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心筋梗塞・脳梗塞・脳卒中 10年以内の発症確率わかるサイト

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 年齢、性別のほか、健康診断の6項目の数値を入力するだけで、10年以内に心筋梗塞・脳梗塞・脳卒中を発症する確率が算出できる──そんな画期的なシステムが開発された。

 国立がん研究センターと藤田保健衛生大学らの共同研究によるもので、ネットで藤田保健衛生大学のホームページ内のサイト(*注)にアクセスすれば、40~69歳の人なら誰でも簡単に自分の発症確率を知ることができる。開発に当たった藤田保健衛生大学の八谷寛・医学部公衆衛生学教授の話。

「健康診断では個々の検査項目ごとに、異常があるかないかを判断することが多い。そのことには合理性がありますが、生活習慣病と呼ばれている心臓や脳血管の病気の予防という観点からすると、“どれくらい異常なのか”はわかりにくい。各項目を組み合わせて、総合的に判断することが必要です」

 さまざまな項目を組み合わせて包括的にリスクを評価するのは世界的な潮流だという。

「心筋梗塞や脳梗塞は、高血圧、糖尿病、脂質異常、過度の飲酒、喫煙などが原因であることがわかっています。こうした危険因子を組み合わせることで病気が発症する確率を算出する研究は、世界で進んでいるのです」(八谷氏)

 研究グループは1993年に茨城、新潟、高知、長崎、沖縄の5県で、心筋梗塞・脳梗塞を発症したことのない40~69歳の1万5672人の男女を対象に16年間にわたって追跡調査を行なった。すると、うち192人が心筋梗塞、552人が脳梗塞を発症していたという。

「そこで得られたデータをもとに、研究開始時の健診成績と生活習慣から、その後10年以内の心筋梗塞および脳梗塞の発症確率を予測するモデルを開発しました。そして岩手、秋田、長野、沖縄の4県で行なった別の調査で得られた1万1598人のデータで検証し、予測モデルの正確さを確かめました」(八谷氏)

 アメリカにはすでに全国規模の集団で得たモデルがあるなど、欧米では研究が積み重ねられてきた実績がある。だが、欧米人と日本人では体質が異なるため、その研究結果をそのまま日本人に当てはめるわけにはいかない。この算出システムは、欧米における過去の研究や報告を応用し、トライ&エラーの末に到達したものだ。

 この研究チームは、2013年には脳卒中の発症確率を予測する計算方法を発表していた。年齢、性別、喫煙、肥満度(BMI)、糖尿病の有無、血圧の6つのリスク要因を点数化し、合計点数から発症確率を予測するもので、本誌(2013年4月12日号)でもその算出方法を紹介した。当時は点数を自ら計算するアナログな手法だった。

 さらに前回と違って、今回は肥満度の代わりにコレステロール値が入っているが、それは「動脈硬化との関係が強い脳梗塞の予測には、肥満度は有用ではなかった」(八谷氏)という理由からだという。

【*注】藤田保健衛生大学のホームページ内サイト
http://www.fujita-hu.ac.jp/~deppub/risk.html
※このサイトでは心筋梗塞と脳梗塞の発症確率診断のみ。脳卒中の発症確率は国立がん研究センターのサイトで診断できる。https://epi.ncc.go.jp/riskcheck/str/

※週刊ポスト2016年6月10日号

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