ちゃんと知っておきたい! 国家資格と民間資格の違いは?
自分の将来に役立つ資格って何? そんな興味をもつ人も多いはず。
でもいろいろな資格があって、どんな資格を目指せばいいのか迷ってしまう。
そもそも国家資格と民間資格はどう違う? 資格専門誌『稼げる資格』編集長の乾喜一郎さんに聞いてみた。
まず、国家資格とは?
「国の法律で規定されている資格で、知識や技術が一定の水準以上であることを国が認定するものです。国家資格が設けられた目的から、大きく2種類の資格に分類できます」
資格を取った人だけが業務ができる「業務独占資格」
1つめは、「人の安心・安全な暮らしを守る目的で設けられた資格」と乾さん。
「医師や看護師など人の生命に関わる医療の資格や、建築士、土木施行管理技士など住まいや公共インフラに関わる建築・土木技術の資格などです。
これらは資格をもつ人だけが業務にたずさわることができ、資格がなければその業務を行なってはいけないと法律で決められていて、業務独占資格と呼ばれています自動車運転免許も業務独占の国家資格なんですよ。
免許のない人が運転していたら危険極まりないですよね。同じように、高校生のみなさんがおしゃれをするのにお世話になっている美容師も、業務独占の国家資格です。
お客様の髪や頭皮を傷めないよう、安全に行う技術が不可欠な仕事なので、資格を持っている人にしか許されていないのです」
資格を持っている人だけが名乗れる「名称独占資格」って?
そして、2つめは「専門家を育てる目的で設けられた資格」と乾さん。
「例えば、介護福祉士や社会福祉士。
両方とも1987年に始まった国家資格で、背景にあるのは高齢社会の進行です。
高齢者福祉の専門家が必要とされ始めていた頃だったのです」
このような専門家育成を目的につくられた資格は、“資格がある人だけがその名称を名乗ることが認められる名称独占資格”となっていることが多いと乾さんは言う。
「業務独占資格と違い、資格がなくても業務を行うことはできます。
保育士を例に挙げて説明しましょう。保育士は名称独占の国家資格。資格がなくても保育の仕事で働けますが、“私は保育士です”と名乗ることは法律で禁止されています。
でも資格を取れば名乗ることができ、保育の専門技能をもつ証明になります。
これは、大きな利点で、専門家として社会的に認められることにつながり、就職活動でも有利になる場合もあるでしょう。企業などが従業員を募集する際、資格を持っていることを応募条件にしているケースも多いのです」
業界で活躍するために必須となっている民間資格も
このように国の法律に基づく資格が国家資格で、それ以外の資格はすべて民間資格。
国家資格との違いは認定する主体が民間ということで、民間団体や企業などが独自の基準を設けて認定している。
「民間資格といっても、国家資格と変わらないくらいの知名度や有効性のある資格もたくさんあります。
たとえば、インテリアコーディネーターやネイリスト技能検定試験など、その業界で活躍するための必須資格になっている資格もあるんですよ。
おなじみの英検やTOEICも民間資格ですが、語学力の証明になる資格です」
目指したい資格はどう選ぶ?
資格を取りたいと思ったとき、どんな点に注意して資格を選べばいいの?
「国家資格か民間資格か、ではなく、将来どんな仕事をやってみたいのかを考えることから始めてください。
そして、その仕事に就く方法を調べるうちに、“資格が絶対に必要”“資格があれば就職に役立つ”といった情報を得ることができるでしょう。
目指したい資格が決まってきたら、次に、資格を取るにはどうすればいいか調べていけばいいのです」
チェックポイントは2点
☆資格試験を受験するための条件は?
受験条件がなく誰でも挑戦できる資格もあるが定められた学歴や、大学、短大、専門学校で指定された科目などの履修が条件になっているケースも多い。
特に業務独占の国家資格取得が必須の仕事を目指している人は、要注意!
☆学校卒業と同時に取得できる資格もあるけれど、その場合の条件は?
「資格試験を受けなくてもOKな代わりに、規定のカリキュラムを履修しているなどの条件が決められています。
一例を挙げると国家資格の幼稚園教諭免許状。国家試験なしで免許を取れますが、大学や短大、専門学校で所定の課程を学ぶことが必須条件です。
進学した学校には免許を取れるカリキュラムがなかった、なんてことのないよう確認しておきましょう」
さて、キミの憧れの仕事は、どんな資格が必要? 進学先を選ぶとき、やってみたい仕事に就くための資格を目指せるカリキュラムがあるかどうか、しっかり調べよう!
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