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工房でできるDIY。アイアンスツール制作で溶接にもチャレンジ

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家具や暮らしのアイテムなどを手づくりするDIY。最近は女性一人でも壁のペイントや、椅子やテーブルなどを制作するケースも増えているようです。それにともなって、DIYができる工房も続々とオープンしています。基本的には、木工がほとんどですが、なかには溶接などの金属加工といった少しハードルが高いDIYにも挑戦できる工房もあるようです。

温度は約3000℃! ドキドキの溶接を初体験

そんな工房のひとつが、神奈川県川崎市にある「中原工房」。小物雑貨から大型家具までDIY用に工作機械や工具などを備えており、個人のものづくりをサポートしているスペースです。ちなみに、工房利用者の7割以上は女性なのだそう。なかでも、特徴は木工のみならず鉄などの金属を切断、加工、溶接できるところ。個人ではなかなか手が出せない金属を用いたDIYですが、中原工房では専属のスタッフの指導のもとチャレンジすることができます。

というわけで、今回は中原工房のスタッフ・佐藤陽治さんに指導いただきながら、溶接のなかでは比較的難易度の低いアイアンスツールを制作してみることにしました。材料は持ち込みも可能ですが、事前に中原工房に依頼して購入することもでき、かつ作業前に準備されるので便利です。

基本的には動きやすい靴と服装で臨みさえすればよく、こちらで用意するものはとくになし。エプロンや厚手の革手袋なども、中原工房で用意してくれます。ただ、溶接のときに万が一にも火花が飛んだとき、服に火が燃え移らないように合成繊維ではなく、綿や麻の洋服を着ていきましょう。

それでは早速、「メタルソー」と呼ばれる金属をカットする機械で、椅子の脚と座面の枠に使うサイズにカットしていきます。「金属加工はちょっとのズレが全体の歪みにつながってしまうので、カットの際には0.5ミリ単位の正確性が求められます」と佐藤さん。

【画像1】サイズだけしっかりと測れば、あとはメタルソーがきっちりカットしてくれる。バーを押し込んでカットするとき、力はほとんど必要なく手は添えるだけ。ゴリゴリと大きな音がするものの、意外とサクサク切れてしまう(写真撮影:SUUMOジャーナル編集部)

【画像2】脚を4本、座面の枠を4本、さらに異なる素材で座面を固定する金属を2本切り出す(写真撮影:SUUMOジャーナル編集部)

【画像3】座面を固定するために使う金属には、ボール盤で穴を開けておく。手袋が巻き込まれてケガをしないよう素手での作業がマストとのこと。バイスという工具で、金属がずれないようにしっかりと固定する(写真撮影:SUUMOジャーナル編集部)

スツールの枠組みとなる材料は、これですべてそろいました。いよいよ溶接に進みます。溶接とは簡単にいうと「金属同士を高熱で溶かして接着する」こと。もちろん金属はちょっとやそっとの熱では溶けないので、高温を発生させる溶接機を扱います。そこで、まずはしっかりと身体をガード。

【画像4】ヘルメット型のフェイスガードを装着。前方についている青色の窓が、溶接で発生する紫外線から目を守ってくれる(写真撮影:SUUMOジャーナル編集部)

今回用いるのは、電気の力によって3000℃以上の熱を発生させ、金属を一瞬で溶かす「TIG溶接」。雷を発生させるような仕組みで電気を起こすため、相当なパワーがあります。ちなみに、溶接時に発生する紫外線ですぐに日焼けしてしまうので、なるべく肌の露出は控えます。TIG溶接は、鉄やステンレス、チタンなどの溶接ができるほか、小型かつ軽量なので女性でも使いやすいのが特徴です。

「鉄が溶けるとかなりの高温になるので、うっかり触ってヤケドしないように気をつけましょう」という佐藤さんの言葉に、一瞬腰が引けそうに……。しかし、そんな不安も佐藤さんによるデモンストレーションや、丁寧なレクチャーによって払拭されました。そして、いよいよ溶接本番!

