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【ネット系女子! 第4回】ゲームボーイを使ってサウンドメイク! チップチューンアーティストTORIENAさん

1989年に任天堂から発売された携帯型ゲーム機、ゲームボーイ。今では店頭で見かけることもなくなったが、当時は『スーパーマリオ』シリーズや『テトリス』、爆発的人気を博した『ポケットモンスター』シリーズなどに夢中になった読者も多いだろう。そんなゲームボーイ機やファミコンのようなピコピコ音を使ってつくられる「チップチューンミュージック」という音楽ジャンルが存在するのをご存じだろうか。

ネットを騒がせている女性をご紹介する「ネット系女子!」の第4回目は、チップチューンアーティストとして活動するTORIENAさん(23歳)。彼女は初代ゲームボーイを使ったポップなメロディと、ヘヴィなビートが融合した音楽作りを得意とし、作詞作曲に加え、ボーカル・録音・自身のCDジャケットやロゴのアートワークに至るまですべてを手がけている。また、ライブではDJブースでゲームボーイ片手にハイテンションなパフォーマンスを行う、キュートでパワフルな女の子だ。

TORIENAさんが作曲・キャラクターデザインを手がけたMV『PULSE FIGHTER MUSIC VIDEO』。チップチューンミュージックは、家庭用ゲーム機やゲームボーイに搭載された内蔵音源もしくはエミュレートした音源を使って作られる

2012年に活動1年目にして国内最大のチップチューンフェス「BLIP FESTIVAL Tokyo」に出演しチップチューン界に彗星の如くデビュー。最近では国内のみならずオーストラリアや中国でもライブを行うなど海外からも注目を集めるTORIENAさんに、チップチューンミュージックへの想いや活動のルーツを聞いた。

スマホでは画像がテキストの上に配置される

初代ゲームボーイの良さは”荒削りな音”

普段は京都を拠点に活動しているが、今回はたまたま東京で出演するイベントがあるとのことで、早速アポを取り付けてお話を聞くことに。当日、TORIENAさんはパンパンのバックパックと大きなスーツケースを持って現れた。ライブ用のDJ機材等が入っているそう。

――作曲はどのように行っているんですか?

「画面に表示される音の波形をいじって音を作り、できた音を鳴らしたい場所に置くという作業を繰り返して曲を組み立てています。できた曲はパソコンに取り込んで、Cubaseというソフトでマスタリングします。初代ゲームボーイは同時に4つしか音が鳴らないんですけど、その中でメロディーをつくったりドラムを入れたりしているんですよ。初代は野太くて荒削りな音が鳴るので、私のつくりたい音楽にぴったりなんです」

初代のゲームボーイはステレオ仕様に見えて、実は左右、真ん中のいずれかしか音が鳴らない擬似ステレオ。「片方から音を出すと、もう片方のスピーカーはブツッていうノイズが入るんです。これはバグなんですけど、私はそのノイズさえすごく愛おしいんです!」

――ゲームボーイのモニターだけで作業するんですね。

「ゲーム機を使うので、ゲーム感覚でつくれるって思われがちなんですけど、実際はプログラムを組むのと似たような感覚です。私も最初は苦労しましたが、3カ月くらいでゲームボーイで作曲できるようになりました。そのかいあってか、今では他人のチップチューンを聴いただけで、パソコンかゲーム機か、どのソフトでつくられたのかまである程度わかるようになりました」

――最近はゲーム会社に楽曲を提供するなど商業的な活動も行っています。

「2012年に『BLIP FESTIVAL Tokyo』という海外のアーティストも出演するチップチューンのフェスに呼ばれたり、youtubeで発表したMV『PULSE FIGHTER MUSIC VIDEO』が10万回以上視聴されるなどして知名度が上がりました。それから商業的な仕事が少しずつ増えていったんです。仕事も普段の曲作りも、基本的に”自分の納得がいく音楽をつくる”というスタンスは崩しません。逆に、ピコピコした曲であればなんでもいい、きちんとした打ち合わせもなくとりあえず売れそうな曲を作って下さいという依頼だと、『私じゃなくていいじゃん』って思って断ることもあります。物づくりって、作り手の想いや哲学を作品にする、いわば魂を削る作業なので、作り手の音楽制作に対する姿勢をなるべく理解してくれる人と仕事をしたいんです。クライアントからはやっかいな人だと思われてるかもしれませんが……(笑)」

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