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妄想と創作のはざまで味わうオンリーワンメニューの個性派カレー! 「妄想インドカレー ネグラ」【高円寺】

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「妄想インドカレー」と聞いて、なんのことやら? と思うだろう。妙に引っかかってしまう店名の由来は、インドに行ったことのない店主が、本場へ思いを馳せて作り上げた想像上のメニューを出すという意味合いが込められている。

店主の大澤思朗さんいわく「インドカレーを勝手に解釈した我流の偽物カレー」とのことだが、実際に食してみるとこれは我流を極めた、実にオリジナリティあふれる味。奇抜な店名以上に味覚を驚かされた!

「最短距離」のカレー屋さん

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お店の右はギャラリー。いかにもサブカルの街・高円寺なたたずまい!

ここ「妄想インドカレー ネグラ」は、東京・高円寺駅南口の商店街からすぐ。

狭いバーを改装した店内の席数は6席のみ。バーカウンターの奥で店主が切り盛りしていて、お客さんとの距離感がおそろしく近いカレー屋さんだ。そして取材中もひっきりなしにお客さんがやって来る人気店である。

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カウンターを隔てているとはいえ、近すぎるこの距離感。自然と会話も弾む!

個人経営ならではの独特な方針で、メニューは基本的に常に2種類で、店主の考えたインドカレーがメイン。

鍋の中のカレーソースが尽きると、新しいカレーを考案して作るという、日替わりというか鍋替わりの運営だ。試しにインスタグラムでハッシュタグを付けて「#妄想インドカレー」を検索すると、毎回違うカレーがずらりと並ぶ。

妄想を日々生産し続けているのだ……。ほぼ毎日メニューが変わるため、メニュー表もなし。なので、今日は何が食べられるかは、店主に直接問いかけるしかない……!

混ぜ合わせることで劇的な味変が!

さてさて期待も膨らみつつカレー2種の相掛けを注文。出てきた本日の妄想カレーは見た目もオリジナル!

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合掛けのカレーライス、1,000円(写真上)。ちなみに片方掛けは900円

左右別のカレールウを掛けるのは、毎日共通とのこと。南インドの庶民食「ミールス」がベースとなっているが、他では例えようのない妄想インドカレーを解説していこう。

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こちら側は、エビと中国の香酢を使ったビンダルカレー。

カレーに使われているスパイスは3、4種類。野菜の甘味などの素材の味を引き立てるために、最小限に抑えている。そしてこれが意外なのだが「食べ終わった後に美味しいな」と思える味を作るために、にんにく、生姜、赤唐辛子は入っていない。それもあって、スパイスの風味とエビの甘みが純粋に楽しめる味だ。

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こちら側は、今の時期しか出回らない「葉たまねぎ」を使ったキーマカレー。

「葉たまねぎ」のさっぱりとした甘味と肉の旨味がマッチ。食材の購入は八百屋さんと話をして、季節の野菜を取り入れることが多いという。

ライスは、タイのジャスミンライスにクローブとカルダモンを混ぜて炊いたもの。スパイス尽くしなひと皿だ。

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皿の中央に盛られたサラダは、生食ができるホワイトセロリとニンジンを和えたもの。と、ここで店主の大澤さんからアドバイスが。

ぜひ2種類のカレーを混ぜてみてください。乳化するので味がまろやかになっていきます(大澤さん)

言われたとおり、さらっとした2種類のカレールーとサラダを少しづつ混ぜながら食べると、味が変化して面白い。味の角が取れていくというのか。野菜のシャキシャキ感と、カレーのスパイスの風味、ライスの甘さが渾然一体となって舌を楽しませてくれる。このお店ならではの食べ方が意外とイケるのだ。

カレーよりもスパイシーなチャイ

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野菜を和えているスパイスは、野生のブラッククミン。左が通常。右が野生

このお店ならではのこだわりは、スパイスにも表れている。インドの市街地から約2時間かかる山岳地域の村でしか取れない自生のクミンを、海外に住む知人に取ってきてもらい輸入している貴重な品だ。

ただ、最近は治安が悪くなって取りにいけなくなったそう。存在するだけで物語を背負っている食材だ。見た目だけでなく、野生の雑味があってワイルドな香りが、スーパーなどで売っているクミンとはもうぜんぜん違う。

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辛さが足りなければ、スライスした青唐辛子を投入できる。際立つ辛さを追加。

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食後に出てきたのは、これも変わった逸品。チャイのまろやかな味のイメージを覆す、スパイシーな妄想チャイ(500円)。

なんとカレーひと皿分のスパイスが入っているとのことで、食前に飲んでしまうと、チャイの辛さでカレーが味わえないため、食後の一杯となる。

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スパイシーなチャイには、削ったジャグリ(ナツメヤシ、サトウキビなどの糖蜜)と砂糖を混ぜたものを入れると甘みが増す。大量のスパイスの効果で、身体が自然にホカホカと温まり、健康になりそうな飲み心地だった。

あなたのスパイス調合します

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元々はクラブイベントなどでケータリングをしていた店主の大澤さん(左)と、近藤さん。

ストリートアートのレセプションパーティーから商店街のお祭りなどにも出店し、呼ばれたイベントのコンセプトに合わせたスペシャルカレーを作っていたのが発端だ。車の免許を持っていないため、カートで荷物を運んで出店を続けたという苦労もあったという。

修行中もメニューのチャレンジを続け、サンマとスダチを使ったビリヤニ(!)など、個性あふれる料理が人気だったそうだ。スパイスだけでなく、カルチャーの匂いもプンプン漂ってくるのは、いろいろなイベントに参加した過去の経験からだ。

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お店の客層は、高円寺ならでは。近所には飲み屋さんも多く、仲間同士の小さなコミュニティーも多々。そこでの口コミによる来客が営業に直結している。

毎回メニューが変わるため、平日に通い続ける人もいる人気店になった。カレー屋さんなのにビールを飲みに来るだけの変わった人もいるのは高円寺ならでは。

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厨房がないのでスパイスが丸見え。高円寺でお店を開いているインド人の方が偵察(?)に来て、スパイスを見て「ふーん、これ使っているんだ(笑)」と言われたそうだがその真意は分からず。

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ひときわ目を引く「あなたのスパイス調合します」のメッセージ。お客さんと話しながら、その人に合うスパイスを調合してくれるサービス。ここでしか手に入らないので土産に最適だろう。

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お店オリジナルの缶バッチも販売中。

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いかにもロックな街、高円寺らしいフライヤーも。

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21時以降はバーとして営業。日替わりのバーテンダーがお店に立つ。メシ時だけでなく、夜も賑わっている。

残念なことに「妄想インドカレー ネグラ」は、現在の店舗での運営は2016年7月末までとなる。理由はお店が入っている建物の老朽化で取り壊されるためだ。次に味わえるのはいつになるのかわからないので、想像上の味覚の旅に出られるは今のうちに。

お店情報

妄想インドカレー ネグラ

住所:東京都杉並区高円寺南4-25-1

電話番号:非公開

営業時間:13:00~21:00 ※日により変動します。facebookページで事前確認してください。

定休日:月曜日、火曜日

ウェブサイト:facebookページ

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書いた人:

高岡謙太郎

オンラインや雑誌で音楽・カルチャー関連の記事を執筆。共著に『Designing Tumblr』『ダブステップ・ディスクガイド』『ベース・ミュージック ディスクガイド』など。

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