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ベンチャー支援連合軍が語る!いま、ベンチャーに飛び込むべき理由──『ベンチャーDive!2016 Spring』レポート【3】

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リアルサンカクイベント「ベンチャーDive!2016 Spring」3本目のトークセッションは、「ベンチャー支援連合軍が語る!いま、ベンチャーに飛び込むべき理由」。ここでは4つのテーマ、ベンチャーの「魅力」「困難」「人」「成長」について語られた。

ベンチャー支援者たちが語る、ベンチャーの魅力とは

登壇者一人目はグロービス・キャピタル・パートナーズの福島智史氏。グロービス・キャピタル・パートナーズは日本最大級のベンチャーキャピタルである。「支援しているベンチャーの話を踏まえて話したい」(福島氏)。

株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ シニア・アソシエイト 福島智史氏

二人目はIncrements 取締役の小西智也史。同社はプログラマのための情報共有サービス「Qiita」、ドキュメント共有に特化したコラボレーションサービス「QiitaTeam」、プログラマのためのキャリア構築支援サービス「Qiita:Career」という3つの事業を展開。事業会社でありながらもベンチャーを支援している。

Increments株式会社 取締役 小西智也氏

三人目はQUANTUM Inc. 田中志氏。田中氏はボストンコンサルティンググループの出身で、現在はStrategist兼BizDev Managerを務める。同社は大企業とスタートアップ異業種同士の組織といった従来では交わることのなかったものを重ね合わせ、創造的破壊を生み出すことをミッションとしている。「コーポレートアクセラレーターのみならず、コーポレートスタートアップスタジオの運営などまで幅広く手掛ける」と田中氏。

TBWA HAKUHODO QUANTUM Project Manager 田中志氏

そしてモデレータを務めたのが、NET jinzai bank中村優太氏である。NET jinai bankは「人」という面からベンチャーを支援している会社だ。FacebookやGoogle等を創出している米国VCであるSequoia CapitalやAndreessen Horowitzのように、「カネ」の支援のみならず「人」を専門的に集めてくるHRブースターとしてスタートアップマーケットを支援している。

NET jinzai bank ヒューマンキャピタリスト兼メディア企画責任者 中村優太氏

まずは「ベンチャーの魅力」について。

福島氏:ベンチャーの魅力はスピードの速さ、つまり変化だと思っている。自分の裁量が増えてスピードが上がる。動かす規模は小さいかもしれないが、たとえ判断をミスしてもそれが許され得る環境。いろんな失敗を通して、学びを得ることができる。変化がベンチャーの魅力だ。

田中氏:私のチームとしては14から16人で働いているが、前職と比べていいのはオフィスにいなくても成果を出せば良いこと。ベンチャーだとカフェとか美術館とか自分なりに好きな場所を仕事場にできる。それが、個人的にすごく良いところだと思っている。

福島氏:服装もスーツを着なくてよいのがいいよね。

小西氏:ベンチャーの魅力は変化と関連するが、全部自分で決めてもよいという裁量の大きさ。変化を自分で起こせるところ。今の環境が飽きたときは自分でアクションして変化を起こすことができる。もちろん責任を取らないといけないが、それが魅力だと思う。

中村氏:ベンチャーの魅力は人だと思っている。大企業における『あの人すごい』と言われるようなタイプの人が集まっている。そういう人たちと毎日一緒にいられるのは、幸せなことだと感じられるはず。

ベンチャーの困難、大企業とはどう違う?