【画像5】TIG溶接機器の親指部分にあるスイッチを押し込むと電気が流れる。予想していたような「バチバチ」といったような音は出ずに、「ジー」という音が静かに響く(写真撮影:SUUMOジャーナル編集部)

ちなみにフェイスガードは、その場で最も明るい光を通すので、溶接しているところ以外はほぼ見えていない状態。佐藤さんの指示によって、ゆっくり動かして金属を溶かしていきます。

TIG溶接の先端が、熱せられた金属に触れるとくっついてしまうので、慎重に距離感を見極めていきます。その距離5ミリ程度。視野が限られるなか、この感覚をつかむのはなかなか難しい……。また、2つの部材をしっかりとつなげることが重要なので、一層の慎重さが求められます。

【画像6】溶接する箇所は、このようにしっかりと固定。これが甘いと歪みの原因にもなってしまうそう。溶接をする時間よりも、固定する時間のほうが長い(写真撮影:SUUMOジャーナル編集部)

【画像7】脚の一部分が完成! やけどの恐れもある溶接だけに緊張も相当なもの。自然と身体中の神経を総動員して意識を集中させるため、本当に無心になれる(写真撮影:SUUMOジャーナル編集部)

【画像8】3カ所ほど溶接したところで徐々に感覚をつかめてきたが、溶接個所をきれいに仕上げるとなると話は別。金属の溶け具合などを見極めるのは一朝一夕には難しい(写真撮影:SUUMOジャーナル編集部)

【画像9】座面を固定する金属を溶接したら、スツールの脚部分の出来上がり。それぞれの角が90度になっていれば完成度が高い証拠(写真撮影:SUUMOジャーナル編集部)

続いて、スツールの座面部分の制作に取り掛かります。座面は質感を変えるべく木材を使用することに。こちらも持ち込み可能。あるいは中原工房に発注、もしくは工房にある切れ端からチョイスすることもできます。

【画像10】今回は、何かの建具に使われていたであろう、写真中央の濃いめの木材を中原工房にチョイスしてもらった(写真撮影:SUUMOジャーナル編集部)

【画像11】こちらは木材をぴったりサイズ、かつ一瞬でカットしてくれる木工機械「パネルソー」。1mm単位で測れるため、アイアンの座面枠を正確に測り、そのサイズにあわせて角材を切り出していく(写真撮影:SUUMOジャーナル編集部)

【画像12】木材を切り出したら「トリマー」と呼ばれる工具で、角材の端を好きな形に整えていく。ちなみにトリマーの刃は約40種類用意されており、さまざまな仕上がり形状が選べる(写真撮影:SUUMOジャーナル編集部)

【画像13】紙やすりで4辺をそれぞれ滑らかに仕上げていく(写真撮影:SUUMOジャーナル編集部)

【画像14】ペイントやニスなどから好きな色や質感のものをセレクト。今回は、ウォルナットカラーのオイルステインで、アンティークな風合いに(写真撮影:SUUMOジャーナル編集部)

【画像15】最後に、固定部分の金属と座面をビスで留めたら、武骨でクールなアイアンスツールの出来上がり!ちなみに、アイアン部分もペイントできるため、好みのテイストが見つかるはず(写真撮影:SUUMOジャーナル編集部)

所要時間は約3時間半。溶接の習得に時間が掛かってしまったものの、もう何度かトライしてみればスムーズに進めることができそう。なお、佐藤さんは溶接などの金属加工を一通りできるようになるまで、半年ほど専門学校に通ったそうです。

【画像16】中原工房のショールームでは4タイプの部屋も用意されているので、どんなインテリアを置きたいかイメージも湧きやすい(写真撮影:SUUMOジャーナル編集部)

繊細かつ慎重さを要する作業も多い溶接。とくに、金属が間近で溶ける様子は圧巻でした。ハードなイメージから、オトコくさいと思われがちですが、女性が大変さを感じるような作業はなく、楽しみながら一連の作業を体験することができました。

ちなみに、中原工房を運営するジェクトでは、管理している賃貸物件のDIYもサポートしてくれるそう。今回制作したアイアンスツールは、中原工房で定期的に実施されているワークショップ(参加費・材料費込み9000円)でつくることができます。本格的な溶接や鉄の家具に興味がある方におすすめです。●中原工房
元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2016/05/111487_main.jpg
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