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老舗テーラー3代目「失敗は会社員時代の特権だった」

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サラリーマンから転身し、家業を継いだ「後継者」に会社員時代を振り返ってもらうこの連載。IT系企業「ワークスアプリケーションズ」から老舗のスーツ店「銀座英國屋」3代目に就任した英國屋代表取締役、小林英毅氏に「会社員でよかったこと」を尋ねた。

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■「失敗」は会社員の特権

社員重視の会社経営に奔走してきたという小林氏。経営者になってみて「サラリーマンだった時のほうがよかった」と立場の違いを実感することはあるのだろうか。

「失敗は会社員時代の特権でした。社長ですと、不用意な一言で会社が動いてしまいます。これは“社員を守る立場”にある者として、とても恐ろしいことです。一方、会社員であれば、ある程度の失敗は許容されます」

今の立場から、会社員時代の自分に言いたいことは?

「自分のやりたいことや個性を生かせばお金になる、という考えは幻想だと言いたいですね。昔の自分は人の話を聞くことより、プレゼンテーションとか自分をよく見せることが先になっていました。しかし、本質的には、対価を得られる仕事は“相手の問題を解決した時”だけ。そのことが全く分かっていませんでした」

■“もがき”なしの成果は無い

若手に向け、勧めることは?

「私から申し上げるのはおこがましいかもしれませんが、20代後半までに“もがき”を経験することをお勧めします。私は20代後半、経営で苦労してもがき続けました。しかし、その後転換期を迎えると、急にうまくいくようになりました。一流と呼ばれる方々でも、華々しい成功の裏で必ず“もがき”の期間を経ているといいます。人それぞれに個性や才能はあるけれど、それが開花するのも、周りからは目に留めてもらえない“もがき”の期間の後のこと。もがいた後の成功体験があれば、その後また困難にぶつかっても、立ち向かえるようになります」

■スーツ選びの基準は「誰にどう見られたいか」

最後に、3代目経営者としての今後の目標を語ってもらった。

「弊社の企業理念“銀座英國屋は世界で活躍するエグゼクティブに、ふさわしい装いを提供します”を愚直に追求し続けることです。まずは多くの人に、スーツを選ぶ“基準”を伝えていきたいと考えています。仕事のスーツを選ぶ基準は“どなたから、どう見られたいか”。ビジネスでは、影響力のある方からの信頼を得ることが成功につながります。装いは、信頼獲得のための重要な要素の一つです。

弊社では、店内にソファやテーブルを置き、お客様にくつろいでいただける空間づくりを心がけています。それは、お客様のお仕事や趣味などのお話をゆっくり伺うことを通して、その方の仕事にふさわしい装いをご提案させていただくため。装いの提供を通してお客様のお仕事のお役に立つことが、弊社が果たすべき社会的役割だと考えています」

(藤あまね)
(R25編集部)

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※コラムの内容は、R25から一部抜粋したものです
※一部のコラムを除き、R25では図・表・写真付きのコラムを掲載しております

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