラストレーター。阪神間の酒場をうろつく酒好き。大学時代のあだ名「おかん」がいまや通称に。趣味は料理とアジア旅行。 HP:合同会社バンクトゥ|bankto LLC. ブログ:おかんの人生飲んだくれ日記
関連記事リンク(外部サイト)
老舗の米屋直営「キッチンパパ」の洋食は、ご飯がススムにもほどがある!【おかわりOK】
カルチャーのある酒場より。 体に優しい食材とともに店主談義【まほろば】
観光客には特に優しい!? 店主とほっこり話がはずむ路地奥のカウンター小料理店【秀屋食堂】
食を楽しみたいあなたのスキマ時間を、笑顔と感動と知って得する情報で満たす「グルメ情報マガジン」です。平日は休まず更新中。
ウェブサイト: http://www.hotpepper.jp/mesitsu/
TwitterID: mesitsu
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。