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「シニアに優しい街 北九州」をちゃんと知れるお試し居住[後編]

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北九州市で始まったアクティブシニアを対象としたお試し居住。第1回目は8組9名のモニターが参加したが、そのうち2組のご夫婦が移住を前向きに検討中と結果としては上々だ。体験者はお試し居住を通じてどういう印象を持ったのだろうか。参加してみた感想や移住を決めたポイントなどを伺った。

5年後を見据えたときに、安心できる未来を手に入れたかった

今回のお試し居住をきっかけに北九州市への移住を検討している佐藤三征さん(75歳)、蘇美さん(75歳)ご夫妻は現在、横浜市戸塚区でマンションを購入し快適な生活を送っている。しかし将来、子どもたちにとって「自分たちの介護は負担にならないか」と最近になって考え始めた。

【画像1】佐藤ご夫妻。介護される立場になったときどうするか。自分の居場所を選択しようと考えていたときに地方創生のニュースをテレビで見て、2人はお互いの故郷である北九州へ関心を向けた(画像提供:佐藤三征)

『もしも介護が必要になったときのために万全な体制を整えておきたい』加えて『まだ健康なうちに趣味や経験を活かした社会活動をしたい』。この2つの希望に沿えるような場所が故郷・北九州にあるのではないだろうか。そんな事をぼんやりと考えていたときに偶然「お試し居住」の募集を知り、まずは現地に行って北九州市が「ついの住みか」になるかどうかこの目でみてみようと勢いで今回の参加を決めた。

佐藤さんご夫妻はともに高校まで北九州市で暮らしており、親類に会いに帰郷するなど訪れる機会は度々あった。とはいえ、自分たちが行く場所は親戚の家近辺と決まっており、地縁が薄いと感じているなかで移住へのイメージが全くつかめなかったそうだ。実際、お試し居住への参加が決まった後も前日まで不安でいっぱいだったそう。

しかし直接現地へ行ってみて、ご夫妻の不安は次第に減っていった。なぜならば目の前には自分たちのイメージしていた北九州市とは異なった風景が広がっていたからだ。

製鉄所のイメージが一新。そこには新しい北九州があった

佐藤三征さんはこう語る。

「北九州といえば工業地帯のイメージがありますが、コーディネーターさんに案内してもらった黒崎エリアには文化的な施設も出来ているし、東田地区も新日鐡工場がなくなり、まちの風景が大きく変わっていました。自然環境も充実していて、適度に田舎で適度に都会。バランスの良いまちだという印象を受けました」

「また介護施設も横浜と比べて進んでいるような気がします。都会だと施設の数と需要者の供給バランスが崩れていて、自分たちが希望したときにすんなりと入所できるかどうか不安がある。けれど北九州市では容易に入所可能のようだし、建物のつくりそのものが立派で環境もいい。いざというときに快適に老後が過ごせるんじゃないかなと感じました」

【画像2】横浜で傾聴ボランティアをしている蘇美さんは、北九州市のシニア層はパワーがあると良い印象を受けたそうだ(画像提供:佐藤三征)

【画像3】子育てふれあい交流プラザにて。北九州市は待機児童ゼロ(2016年5月現在)で児童館が市内全域で42施設あるなど子育て支援施設も充実している(画像提供:佐藤三征)

お試し居住を通じて観光名所や介護施設を回った結果、コンパクトで動きやすいまちの機能性や介護医療施設の充実ぶりを目の当たりにして、今までの北九州のイメージとは異なった印象を受けたとのこと。佐藤さんは最初は半分半分の気持ちで移住を検討していたが、この滞在を通じて気持ちが変化。同行していた妻と話し合い、横浜のマンションの売却が決まればすぐにでも北九州へ移住しようかと検討している。

また、バリアフリー対策が施された高齢者優良賃貸マンションが横浜と比べて圧倒的に条件が良いのも魅力的だった。これから移住を検討する人や、お試し移住のようなものに参加する人にこんなアドバイスをしてくれた。

「もしお試し居住に参加するときは実際に自分が住んでいる地域の介護施設の受け入れ状況や高齢者優良賃貸住宅の条件を調べて行くと良いと思います。横浜は入居条件が自分たちにとっては厳しく入所までに時間を要する印象がありました。北九州はそう言った制約が少ないので、もともとマンション購入を検討していましたが賃貸で探すことに決めました。もしお試し居住をするならご夫婦で、ある程度住む場所も候補に入れて探すと効率的だと思います。実際に行ってみるとまだまだ北九州の良さが県外に広まっていないと感じてますので、一度試しに来てみたら良いですよ」と話す佐藤さん。声はとても弾んでいた。

ひととの繋がりの強さに感動。治安面の不安もクリア

横浜市に住む原満さん(50歳)は北九州市より少し南に位置する行橋市に実母が住んでおり、介護の面から博多か北九州への移住を検討していた。Uターン就職を探していたときにキャリアコンサルタントからお試し居住の説明会への参加を勧められ、その流れで参加をしたとのこと。実際にまちへ行ってみて感じたのはひとの温かさと食のクオリティの高さ。また交番が関東よりも多く、警察の人数が多いので安心感を覚えたとのこと。家族を連れての移住は治安面が慎重になるが実際住んでみたところ問題ないと感じた。

また原さんが感動したのはひとの繋がりの強さ。原さんは転職も視野に入れての滞在だったので企業訪問が主だったが、地域の勉強会にも参加した。そこでひとの輪が広がり、100名ほどの友人知人が出来た。今でも定期的にやりとりをしているそう。

「滞在中にラジオにも出たんですが、僕が転職活動中だと話したら、視聴者が人事担当を紹介してくれたり。まち全体がウエルカムな雰囲気が良いですね。行く前は移住の可能性10%だったのですが今は100%になっています。どんな人とつながるか、というのも移住にとって決め手となると思いますので、まずは地元のコミュニティに入れてもらうという姿勢が大切だと思います。上から目線で見ず、敬意を払って話すことです」

原さんはお試し居住体験後、本格的に転職活動を実施。6月以降は福岡市内のIT関連の会社に勤めることになった。現在は会社とも相談しながら本格的に住まいを探している最中だ。

【画像4】お試し居住メンバー一同と。原さんは前列一番右側(画像提供:原満)

2組のお試し居住での体験談を聞いてみると、県外で聞くニュースと実際では大きく異なっていたことが移住へのポジティブ要因となっているようだ。言葉では表現しにくい暮らしやすさを実際に体感してみると北九州は海も山も近く、住みよいまちなのかもしれない。今回のモニター参加者の意見も踏まえ、市も情報発信を定期的に行い、またシニア向けの仕事紹介につながるようハローワークとの連携にも取り組み始める。

北九州市が政令都市のCCRC構想のモデル地域になるのか。これからも注目していきたい。●参考

北九州市に移住・定住するための北九州市公式情報サイト「北九州ライフ」
元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2016/05/111859_main.jpg
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