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第61回 刑務所生活

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 今回から刑務所生活について書いていく。
 ただ、最初にまず断わっておきたいのは、刑務所での生活内容については詳しい資料が手元に残存しておらず、記憶のみに頼っているということである。
 拘置所では夕食後や日中に気儘に日記などをつけることができた。また居室内にある規則をノートに書き写しても何の問題もなかった。
 ところが、刑務所の場合、基本的に平日の昼間は刑務作業に従事しているのだから、夜もしくは休日にしか日記を書くしかない。それでも、できる限り克明に日記をつけていたのだが、刑期が満了となり出所する前に荷物の検査があり、そこでノートに規則を書き写していることが問題となり、持ち出し不許可(没収・形式的には所有権放棄)となった。
 内部規則を外部に知られると困ることがあるのだろうか。そんなまずいことのある規則なのか?不思議である。
 ということで、ノートがなくなってしまい、記憶に頼るしかなく、できるだけ正確に思い出そうとはしたが不十分で不正確な部分もあるかもしれないことを断っておく。

 東京で最高裁の判決を知ったのは平成24年10月の下旬であった。
 弁護人らからも連絡が入り、時間稼ぎのようではあるが判決訂正の申立を行うこととした。それも11月中旬ころには認められず、判決が確定することとなった。
 弁護士でありながら、何時、どこに行くべきかが分からなかった。

 東京地検でもいいのではないだろうか、そこから東京拘置所に行き、その上で刑務所に行くのではないかという弁護士もおり、私もそれでいいのかなと思った。
 我々弁護士は、刑事事件では判決をもらって終わりで、その後のことまではさほど考えたこともなく、不勉強の極みであった。
 ただ、刑事訴訟法などを思い出しながら、よくよく考えてみると、刑の執行は判決書に基づいて行われるのである。判決書を含む確定記録は最高裁での確定の場合には2審を担当した高等検察庁へ、1審判決が確定した場合には地検に送られ、それぞれの検察庁が執行指揮をとることになる。

 私の場合最高裁での確定であるから、その判決書を含む確定記録は宮崎の福岡高等検察庁宮崎支部にあるはず。ということで宮崎に出頭すべきであることに気が付いた。記録がない東京地検に出頭しても仕方がないのである。
 では、いつ出頭しなければならないのか。この点については、主任弁護人に検察事務官から問合せがきたそうで、私本人と直接打合せてもいいと検察庁は言っているがどうするかと弁護人から聞かれ、私自身が検察事務官と打合せをすることにした。

 早々に収監かなと思いながらも、検察事務官に、その当時受任していた事件の引継ぎなどもあってある程度の猶予をもらいたい旨をダメ元でお願いすると、これがすんなりと受け入れられ、私の方から、いくつかの候補日を提案した。
 おそらく宮崎刑務所の都合もあるのかもしれないが、検察事務官との間で、幾度かのやりとりをして、いろいろと調整をした結果、12月10日の午後に出頭することに決まった。かなりの余裕があると思ったが、バタバタと忙しく、あっという間にその日となった。

 刑務所に入るのに先立ち、刑務所に持ち込めるものは何か、下着などの枚数制限はどうなっているのか、必ず持参した方がよいものは何かなど、まるで分からないことが多いことに気が付いた。こういうときは、問合せをするに限る。

 宮崎刑務所に電話をして、12月10日に入所する予定の山本であると名乗って、いろいろと聞いたところ、丁寧に教えてもらった。聞き方が悪く結果的には不十分であったが。

 前日から知人の弁護士と宮崎入りをして、もしも仮釈放があるとしても、最低でも1年間ほどは味わうことのできない娑婆での晩餐をとった。(つづく)

元記事

第61回 刑務所生活

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