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“管理良好”なマンションに学べ、数年がかりの管理組合改革[前編]

「管理良好」なマンションに学べ、5年をかけた管理組合改革[前編]

マンション住民を対象に公募したマンションマスコットの「ゆるキャラ」の発表が行われ、デザインした女性には管理組合理事から表彰状が手わたされた−−−−2016年4月末に行われた、東京都足立区のマンション、イニシア千住曙町の管理組合総会の風景だ。2015年末現在、わが国の分譲マンションは約623万戸あり、日本人の約12%の世帯がマンションに居住している。東京都に限れば、約4分の1の世帯がマンション居住だ。

こうした分譲マンションと切っても切り離せないのが、マンション管理組合だ。管理組合とは「建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)」に基づき区分所有建物を区分所有する区分所有者によって構成される団体である。つまりマンションの購入者(所有者)は、そのまま管理組合の構成員となる。管理組合は、建物や敷地など共用部分の維持管理を行う。そのため、管理費や修繕積立金を徴収し、管理組合理事会が中心となって、その運営に当たるのだ。

さて、冒頭に紹介したイニシア千住曙町は、2009年に分譲された515戸、5棟、24階建ての大規模マンション。良好な管理組合運営でメディアにも取り上げられるこのマンションについて、2回に分けて改革の内容や理事会の運営についてレポートする。

この日行われた年に一度の管理組合総会は、建物内にあるキッズスタジアム兼集会室を会場に行われた。出席したのは、理事会役員らを合わせて住民約50人で、集会室はほぼ満員だった。

副理事長の應田治彦さん(52歳)は「このマンションでは、議案書をあらかじめ配布して各議案について賛成・反対の事前投票を行っています。本日の第7期通常総会においては事前に97%の投票を得ており、提示した議案についてはほとんど反対もなかったので、総会では詳細の説明を行うのが中心になります」と話す。

土曜日の午前10時、マンションのお祭りやイベント、周辺町会との連携を行うマンション自治会の総会が先に執り行われ、自治会活動や予算執行についての説明があった。その後の40分程度で管理組合の議案の説明と採決がテンポ良くスムースに行われた。総会の締めくくりに、第7期から引き続き第8期の理事長をつとめることになった滝井康彦さん(63歳)から次年度の運営について「リカバリー&フューチャー」という所信表明が簡潔に述べられ、昼時には予定通り全ての議事を終えた。

500戸を超える大規模マンションの管理組合では、輪番制による理事会の硬直化や総会への出席や委任状の確保など、その運営に苦労しているマンションが多いと聞く。ここイニシア千住曙町の管理組合では、風通しのよい管理組合運営が進められ、最後にはゆるキャラの発表・表彰式というオマケのイベントも行われるなど、和気あいあいとして余裕の感じられる運営が印象的だった。【画像1】4月末に開催された年に一度の管理組合定時総会の様子。この日は、理事等を含めて約50人の出席があった(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

【画像1】4月末に開催された年に一度の管理組合定時総会の様子。この日は、理事等を含めて約50人の出席があった(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

問題をあぶり出し、絶え間なく取り組む管理組合改革

「マンションは管理を買え」という言葉がある。これは、良好な管理組合運営が行われているマンションは中古市場でも資産価値も維持される……ということに基づいたものだ。そうしたことを裏付けるように、ある住民からは「最近売りに出され成約した部屋がありましたが、価格は当初からあまり落ちていないようです」という話しが聞かれた。

イニシア千住曙町では、どのようにして「良好な管理組合運営」が行われているのであろうか?

マンション分譲直後の第1期から現在にかけて管理組合の役員をつとめる應田さんは「当初は、管理費・修繕積立金はほとんど余裕がなく、また部屋番号の輪番制による理事会という、財政・ガバナンスはとても脆弱(ぜいじゃく)なものでした」と最初はけして”良好”とは呼べなかった状況を振り返る。【画像2】第1・2期に理事長をつとめ、現在も理事として管理組合理事会の運営に関わる應田治彦さん(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
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