続いてのテーマは、「ベンチャーの困難。それぞれの体験談を交えながら、意見が交換されていった。

小西氏:起業して一番恐怖に感じたのはお金がどんどん減っていくこと。それに耐え続ける精神力が必要だと思う。もちろん、お金を使って自分でもチャレンジできることは楽しいが。それをどう捉えていくかが難しい。

福島氏:キャッシュフローが厳しくなる可能性があることは現実なので覚悟しておいた方がいいと思う。一方で、何らか仕事はあるのでそのリスクを取れるならベンチャーに飛び込むことはお勧め。

「見分けるコツは」という中村氏の突っ込みに対して、福島氏はこうアドバイスした。

福島氏:面接で聞くことだが、オフィスと人をセットで見せるミートアップイベントに参加するといいかもしれない。入った後の困難なこととして挙げるとしたら、「文化や風土の違い」。例えば、契約書がFacebookメッセージで日常的に送られてきたりしたことには驚いた。今まで自分が身に付けてきたことを忘れる、アンラーニングすることが必要だが、当初は困難だった。

田中氏も福島氏の発言に同意する。中村氏は「ベンチャーでは誰も手をつけていない仕事は、やりたい人がやることになる。しかしその仕事が残っていたりすることが怖くて仕方なかった」と語った。

ベンチャーで人はどう成長できる?

3番目のテーマは「ベンチャーの人」について。中村氏は「ベンチャーで働いている人たちにはどのようなタイプの人が多いのか」という質問を投げかけた。

福島氏:変化に対応できる優秀な人とそうでない人の差が大きいと感じている。いずれにしても人が成長して変わっていくので、そこも面白い。

田中氏:ベンチャーやスタートアップは本当の意味での実力主義だなと感じる。そしてTシャツ大好きという人も多い(笑)。

小西氏:前職の比較的規模の大きいSIerと比べると、何でもやる人が多いように思う。自分の領域を決めて、それ以外はやらないという人はいない。

「ベンチャーの成長」とは何か?

最後のテーマは「ベンチャーの成長」について。

福島氏:会社の成長は、創業からのフェーズによってわかれるが、創業から10人ぐらいまでのときと、30人以上になってからの成長ではスピードに違いはあるが、いずれも事業の成長=組織の成長になる。大事なのは組織の成長につながる文化を創れるかだと思う。個人の成長については、困難なことも多いので、それにプロアクティブにチャレンジすることで、大きな成長ができると思う。とにかくホームページを見ているだけではわからないと思うので、直接、興味のある会社の人たちに会うことをお勧めしている。

田中氏:「こういう成長がしたい」ということが明確に言えない人にこそ、スタートアップをお勧めする。本当の成長は言語化できないところにあると、日々の仕事を通じて感じる。

小西氏:心配はあるかもしれないが、成長したいならベンチャーはお勧め。

ベンチャーに関心がある人へのメッセージ

最後に、次のようなメッセージが会場の参加者に送られた。

田中氏:会場にいらっしゃる方の多くが大企業にお勤めの方だと想定してお話すると、最初は皆さんの企業内にある新規事業部の方を、できる範囲で手助けをするところから始めてみればよいと思う。そういう身近なことから始めることで、スタートアップに参加していく際のストレスを最小化できると思うし、入っていけると思う。

福島氏:今の環境に不満のある人は、ベンチャーへの転職を考えてみてもいいと思う。一方で、すぐに転職というのは敷居が高いので、平日は今の会社の仕事を頑張り、週末にハーフコミットで、ベンチャーで働いてみることもよい。そういうマーケットもできている。ご質問してもらえれば赤裸々に答えられる。いずれにしても生きている感が足りない人は、ベンチャーに転職した方がいいかも。

小西氏:安易な転職はお勧めしない。ベンチャーやスタートアップはしんどいことの方が多いと思っているからだ。まずは今の環境を変えてみることにチャレンジする。それができなくて転職の意思があるなら、前向きに考えてみる。ベンチャー企業の場合、会社の成功が自分の成功になる。だから仕事をすること自体が自分の生きがいになる。深いコミットが必要だが、前向きにキャリアを選んでいくと面白い。

中村氏:睡眠時間以外の残りの時間を、何のためにどのように使うのかを真剣に考えることをお勧めする。人はワークとライフを分断してしまうのではなく、それぞれがミックスされ相乗効果でどちらも良くなることで最大限の幸せを感じられると思う。起きている時間を最大で活用できる仕事場とはどんな仕事場か、真剣に考えてほしい。

⇒ ソニー、DeNA、リクルートが語る『産業構造を変えにいく、企業内新規事業の実態』に続く

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