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あれはもしやマタハラ? 気遣いの名を借りた、ある日突然の解雇

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今思えば、あれって最近何かと話題のマタハラだったのかな…と今でもモヤッとすることがあります。

忘れもしない、一人目を妊娠したときのこと。

その頃私は、派遣社員としてある会社の社長秘書になったばかりでした。

昔から憧れていた秘書という職業、実際に就いてみたら、それはもう大変でした。

とにかく社長がワンマンで気難しく、機嫌を損ねないように、粗相のないようにと一日中気を遣う日々。

ストレスだらけの毎日でした。

そんな中、不妊治療をしてもなかなか授からなかった私たち夫婦に、待望の赤ちゃんがやってきたのです。

新しい仕事に就いたばかりで申し訳なかったけれど、何年も待ち望んでいた妊娠。

なんとか臨月まで働いて、その後のことはまた相談させてもらおうかな、なんて思っていたら、早々に始まりました。

噂に聞いていた、つわりの症状が…。

通勤電車に泣き、隣のデスクの男性の体臭に泣き、たびたび襲ってくる吐き気と闘い、隙を見てはトイレに籠りながらも、なんとか業務をこなしていた私。

妊娠初期であるが故に周りにはまだ言えず、直属の上司にだけこっそりと妊娠を伝えていましたが、やはり社長にも打ち明けなくては…と、意を決してメールを送りました。

妊娠をしたこと、今はつわりが少しキツイけれど仕事に支障がないよう頑張りたいこと、臨月まではお世話になりたいこと。

すると翌日、移動中のタクシーの中で、社長からこんなことを切り出されたのです。

「赤ちゃん、よかったな。ただ、今の仕事だと、たとえば資料を取りに行ってきてほしいとき、走って転んだら…とか俺もいろいろ気にせなあかん。そうすると、仕事を頼みにくくなるんや。これからは、出張も増える。出張には、もちろんついてきてもらいたいと思ってる。やっと出来た赤ちゃんやろ。大事にせなあかん」

え、これは、いったいどういう意味?と戸惑っていると、

「無理しなくていいから。今が一番大事なときや。仕事は辞めて、家でゆっくりしなさい」

つまり、仕事を辞めろってこと…?

「あの、ではいつまで来たらいいのでしょうか?」

「体調悪いんやろ。もう明日から来なくていいから。元気な赤ちゃんを産んでな」

つまり、事実上の解雇宣言でした!

普段、優しい言葉などひとつもかけるタイプではない社長が、このときばかりは私の身体とお腹の赤ちゃんのことをしきりに気遣い、これまで一度もしたことがないような自分の子どもの話もしてくれて、とにかく優しい素振りを見せてくれました。

この話を上司にすると、

「あの鬼社長が、そんな優しい言葉を?」

と驚いてはいましたが、よくよく考えれば、妊娠を理由とした一方的な解雇ですよね。 関連記事:妊娠中の勤務に職場からNGの声、育休明けの労働条件も…。私がが選んだ道は「退職」

派遣会社に報告すると、

「そんな急な話はない!せめてあと一カ月は出勤できるように会社と話をする!」

と言われました。

給与のこともありますし、あまりにも急すぎるので、実際に人事部に掛け合ってくれたようです。

…が、その時の私の本音はというと、

(社長の優しさが本心であっても、辞めさせたい一心の演技であってもどっちでもいい、辛いストレスだらけの毎日から解放されるなら、解雇されても構わない)

という想いでした。

とにかく、つわりで苦しい中で、会社と揉めるようなことは避けたかった。

結果、解雇ではなく、自ら退職を申し出たという形で決着となりました。

今となって冷静に考えれば、なんとも理不尽な解雇のされ方だったなと思います。

妊婦はストレスフリーでいることが大切だし、私の場合は、産後に職場復帰する予定ではなかったので、結果オーライという感じですが…。

いま妊娠中で仕事を続けている人は、妊娠を報告する順番や伝え方に注意し、妊娠中や産後の働き方の希望をしっかりと伝え、それに対する職場の対応におかしな点がある場合は、強く主張していいと思います!

少しでも女性が働きやすい環境が整っていけばいいな、と切に願います。 関連記事:教えて大渕弁護士!職場に妊娠を報告して始まったのは信じられない嫌がらせ…マタハラ被害者座談会《前編》

著者:えみきゅ

年齢:37歳

子どもの年齢:長男5歳・長女2歳・次女8カ月

慎重派の息子と大胆な娘に翻弄される日々。そして三番目の娘は、文句なしにかわいい!癒される!三人目は孫みたいにかわいいとは聞いていたけど、ここまでとは…。イライラすることや迷い、不安もたくさんあるけど、三人の天使たちに囲まれて、幸せな日々です。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

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