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野球チームの代表がした横領への対処方法?

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Q.

 中学硬式野球の監督を務めています。先日、球団の運営費を横領したとデマを流されて監督を解雇となりました。
 しかし、そのお金を使ったのは球団代表で証拠も握っています。具体的には、架空の領収書をスポーツ店に作らせていました。スポーツ店の担当に詰め寄った所、「代表に頼まれて作った」との言葉も得ています。
 この場合、名誉毀損で訴える事は可能ですか?

(40代:男性)

A.

 ご相談内容を拝見すると、名誉棄損で訴えることよりも、ご相談者様が無実であることを証明して、球団代表が横領していることを野球部関係者に把握してもらい、役職へ復帰することこそが求められているのではないかと考えます。
 以下では、上述の内容に沿った場合の対処方法についてご回答差し上げます。

 まず、ご相談内容が本当であれば、球団代表は業務上横領罪(刑法253条)に該当する可能性が高いと言えます。
 業務上横領は条文上「業務上自己の占有する他人の物を横領した」場合に成立すると規定されています。

 今回のケースでは、球団代表は本来球団に帰属する部費などの金銭を、みずからの地位を利用して(これが自己の占有するに当たります)、架空の受発注を成立させた(これが横領行為に当たります)ために、横領罪が成立する要件をすべて満たすことになると考えられます。

 このような場合、まずすべきことは警察などの捜査機関に対する告発です(刑事訴訟法239条1項参照)。
 その際に、スポーツ店の担当者に再度話を聞き、場合によっては代表に頼まれて架空の領収書を発行した旨、一筆をとるなどの対応をしておくと、警察も事態を把握しやすいものと考えます(場合によってはスポーツ店担当者との会話を録音するなどの方法も考えられますが、この場合きちんと承諾を得たうえで録音しなければ、刑事訴訟において証拠として採用されない可能性があることをご注意ください)。

 同時に、上記のような証拠を揃えたうえで、球団代表が横領していることを野球部の関係者(たとえば学校関係者)に報告されることが望まれます。
 濡れ衣だとわかれば、監督復帰への道も見えるのではないかと思われます。

 なお、「名誉棄損で訴える」と言う場合、刑事上および民事上の名誉棄損があります。
 刑事上の名誉棄損とは、「名誉棄損罪(刑法230条1項)」が成立するかどうかを意味します。これは「公然と」「事実を適示し(事実の有無を問わない)」「人の名誉を棄損した」場合に成立します。
 今回のケースでは、「だれが・どのように」噂を流したかがご相談内容から判断できないため、成立するかどうかは未知数な部分があります。噂として広まった場合、「公然と」という要件が満たされない可能性があるため、名誉棄損罪は成立しづらいとお考えください。

 一方、民事上の名誉棄損は、名誉棄損的行為を不法行為ととらえ、不法行為にもとづく損害賠償請求を行うことが考えられます(民法709条)。
 こちらについては、「だれが・どのように」噂を流したのかがわかれば、損害賠償請求を(噂を流した相手に)することは可能ではないかと思われます。

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野球チームの代表がした横領への対処方法?

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